七五三イメージ

【プロ監修】お子さまの七五三、母親の着物の選び方は?基本とマナー

はじめに

七五三は、子どもの成長を祝う大切な日本の伝統行事です。この日は主役であるお子さまだけでなく家族全員が晴れ着を身にまとうため、おのずと母親の服装にも注目が集まります。

七五三の衣装にお子さまに合わせて着物を選ぶお母さまも多くいらっしゃいますが、不慣れな方には着物選びから着付けまで大変に思う方も多いかもしれません。そこで本記事では、七五三における母親の着物選びのポイントやレンタルの利用法、着付けの基本、そして親子でのコーディネートについて、着物初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

七五三はお子さまが主役の日でこそあるものの、家族としての節目でもあります。七五三における母親の着物はそんな節目を祝う装いであり、また母としての誇りを象徴するものでもあるわけですから、服装選びも慎重に行いたいものです。適切な種類の着物を選び、色や柄、小物使いで上品さと華やかさを表現することが求められますが、着物に詳しくない方にとっては何を基準に選べばよいのか、どういった準備が必要なのかなど、不安な点も多いのではないでしょうか。

記事を通じて七五三の日に母親が着る着物に関して理解していただき、記念となる日を家族で楽しむ一助となれば幸いです。お子さまと一緒に晴れの装いを楽しみ、家族の大切な思い出を作ってください。七五三の意味とともに母親としての役割を再確認し、お子さまの成長を心から祝福する準備を始めましょう。

七五三の基本と母親として着用する着物

七五三は、子どもの健やかな成長を祝う重要な日本の伝統行事です。この日に母親が着る着物はただのかしこまった衣装というだけではなく、家族の喜びや祝福の気持ちを象徴するものでもあります。

適切な着物を選ぶことは、母親としての役割を果たし、家族の記憶に美しい一日を刻むためにも大切な意味を持ちます。着物選びには服装のフォーマル度をはじめ、色や柄、どのような小物を合わせるかなどが重要になります。ここでは、七五三における母親の着物に関する基礎知識と、どのように着物を選ぶかについてお話しします。

七五三の意味と母親の役割

七五三は、3歳・5歳・7歳の子どもの成長を祝う日本独自の行事です。

母親の服装は、お子さまを持つ家族の喜びを外に向けて表現する役割も担っているため、選ぶ着物はフォーマルで上品なものが好まれます。あまり派手にならず、お子さまとのバランスを考えた落ち着いた色合いや柄が選ばれることが一般的です。

母親の着物選び:フォーマルかカジュアルか

母親が七五三で着る着物としては訪問着、付け下げ、色無地などのフォーマルな装いが適しています。これらの着物は結婚式やパーティーなどといった他のシーンにも対応できるため、一着持っておくと非常に便利です。

フォーマルな着物を新調するとなると高額になってしまいますが、最近では品質の良いレンタル着物も多く、選択肢の一つとして考慮する価値は大いにあります。レンタル着物なら七五三や記念写真の前撮りなどに合わせて、その時々に最適な着物を選ぶことができますし、費用自体も抑えられます。

大切なのは、母親自身が着ていて心地よく、自信を持てる着物を選ぶこと。その上で、お子さまとのコーディネートも楽しみながら、七五三の日を彩り豊かに過ごせるようにしましょう。

着物の種類と選び方

子どもの健やかな成長を祝う大切な行事、七五三。母親が選ぶ着物は、家族の記念日をより華やかにし、特別な思い出を残す大きな役割も果たします。

着物にはさまざまな種類があり、場の雰囲気や着る人の立場、周囲の衣装との調和などを考えながら選ぶ必要があります。ここでは、七五三で母親が選ぶべき着物の種類とその選び方についてもう少し具体的に見ていくことにしましょう。

訪問着、付け下げ、色無地:それぞれの特徴

訪問着は黒留袖や色留袖に次ぐフォーマルな着物です。既婚・未婚の別や年齢に関係なく着用できる準礼装として、七五三のほかにも結婚式やお宮参り、卒業式や入学式など、幅広い行事で重宝されています。色柄も選択肢も多く、母親がお子さまを引き立てるための衣装としてもぴったりの選択肢となります。

ここでゆめやの訪問着をご紹介しましょう。「手描き友禅桜や桐、花の本の蜂蜜色の訪問着」蜂蜜色と名付けられた濃いめのベージュは温かみがありますね。また、手描きで描かれた桐や本もとても可愛らしく上品です。これから学びをされるお子さまに合わせた七五三にぴったりの1着です。

付け下げは訪問着よりも華やかさを抑えた着物で、こちらもフォーマルな場に対応できます。柄も訪問着に比べて少ないため、上品で控えめな印象を演出できます。七五三の場でより落ち着いた雰囲気を纏いたいお母さまに向いています。

千草色のぼかしにリンドウの付け下げ」こちらは裾柄が綺麗な付け下げ。色も珍しい千草色。赤やピンクの華やかな着物をまとったお子さまを引き立てる上品な着物ですね。

色無地はその名の通り、白や黒以外の地色で染められた無地の着物で、シンプルながらも上質な素材や織りでその格を示します。小物選びによっては、非常に洗練された印象にもなります。柄もないシンプルな着物であるため主役であるお子さまが一層引き立ちますが、七五三はお祝い事なのであまりに暗い色合いのものは避けるようにしましょう。

若苗色に織り柄の一つ紋付色無地」色無地はお母さまだけでなく祖母さまにもおすすめです。ご自身の娘であるお母さまとお孫さまを引き立てる上品な色無地です。

サイズと色選びのポイント

サイズ選びは、着物の美しさを左右する重要な要素です。七五三のように記念撮影も行う日には、きちんと体に合ったサイズの着物を選びたいものです。ただし着物は洋服とは異なり、着付け方や所持品の場合は仕立て直しによって、ある程度のサイズ調整は可能です。

色選びでは、自分の肌の色味や好みはもちろん、お子さまの着物との調和を考えることも大切です。お祝い事なので華やかさは必要ですが、主役であるお子さまよりも目立ちすぎないよう、淡い色合いや落ち着いた柄を選ぶように心がけましょう。お子さまと同系色で揃える場合も、お子さまの着物より薄い色の着物を選ぶのが基本です。

着物を選ぶ際にはこれらのポイントを踏まえつつ、お母さま自身も楽しみながらご自身にとって最適な一着を探せるようにしてください。

レンタル着物とフルセットの魅力

子どもの成長を祝う大切な七五三だからこそ、しっかりと着物を準備して迎えたいもの。しかし、着物や和装小物一式を揃えるには時間もコストもかかります。そこで注目されるのが、着物レンタルサービスやフルセットサービスの利用です。レンタル着物は普段着物に慣れていない方や一時的な着用を想定している方にとって、非常に魅力的な選択肢となります。

レンタル着物のメリットと選び方

レンタル着物の最大のメリットは、なんといってもコストパフォーマンスの良さにあります。

訪問着や色無地といったフォーマルな着物は購入すると非常に高価なものですが、レンタル着物なら一部のコストで済みます。またレンタル店によっては小物一式や着付けサービスなどのオプションが用意されていることもあり、それらを活用すれば準備に必要な時間と労力を大きく削減できることも大きな利点といえます。

レンタル着物を選ぶ際は、まずはご自身の体型に合ったサイズがあるかどうかを確認しましょう。次に、七五三の場にふさわしい上品で落ち着いた色合いと柄のものを選びます。主役であるお子さまを引き立てるためにも、派手すぎず、それでいて華やかさも忘れないデザインの着物を探してみましょう。

和装による親子コーディネートなどを考えている場合は、お子さまの衣装との色合わせも重要です。自宅配送や店舗での事前試着も可能であれば、よりご自身に合った着物をイメージしやすくなります。

フルセットレンタルで七五三の準備をより手軽に

フルセットレンタルは、着物だけでなく帯や帯揚げ・帯締め、長襦袢などの下着類など、着用に必要な小物全てがセットになっているサービスです。こうしたフルセットレンタルの魅力は、なんといっても手軽さです。着物初心者の方でもフルセット商品を利用すれば、別途必要なものを一つ一つ調達する手間が要らず、余裕を持って七五三に臨むことができます。

フルセットレンタルを選ぶ際には、衣装の選択肢が豊富にあるレンタル店を選ぶことも大切です。フルセットであっても細かい部分のアレンジは可能な場合が多いため、自分の好みに合わせた和装小物の組み合わせを楽しめるのも魅力です。

こうした着物レンタルサービス、あるいはフルセット商品を上手に活用して、七五三の準備を賢く進めていけるようにしましょう。

着物の色柄とマナー

家族の記念日でもある七五三。母親としても和装を美しく着こなし、家族のお祝いムードを盛り上げたいものです。現代では着物を着ること自体めったに経験しないものですが、色や柄の選び方やマナーについて知っておくことで、七五三当日を特別なものにすることができます。

着物の色と柄

色選びとしては淡い色や落ち着いた色合いが好まれますが、七五三の季節感や式場の雰囲気などに合わせて選ぶのもよいでしょう。七五三のシーズンは秋であるため、紅葉を思わせるような暖色系の着物も多く選ばれています。

着物の柄に関しても基本は控えめに、お子さまの成長や幸福を願う意味を持つ柄が施されたものがよいでしょう。松竹梅や鶴亀などの吉祥文様や、草花をモチーフにしたものなどが人気です。帯や帯揚げ・帯締めといった小物選びも重要で、全体のバランスを考えながら、シンプルでありながらも華やかさをプラスできるアイテムを選びましょう。

七五三で守りたい着物のマナー

七五三における着物のマナーとして特に注意したいのは、着物と帯、小物選びのバランスです。フォーマルな場にふさわしい着物を選ぶのはもちろん、帯や小物についてもせっかくのフォーマル感を損なわない控えめなものが好まれます。ただやはり七五三は子どもの成長を祝う明るい行事でもあるため、華やかさも忘れずに。落ち着いた色味の中に小物の色味などで適度にアクセントを加えることで、お祝いの雰囲気を演出することができます。

着物を着る際には、周囲との調和も欠かせません。訪問着を着るのに父親はカジュアルなど、母親と父親のフォーマル度合いが釣り合わないということのないようにしなければなりません。また、仮にお子さまが洋装を着用する場合は母親としても着物を避ける必要があります。

アンティーク着物で個性を表現する

伝統的な衣装である着物の中でも、アンティーク着物と呼ばれる着物は単なる和装という以上の価値を持ちます。それはいわば、過去から現代に受け継がれた芸術品ともいえる存在です。七五三などの記念日にそうしたアンティーク着物を選ぶことは、その日の記憶をより深く、美しく残すことにつながります。母親がアンティーク着物を身に纏うことは、家族の絆を象徴する行為でもあるといえるかもしれません。

アンティーク着物の魅力と選び方

アンティーク着物の魅力は、その独特な色彩や柄、そして歴史が感じられるデザインにあります。一枚一枚の着物にそれぞれの時代背景や、作り手の想いが込められています。

選び方のポイントとしては、まずは着用する場の雰囲気に合わせた色や柄を選ぶことが大切です。繰り返しになりますが七五三はお子さまが主役のため、母親の着物としては落ち着いた色合いで、お子さまの衣装を引き立てるようなデザインを選ぶのがよいでしょう。

アンティーク着物選びでもう一つ大切なのは、着物自体の状態を確認することです。それ自体もアンティーク着物の味ではありますが、経年による極端なダメージやシミがないかは丁寧にチェックしておきたいところです。一般的に昔の着物は現代人の体型より小さめに作られていることが多いため、自分の体型に合ったサイズ選びも欠かせません。

世代を超えて受け継がれるアンティーク着物

アンティーク着物のもう一つ大きな魅力は、世代を超えて受け継がれる価値です。もしアンティーク着物を購入したのであれば、母親が着用した着物は家族の宝物にもなり、やがて子や孫へと受け継がれていきます。このように、着物はただの服装ではなく、家族の歴史や想い出を織り成す大切なアイテムにもなりえるのです。

ただし、アンティーク着物を受け継ぐ際には適切な保管方法が欠かせません。湿度や温度が適切な場所で保管する、定期的に風通しを良くする、直射日光を避ける、折りじわや虫食いのつかないよう配慮するなど、その品質を維持するのにかかるコストは少なくありません。

その点、アンティーク着物の質感を晴れ着として手軽に味わいたいということであれば、レンタル着物が非常に便利な選択肢となります。購入とレンタル、いずれを選ぶかはご家庭のニーズなどに鑑みて決めるようにしましょう。

親子で楽しむ七五三のコーディネート

七五三は、子どもの健やかな成長を家族で祝う大切な日。親子で着物を合わせれば、より一層家族の絆を感じることができ、記念撮影も一層華やかなものになります。

ここでは、親子でコーディネートを考える際のポイントやアイデアを紹介していきます。

母子の着物コーディネートのアイデア

七五三において母親と子どもの着物がうまく調和すると、見た目にも統一感が出て、写真映えもします。しかし、そのマッチングはどのようにすればよいのでしょうか。

まずは色遣いから考えてみましょう。母親の着物としては落ち着いた色の訪問着や付け下げが適していることはお伝えした通りです。これをお子さまの着物と色味を合わせるとなった場合は、全く同じ色でなくとも色調を合わせることがポイントとなります。例えばお子さまが赤やピンクの着物を着る場合、母親としてはより淡いピンクや薄グレーなどの着物を選ぶとまとまりが出るでしょう。

柄の選び方も重要です。大きな柄や派手すぎる柄は避け、お子さまの着物の柄と相性の良い、上品で控えめな柄を選ぶのがおすすめです。お子さまが花柄の着物を着るのであれば、母親は同じ花柄でも細かいものや、お子さまの着物のアクセントカラーを取り入れた小物でコーディネートする、などを心がけると統一感が出ます。

ゆめやでは自宅でご家族と一緒にゆっくり着物をお選びいただける「自宅で下見プラン 七五三・十三参り向け」をご用意しています。自宅ですとお子さまもリラックスしゆっくりと試着していただけます。
また「七五三・家族プラン お子さま2人とご両親のセット(計4点)」「七五三・家族プラン お子さま2人とお母様のセット(計3点)」はせっかくの機会にご家族皆さまで和装で揃えたいという方におすすめのプランです。

記念撮影にぴったりなコーディネート術

記念撮影を考える際には、ただ母子の着物が調和するというだけでなく、お互いの良さを引き立て合うようなコーディネートも心がけましょう。

例えば小物使いによって、母親と子どもでリンクコーデのように演出することもできます。あるいは帯締めや帯揚げ、草履などの色をお子さまの着物に合わせるなどで、さりげない親子コーデも完成するでしょう。写真映えを意識するなら、背景や小道具も大切です。自然光の下、緑豊かな公園や神社で撮影すると和装の美しさはより一層引き立ちます。

このように、七五三では親子で着物のコーディネートを楽しむことができます。色や柄、小物使いなどを工夫して、お互いを引き立て合うスタイリングを目指しましょう。そしてぜひ、その大切な瞬間を美しい記念写真に残してくださいね。

まとめ

七五三における母親の着物姿は、ただ単に美しい衣装を着るというだけではなく、家族としての記念日の祝賀ムードを演出する手段となります。訪問着や付け下げ、色無地など、選ぶ種類は多岐にわたりますが、ポイントは「控えめな華やかさ」「お子さまよりも目立たないこと」に尽きます。

着物というものは、日本の美意識、伝統、そして文化を体現するアイテムです。七五三の日に着物を着ることは、単に格式ある装いを楽しむだけでなく、日本の美しい風習を次世代に伝え、家族の絆を深める貴重な機会にもなるものです。母親として、また家族の一員として、七五三という特別な日を最大限に楽しんでくださいね。

〈参考記事〉
https://kimono-rentalier.jp/column/shichigosan/shichigosan-mama-kimono/
https://www.studio-alice.co.jp/shortcut/753_s/column/detail75.html

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

最新記事

七五三イメージ

【七五三】3歳の子に履かせる草履選びの基本|素材や色柄、失敗例も

はじめに 3歳の七五三で、お子さまに和装を着せたいと思っている親御さんは多くいらっしゃるのではないでしょうか。和装では、着物だけではなく草履も大切な役割を持っています。草履を選ぶ際には、着物との調和を意識しながら、赤やピ […]

ひとつ前の記事

ゆめやTOP画像_七五三イメージ

【完全ガイド】美しい和装で祝う!七五三着物の基礎知識&選び方

はじめに 七五三とは、お子さまたちの成長を祝う日本の伝統的な行事です。この特別な日には、3歳、5歳、7歳のお子さまが、華やかな着物を身にまといます。しかし、多くの方が着物選びやその準備に不安を感じることでしょう。この記事 […]
試着予約フォームへ|絹100%のアンティーク着物を特別な日に、無料試着、簡単4項目の入力で完結!