サーモンピンクに扇・菊・牡丹の三歳祝着【kod108】

【着物のプロが監修】​3歳の七五三の被布選び | 役割とポイント

七五三は、日本の伝統的なお祝い事の一つで、3歳、5歳、7歳のお子さまの成長と健康を祝う重要な行事です。このお祝いの中で特に目を引くのが、可愛らしい被布をまとったお子さまの姿です。被布は、この日のために特別に用意される、伝統的な衣装で、着物の上から着るベストのようなアイテムです。特に女の子の被布は、色や柄が豊富で、とても華やかでかわいらしいものが多くあります。

この記事では、七五三の3歳のお祝いで着る被布を選ぶポイントを解説します。お子さまの七五三のお祝いに合わせて、衣装選びを行う予定の方は、ぜひ参考にしてください。

七五三の起源と被布の役割

七五三の起源は古く、平安時代にさかのぼると言われています。七五三の3歳のお祝いは、平安時代の髪置きの儀にあたり、男の子は髪を結うために、女の子はきれいに伸ばすために髪を揃えます。この行事は、お子さまが無事に成長できたこと、そしてこれからも健康に成長していくことを祈願する意味が込められているのです。そして、被布は、髪置きの儀に深いつながりのあるアイテムとなっています。

髪置きの儀では、帯の代わりに兵児帯を結びます。被布は、兵児帯の上から防寒のために着用されていました。現在では、七五三の3歳のお祝いに欠かせない華やかな衣装として選ばれています。

男の子と女の子の被布の違い

これまで七五三の被布は、女の子が着る衣装として定着していました。しかし、近年では、男の子の3歳のお祝いに被布を選ぶ親御さんがもいらっしゃいます。男の子と女の子の被布は、色やデザインが異なります。そこで、男の子と女の子の被布の色やデザインの違いについて詳しく見ていきましょう。

男の子の被布の色とデザイン

男の子の被布は、一般的には落ち着いた色合いやシンプルなデザインが多いです。代表的な色としては、黒、紺青、深緑などがあります。これらの色は、日本の伝統的な色で、男の子の被布の中でも非常に人気があります。

また、男の子の被布のデザインには、家紋や地紋、さらには伝統的な動植物のモチーフがしばしば使用されます。これらのデザインは、日本の歴史や文化を感じさせ、男の子の被布に格式や重厚さをもたらしています。


黒、紺青、深緑などの落ち着いた色

デザイン
家紋、地紋、伝統的な動植物のモチーフ

その他
着物の上に被布を羽織ることが多いです

女の子の被布の色とデザイン

女の子の被布は、華やかでかわいらしいデザインが特徴です。色もピンクや赤、紫、水色など、鮮やかで明るい色が多く使われています。女の子の被布には、桜、菊、牡丹などの花柄や、鈴などかわいらしいモチーフが多く使われているのが特徴です。

また、女の子の被布には、刺繍や絞りなどの手の込んだ装飾が施されているものもあり、その豪華さと繊細さが女の子の被布の魅力となっています。レトロなデザインやおしゃれなデザインの被布も人気で、多様なデザインが楽しめます。


ピンク、赤、紫、水色などの鮮やかな色

デザイン
花柄、桜、菊、牡丹などの花柄やかわいらしいモチーフ

その他

被布に合わせて帯や飾り小物を着用することもあり、帯や飾り小物の色やデザインも重要

ここで、アンティーク着物レンタルゆめやの3歳祝着をご紹介いたします。「紫の縮緬地に扇と花々の五つ紋付三歳祝着」は濃いめのパープルの縮緬地に百合や牡丹の花々が描かれています。被布はクリーム色に絞りでお花が入っている可愛らしいものを合わせています。被布を着ている時と着ていない時の雰囲気がずいぶん違いますね。被布を着ることで軽くお色直ししたかのようです。

被布を選ぶ際に覚えておきたいこと

七五三の3歳のお祝いに、被布を着て神社に参拝したり、写真撮影したりすることを楽しみにしている親御さんは多いでしょう。しかし、被布の選び方に悩んでいるという人もいるかと思います。そこで、七五三の被布選びのポイントについて詳しく解説していきます。

七五三の被布を着る際に必要なアイテム

七五三で被布を着る際は、被布のほかにもいくつかのアイテムを揃える必要があります。被布を着る際に必要なアイテムは、以下の通りです。

  • 被布
  • 着物
  • へこ帯
  • 長襦袢
  • 足袋
  • 履物(草履、雪駄など)
  • 腰紐
  • 飾り小物(髪飾り、帯飾りなど)
  • 和装小物(巾着、扇子など)

これらのアイテムを揃えておくことで、被布をより華やかに見せ、写真撮影やお祝いの際にお子さまをより美しく見せる助けとなります。特に、女の子のかわいらしい帯や飾り小物は、お子さまが喜ぶポイントです。

着付けを自分で行う場合や、プロの着付け師に依頼する場合でも、被布を着付ける際に必要なアイテムを確認しておきましょう。

正絹被布と合繊被布の違い

被布には、主に正絹で作られたものと合繊で作られたものの2種類があります。正絹被布は、自然な光沢感と滑らかな質感が特徴で、伝統的な雰囲気を重視する方におすすめです。一方、合繊被布は、耐久性があり、手入れが簡単で、価格も比較的低いのが特徴です。

正絹被布合繊被布
質感自然な光沢と滑らかさ比較的硬い
価格高価低価格
手入れ手間がかかる簡単
耐久性低い高い
伝統制高い低い

正絹被布は、その高価な価格と手間のかかる手入れが必要な点がデメリットとなるかもしれません。しかし、正絹の自然な光沢と滑らかな質感は、七五三のお祝いの特別な雰囲気を作り出すうえで、非常に重要です。また、合繊被布は、価格が低く手入れが簡単で、耐久性も高いため、やんちゃなお子さまでも安心して着せられます。

どちらの素材を選ぶかは、お祝いの形式やご家族の希望、予算などによって異なります。

被布のサイズ選びのポイント

被布のサイズ選びは、お子さまが快適に着られることが前提となります。身長や体重をサイズ表と照らし合わせたり、試着をしたりしてサイズ感を確かめましょう。

サイズの小さすぎる被布は丈が足りなくなってしまいます。購入から実際に着るまでに期間が空く場合は、成長を見越して少し大きめのサイズを購入するのも一つの方法です。

被布の色と柄の意味

七五三の被布選びにおいて、色や柄は重要な要素の一つとなります。日本の伝統的な文化において、色や柄にはそれぞれ特定の意味が込められています。この章では、色や柄の意味と、それに基づいた被布の選び方について解説していきます。

色による意味と選び方

色は、人の感情や印象に大きく影響します。被布の色選びは、お祝いの雰囲気やお子さまの個性を表現する重要なポイントです。以下に、七五三の衣装の色として代表的な色とそれぞれの意味、そして選び方について解説します。

  • 赤色
    赤色は、元気や活力、喜びを表現する色とされています。お祝いの場にふさわしい華やかな色で、女の子の被布に幅広く使用されています。
  • 白色
    白色は、清潔や純粋、神聖を象徴する色とされています。祝いの場での白色は、清々しさや新たな始まりを感じさせる色となります。
  • ピンク色
    ピンク色は、かわいらしさや愛らしさを表現する色とされています。女の子の被布に特に人気の色で、優しい印象を与えます。
  • 青色または水色
    青色や水色は、落ち着きや清涼感を表現する色とされています。男の子の被布に多く見られ、穏やかな印象を与えます。
  • 黒色
    黒色は、格式や優雅さを表現する色とされています。しかし、七五三のお祝いには少々重たい印象を与える可能性もあるため、他の色と組み合わせて使うことがおすすめです。
  • 金色や銀色
    金色や銀色は、豪華さや特別感を表現する色とされています。被布のアクセントとして使われることが多く、華やかさを加える効果があります。

次にご紹介する着物は「サーモンピンクに扇・菊・牡丹の三歳祝着」です。こちらは淡いクリーム色の桜の地模様が綺麗な被布とサーモンピンクの華やかな着物をコーディネートしています。被布のふさ部分は赤色の飾りがついていて引き締まります。柄が多めの着物には無地の被布がよく合います。

柄による意味と選び方

被布の柄も、お祝いの雰囲気や意味を表現する重要なポイントです。以下に、いくつかの柄とそれぞれの意味、そして選び方について解説します。

  • 花柄
    花柄は、美しさや華やかさ、自然の恵みを表現する柄とされています。桜や梅、橘、牡丹などが被布の模様になっていることが多いです。女の子の被布によく使用されています。
  • 鶴や亀
    鶴や亀は、長寿や幸福を願う象徴とされています。お子さまの幸せを願い、伝統的な意味を持つ被布を選びたい場合には、鶴や亀の柄がおすすめです。
  • 鹿の子絞り
    鹿の子絞りは、日本の伝統的な技法で作られる柄で、子鹿の斑点に似ていることから由来しています。伝統的な着物の美しさを感じさせる柄です。
  • 幾何学柄
    幾何学柄は、モダンで洗練された印象を与えます。現代的なデザインを好む場合には、幾何学柄の被布がおすすめです。
  • 手まり
    手まり柄は、「良縁」や「家庭円満」、「なにごともうまく収まるように」といった願いがこめられた柄です。また、「手まり」はお子さまのお守りとしての意味もあります。

被布の色や柄の選び方は、お子さまの個性やお祝いの雰囲気を表現する大切なポイントとなります。伝統的な意味を理解しながら、お子さまにぴったりの被布を選んでみてください。

次にご紹介する着物は「赤地にピンク色の雲取と、御所車や四季の花の三歳祝着」です。錦紗縮緬の正絹生地には御所車や四季の花がたくさん描かれていて着物全体が華やかです。真っ赤な被布にはさりげなく梅柄の絞り加工が施されています。ピンクに赤を合わせることにより、より一層華やかさが増しますね。

被布のレンタルと購入

七五三のお祝いにおいて、被布をレンタルするか購入するかは大きな決断ポイントとなります。それぞれメリットとデメリットがあり、ご家庭の予算や希望によって選択が異なります。この章では、被布のレンタル・購入のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

被布のレンタルのメリットとデメリット

被布のレンタルは、一回限りの使用を考えている家庭にとって、良い選択肢となる可能性があります。メリット・デメリットをそれぞれ紹介します。

メリット

被布は購入すると高額になることが多いです。レンタルなら、被布を購入するよりも安く、さまざまな色や柄から好みのアイテムを選べます。

手入れや保管の必要がないので、写真撮影や神社への参拝のみに使用する場合におすすめです。

デメリット

被布をレンタルするデメリットは、思い出として保管できないことです。後々、姉妹や孫に同じ被布を着せたいという場合は、被布を購入するのがおすすめです。

また、被布のレンタルには返却期限が設けられています。返却期限を越えると追加料金が発生する可能性があるので注意が必要です。

被布の購入のメリットとデメリット

被布の購入は、お祝いの記念品として被布を残したい家庭にとって適しています。メリット・デメリットをそれぞれ紹介します。

メリット

被布を購入するメリットは、思い出の品として保管できることです。後々、姉妹や孫に同じ被布を着せることもできるでしょう。レンタルのように返却期限を気にする必要もありません。

また、購入した被布は自由にカスタマイズができます。お子さまの名前の刺繍やサイズの調整ができるので、より思い出深い七五三になるでしょう。

デメリット

被布を購入するデメリットは、レンタルと比較して費用が高くなることです。被布や着物、小物などを揃えなくてはいけないため、想像以上の出費になるかもしれません。

また、購入した被布は、自分で手入れや保管をする必要があります。手入れや保管を怠ると、被布にシミができてしまうので注意しましょう。

まとめ

七五三のお祝いは、日本の伝統的な節目の祝いで、3歳、5歳、そして7歳のお子さまの成長と健康を祝う大切な行事です。この行事では、被布や着物を着用したお子さまの姿が、お祝いの雰囲気を盛り上げてくれます。

お子さまの3歳のお祝いを控えている親御さんは、彩り豊かな被布のデザインや色など、さまざまなポイントを考慮しながら被布を選び、七五三のお祝いを心から楽しんでください。そして、この特別な日を通じて、ご家族の絆を深め、お子さまの健やかな成長をお祝いしてくださいね。

〈参考記事〉

https://kyoto-kashiisyo.jp/item/shichigosan/3years-boys/hifu-boys/
https://www.studio-alice.co.jp/shortcut/753_s/column/detail32.html
https://www.happilyphoto.jp/column/571121/
https://www.precieux-studio.com/column/hihu-age3-kimono753/

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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