桃から黄へのぼかしに絵羽模様の一つ紋付三歳祝着【kod104】

【七五三】3歳の女の子に合う着物は?種類と選び方、着付け方法など

はじめに

七五三は、日本の伝統的な成長を祝う行事の一つ。特に3歳の子どもにとっては人生で初めての大きな節目となり、こうした特別な日には美しい着物を身にまといます。ただ、着物や和装に詳しくない親御さんにとっては、どのような着物を選んであげればよいのか、また準備に何が必要なのかなど、多くの疑問があるかと思います。

本記事では、絹100%の正絹アンティーク着物を中心に和装レンタルを行う1985年創業の当店が、3歳の女の子が臨む七五三にふさわしい着物選びのポイント、着付けの基本、必要な小物の紹介、そしてレンタルと購入それぞれの利点などについて、詳しく解説していきます。着物や和装に詳しくない方でも、この記事を読むことで、七五三の準備を楽しみながらスムーズに進められるようになればと思います。

七五三の着物選びは、ただ単に美しい衣装を選ぶというだけでなく、子どもの成長を祝う大切な儀式であるともいえます。色や柄から素材選び、着付けまで、一つひとつの選択がお子さまの晴れ姿をより輝かせることでしょう。

七五三で3歳の女の子に選ぶ着物の基礎知識

七五三は、3歳・5歳・7歳の子どもがその歳まで成長できたことを祝い、この先も健康で幸せに成長できることを願って行われる日本の伝統的な行事です。

特に3歳の女の子にとっては「初めて着物を着る」という重要な意味を持ちます。この節目に選ばれる着物は、一生の思い出として残る大切なもの。そこで、選び方の基礎知識を押さえておくことが大切です。

七五三とは?3歳の女の子が着用する着物の意味

七五三は子どもの成長を祝う日本の伝統行事です。特に3歳の女の子にとっては「髪置きの儀」として、平安時代にはそれまで短く刈っていた髪を伸ばし始める節目とされていました。

3歳という年齢で行う七五三では、女の子は主に「被布(ひふ)」と呼ばれる羽織物を着用します。被布は着物の上から羽織る赤や白などの鮮やかな色をしたベスト状の衣装で、おなか回りの締め付けが少なく動きやすいというメリットがあります。

着物と被布の選び方

3歳の女の子の七五三に適した着物と被布を選ぶ際には、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。

  • 色と柄の選び方: 赤やピンク、水色など、3歳くらいのお子さまに似合う明るく華やかな色の着物が一般的です。柄は花や鞠、鶴など吉祥を象徴する文様が施されたデザインが好まれます。
  • セット内容を確認: セット商品を注文する場合、着物と被布だけでなく必要な小物(草履、髪飾り、長襦袢など)がセットになっているかを確認しましょう。フルセットであれば、別途小物を揃える手間が省けます。
  • レンタルか購入かを検討: 使用する機会が限られるため、コストを抑えるためにレンタルを選択する家庭も多くなっています。一方、購入することで家族の大切な思い出として残すこともできます。

七五三の着物選びは、子どもの成長を心からお祝いするための大切な工程です。色や柄、サイズ選びに加え、セット内容やレンタル・購入の選択肢なども慎重に検討し、特別な日にふさわしい着物を選ぶようにしてください。

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3歳の女の子が着用する七五三の着物の種類と特徴

子どもの健やかな成長を祝う日本の伝統的な行事、七五三。3歳の女の子にとっては、(お宮参りなどを除けば)初めて着物を着る大きな節目となります。

こうした人生の節目に選ぶ着物にも実にさまざまな種類と特徴があり、それぞれに意味や魅力が込められています。ここでは、3歳の女の子の七五三にふさわしい着物の種類とその特徴についてご紹介します。

正絹と合繊の違い

正絹(しょうけん)とは絹100%で作られた生地のことを指し、その美しい光沢としなやかな質感が特徴です。正絹の着物には独特の温もりがあり、着る人の体温に合わせて自然と身体になじんでいきます。また絹は天然の素材であるため、肌にも優しく、敏感肌のお子さまへの負担も少なく着せることができます。ただし価格が高めであること、お手入れが大変であることなどがデメリットとして挙げられます。

一方で合繊の着物は、文字通りポリエステルなどの合成繊維で作られており、正絹の着物に比べて手頃な価格で購入することができるのがメリットといえます。また水や汚れにも強く、お手入れが簡単であるため、小さなお子さまが着用する着物という観点で見れば非常に便利な素材といえます。正絹ほどの風合いや質感は望めませんが、近年は技術の進歩により、正絹に近い質感の合繊着物も増えてきています。

人気の色と柄:赤、ピンク、水色

3歳の女の子が着用する七五三の着物には、赤やピンク、水色といった明るくかわいらしい色が定番となっています。

は厄を除け幸福を呼ぶ色とされ、お祝いの席にもふさわしい色として古くから親しまれています。ピンクはかわいらしさや優しさの象徴として洋服でも人気の色ですね。小さな女の子に愛らしい印象を与えてくれます。水色は清潔感があり、寒色系の中でも穏やかな印象を与える色なので、柔らかな雰囲気を演出したい時にもぴったりです。

柄に関しては、松竹梅や鞠、桜や鶴亀といった伝統的なモチーフが好まれます。これらにはそれぞれ違った意味が込められていますが、そのいずれも子どもの健やかな成長や健康、幸福などを願う「吉祥文様」であり、お子さまの多幸を願う七五三という場にぴったりといえるでしょう。

近年では古典的な柄にモダンな要素を取り入れた着物も人気を集めており、伝統と現代の融合が新しい魅力を生み出しています。

七五三の着物選びにおいては、まず正絹と合繊といった素材ごとの違いを理解しておき、お子さまに最適な一着を選ぶことが大切です。色や柄を選ぶ際にも、お子さまの個性や好みを考慮してあげましょう。お子さまが喜んでくれる着物を選んであげれば、七五三の日も一緒に心から楽しむことができるはずです。

七五三の着物のフルセット内容

七五三という大切な日にふさわしい着物を選ぶためにも、どんなものを揃えておけばよいのかは知っておきたいものです。着物に必要なアイテムが含まれた便利なパッケージとして、着物のフルセットがあります。具体的には、どのようなアイテムが含まれているのでしょうか。

フルセットに含まれるアイテム一覧

七五三の着物フルセットには、以下のアイテムが一般的に含まれます。

  • 着物: 主役となる衣装。3歳の女の子の場合、並幅の反物の半分を使って仕立てる「三つ身」と呼ばれる着物を使用します。
  • 被布: 着物の上に羽織るもの。衿がついています。
  • 長襦袢(ながじゅばん): 着物の下、肌襦袢の上に着るもの。半衿つきのものが一般的です。
  • 腰紐(こしひも): 着物を身体に固定するための紐。2〜4本程度使用します。
  • : 3歳の女の子の場合、兵児帯(へこおび)と呼ばれる柔らかい帯を使用します。紐によって着付けられる場合は使用しない場合もあります。
  • 草履(ぞうり): 着物に合わせる伝統的な履物。
  • 足袋(たび): 草履を履く際に必要な靴下に当たるもの。白が基本です。
  • 髪飾り: 髪を飾るためのアクセサリー。リボンや花の形などが人気です。
  • 巾着(きんちゃく): 小物を入れるための袋。着物にポケットがないため持つものですが、どちらかといえば装飾品的な意味合いが強いかもしれません。

これらが一式揃っているフルセットを選ぶことで、初めての七五三でも安心して準備を進めることができます。購入やレンタルを検討する際にはセットに含まれる内容をよく確認し、必要なものが全て揃っているか、別途自前で用意するものがあるかどうかをチェックすることが大切です。

足袋や草履などの小物選び

足袋や草履を選ぶ際には、以下のポイントを考慮するとよいでしょう。

  • サイズ: 特に足袋は足のサイズに合うものを選ぶことが重要です。足のサイズに合わないと歩きにくさや脱げやすさの原因となるほか、怪我のリスクも。
  • デザイン: 着物の色や柄に合わせて足袋や草履を選びましょう。和装の場合、全体の調和が大切です。
  • 素材: 特に新品の草履は鼻緒が硬いため、鼻緒を軽くほぐしたり、事前に試し履きをしたりしておきましょう。足袋は伸縮性が良く履きやすいソックスタイプもおすすめです。

いずれも、長時間履いていても疲れにくいものを選ぶよう心がけましょう。

この章でご紹介した小物一つひとつが、七五三の日の装いを美しく、そして快適にしてくれるためのピースになります。特に3歳の女の子にとっては着物を着ること自体が特別な体験ですから、小物選びにも愛情を込めて、忘れられない一日を作ってあげてください。

着付けと準備:七五三当日の流れ

七五三の当日は、朝からバタバタと忙しくなることが予想されます。前日までに着物や小物、髪飾りなど必要なものを準備し、当日の流れについてもあらかじめ確認しておくことが大切です。

着物の着付け方とポイント

着物を着せる際には、以下のポイントを心がけましょう。

  • 基本の流れ: まずは肌襦袢を着せ、足袋を履かせます。お子さまの身体が細い場合はタオルを腰に巻きます。その上に長襦袢を着せ、付け紐や腰紐を胸元で結びます。さらに着物を着せて長襦袢と同様腰紐などで固定し、被布をかぶせて付属のスナップボタンなどで留めます。草履を履かせれば完成です。
  • 着付けの注意点: お子さまから見て右側の衿を下に、左側を上に重ねる「右前」が正しい衿合わせの方法です。帯はしっかりと結び、動いてもずれないように注意しましょう。
  • 髪飾りの付け方: 髪型にもこだわり、かわいらしい髪飾りを付けましょう。髪飾りは、着物の色や柄に合わせて選ぶと統一感が出ます。

七五三の写真撮影のコツ

七五三の記念撮影では、以下の点に注意して、すてきな写真を残しましょう。

  • 自然な笑顔: お子さまが自然体で笑顔を見せる瞬間を捉えましょう。無理にポーズを取らせるよりも、楽しく会話をしながらリラックスさせることが大切です。
  • ロケーション: 撮影場所は、着物が映えるような背景を選んでみましょう。自然光が入る場所や、日本庭園などがおすすめです。
  • アングルと構図: 低い位置から撮影すると、お子さまがより一層かわいらしく見えます。全身だけでなく、着物の細部や小物にもクローズアップすることで、和装の美しさを強調できます。

七五三における着物のレンタルと購入

七五三に着せる着物選びは、親御さんにとっても一大イベント。しかし、着物をレンタルするか購入するかで迷われる方も多いのではないでしょうか。それぞれの選択肢が持つメリットとデメリットを理解し、ご家族にとって最適な選択ができるようにしましょう。

レンタルのメリットとデメリット

メリット

  • コストパフォーマンス: レンタルは購入に比べて低コストで、高品質な着物を着ることができます。特に、一度きりの使用となる予定の場合には経済的です。
  • 準備の手間が少ない: セット商品であれば必要なアイテムが全て揃っており、小物一式も含まれているため、準備にかかる手間が省けます
  • 多様な選択肢: レンタルショップではさまざまな種類やデザインの着物から選ぶことができ、流行を取り入れたスタイルも楽しめます。

デメリット

  • サイズやデザインの限界: お子さまの体型にぴったり合うサイズがない場合や、希望するデザインが見つからない可能性があります。
  • 使用感: いわば他の人が着用した着物を借りるのがレンタルであるため、新品のような完璧な状態ではないことは理解する必要があります。
  • 返却の手間: 着用後はクリーニングが不要である場合こそ多いものの、返却のために店舗に行ったり箱詰めして発送したりする手間がかかります。

購入のメリットとデメリット

メリット

  • 補正が可能: 成長が早いお子さまでも少し大きめを選んでおき、着付けや縫い直し(肩上げ・腰上げ)で調整することが可能です。
  • 家族に受け継ぐ: 妹さんがいらっしゃる場合、受け継ぐことができます。将来的にはその娘や孫世代にまで受け継げるのも購入ならではの利点です。
  • 記念品として: 記念すべき日に着用した着物が手元にいつまでも残るため、後から見返した時に思い出を回顧することができます。

デメリット

  • 予算: 購入は一般的に高額になりがちです。特に正絹の着物は価格が高く、小物を含めるとさらにコストが上がります。
  • 保管方法: 着物は適切な保管が必要です。湿気や虫食いから守るための対策が必要になります。

3歳という年齢で迎える七五三は一生に一度のこと。その着物をレンタルするか、あるいは購入するかは、ご家庭の予算や価値観、姉妹の有無などご家庭の環境といったものを考慮して決めることになるでしょう。ただしいずれの方法を取っても、その着物がお子さまの特別な一日を彩るためのものであることには変わりありません。大切なのは、その着物を着用して七五三の日を心から楽しめることにあります。

「桃から黄へのぼかしに絵羽模様の一つ紋付三歳祝着【kod104】」は、裾のピンクから肩の黄色にかけてぼかしがほどこされ、梅・菊・牡丹・桜の花などが手描き・手刺繍された3歳祝い着です。手描き・手刺繍に加え、金泥もほどこされた豪華な祝い着です。ところどころ葉に配色されたブルーが効果的で、甘すぎず、しっかりとしたお家柄がしのばれるデザインです。お宮参りの掛け着物としてもお召しいただけます。

まとめ

七五三は、子どもの健やかな成長を祝い、今後の多幸を願う大切な日です。特に3歳の女の子にとっては、この日は人生で初めてとなる大きなイベントと言っても過言ではありません。

本記事では、3歳の女の子が七五三で着用する着物の特徴や選び方から、着付け方法、レンタルと購入のメリットとデメリットに至るまで、さまざまご紹介してきました。記事のまとめとして、重要なポイントをおさらいしておきましょう。

まず着物選びにおいては、正絹や合繊など素材ごとの特徴、赤やピンク、水色といった色の意味や印象、古典柄やモダンなデザインなど、幅広い選択肢とそれぞれの意味や特性があることを理解しておくことが大切です。被布や草履、その他小物選びもトータルコーディネートという視点で考える上で欠かせない要素となります。

着付けに関しては事前に練習をしておくこと、必要な小物があれば確実に揃えておくことがスムーズな準備につながります。レンタルサービスを利用する場合はできる限り早めに予約を入れ、希望するデザインの着物を確保することが重要です。

七五三当日はお子さまが快適に過ごせるよう、着物の着心地や動きやすさを考慮することが大切です。記念撮影ではお子さまの自然な笑顔や動きを捉えられるよう、リラックスした雰囲気作りを心がけましょう。

七五三は単なる季節のイベントではなく、お子さまの成長を家族みんなで祝い、そうすることで家族の絆を深める意味も持つ行事です。さらに着物を通じて日本の伝統文化に触れ、家族で一緒にその準備を楽しむことが、何よりも価値のある経験となることでしょう。

この記事が、3歳の娘さんを持たれるご家族が七五三を迎える際のお役に立ち、すてきな一日を過ごすための参考になれば幸いです。七五三当日までの準備はいろいろと大変かもしれませんが、その過程で得られる喜びや感動は、きっと忘れられない思い出となるはずです。

〈参考記事〉
https://www.studio-alice.co.jp/shortcut/753_s/column/
https://www.saganokan.com/furisode/content/8271/
https://www.buysellonline.jp/blog/meaning-of-kimono-color
https://www.studio-alice.co.jp/seijin/furiho/furisode_pattern/
https://kimono-rentalier.jp/column/kimono/mitsumi/
https://kimono-rentalier.jp/column/shichigosan/shichigosan-item-3sai/

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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