七五三イメージ

【着物のプロが解説】七五三の歴史と由来!現代的な祝い方とは?

はじめに

七五三は、日本古来から続く、お子さまたちの成長と健康を祝福する行事です。この伝統は、お子さまたちの人生における重要な節目を家族が共に祝う形で、長年にわたり受け継がれてきました。現代においても、この豊かな伝統は多くの家庭で大切にされており、年間を通じて多くの神社が賑わいを見せています。

しかし、この美しい習慣の背景にある歴史や、年齢ごとに込められた意味、そして時間が経つにつれて変化してきた祝い方について、どれだけ知られているでしょうか?本記事では、七五三の由来から、具体的な年齢が持つ意味、そしてその祝い方の変化に焦点を当てつつ、着物の選び方や現代的な祝い方までを包括的にご紹介します。

七五三の歴史:由来から現代まで

七五三は、日本の伝統文化の中でも特にお子さまたちの成長を祝う重要な行事です。この行事は、お子さまたちが健康で幸せに成長することを家族が神に感謝し、願いを込める形式で行われます。特定の年齢、具体的には3歳、5歳、7歳になるお子さまたちがこの儀式の主役です。ここでは、七五三がどのようにして始まり、現代にどのように受け継がれてきたのか、その過程を詳しく掘り下げていきます。

七五三が始まった理由:由来の探求

七五三の起源は、江戸時代までさかのぼります。この行事は元々、お子さまたちが一定の年齢に達した際に、その健康と将来の幸福を神に祈願する家族の儀式として始まりました。江戸時代には、お子さまの成長を祝う文化が特に形成され、七五三といった具体的な儀式が取入れられるようになりました。七五三の儀式には、お子さまたちの人生における重要な節目を象徴し、家族による健康と長寿の願いが込められているのです。それではここで、江戸時代から現代までの、七五三の変遷をたどってみましょう。

時代を超える伝統:七五三の変遷

七五三の祝い方は、日本の社会や文化の変化と共に進化してきました。江戸時代では主に武家や貴族の間で行われる儀式でしたが、明治時代に入ると近代化の流れの中で、より多くの人々がこの行事を祝うようになりました。この時期、国の近代化と共に、家族のあり方や社会の構造も大きく変わり、七五三は社会全体で広く受け入れられる文化へと変化しました

大正時代には、七五三はよりポピュラーな行事となり、都市部だけでなく地方においても広く祝われるようになりました。この時代の文化的な開放性が、伝統行事の普及に大きな影響を与えたと言えます。

昭和時代に入ると、七五三はさらに家庭中心の行事として定着し、戦後の復興期には国民的な行事としての位置づけが強まりました。経済の成長と共に、より豪華な祝い方が可能となり、お子さまたちを主役にしたお祝いが一般的になりました

平成から令和にかけての現代では、七五三の形式や祝い方において、多様化が進んでいます。家族構成の変化やライフスタイルの多様性を反映して、伝統的な祝い方を守る家庭もあれば、写真撮影や家族旅行を兼ねたお祝いを行う家庭も増えています。しかし、その核となる精神、すなわちお子さまの成長と健康を願う心は、時代を超えて変わることがありません

このように七五三の行事は、日本の文化や社会の変遷と共に進化し続けてきましたが、その本質である家族の絆とお子さまへの愛情を祝うという精神は、変わらずに受け継がれています。

なぜ七歳、五歳、三歳なのか?

日本の伝統的な行事である七五三は、お子さまたちの成長を祝う特別な日です。この行事では、3歳、5歳、7歳のお子さまたちが主役となりますが、なぜこれらの特定の年齢が選ばれているのでしょうか?ここでは、七五三で祝われる年齢に込められた意味と、成長の節目としての七五三の深い意味についてご紹介します。

年齢別の意味とは:七五三の背景

七五三で祝われる3歳、5歳、7歳という年齢には、それぞれ独自の意味があります。日本では昔から、奇数を縁起の良い数字として重んじてきました。これは「奇数は割り切れないため、悪いものが入り込みにくい」という考えに基づいています。具体的には、3歳は「髪置き」として知られ、お子さまが健康に成長していることを祝い、髪を伸ばし始める年齢を象徴します。5歳は男の子が初めて袴を着る「袴着」とされ、成長の一歩を表します。7歳は女の子が帯を締める「帯解き」の年齢とされ、お子さまから大人への移行期を意味しています。これらの儀式は、お子さまたちの健やかな成長と社会への一歩を象徴する重要な節目とされてきました。

祝いの深い意味:成長の節目としての七五三

七五三は、単なる年齢の祝いを超え、お子さまたちの人生における重要な節目を家族が共に祝う行事です。この儀式を通じて、家族はお子さまたちの健康と長寿を神に感謝し、これからの成長を祈願します。また、七五三はお子さまたち自身にとっても、自己の成長を実感し、新たな段階への移行を意識する機会を提供します。さらに、この行事は家族や親戚が集まり、お子さまたちの成長を共に喜び、絆を深める大切な時間となります。七五三は、日本の文化と伝統を次世代へと継承する役割も果たしており、お子さまたちにとっても社会の一員としての自覚を促す重要な儀式なのです

七五三の祝い方:昔と今

日本の七五三は、お子さまたちの重要な成長の節目を祝う伝統的な行事です。その祝い方は、時代と共に進化しています。ここでは、これから七五三を迎える皆さまの参考となるべく、古くからの伝統的な祝い方と、現代の祝い方の変化をご紹介します。

伝統的な祝い方

江戸時代に始まったとされる七五三は、もともとはお子さまたちの健康と長寿を祈るための神社への参拝から始まりました。伝統的な七五三では、お子さまたちは伝統的な着物を着用し、神社で祈りをささげ、家族と一緒にお参りをしました。この日のために特別に選ばれた着物は、その子の成長を象徴し、家族の絆を深める大切な役割を果たしていました。また、七五三参りの後には、家族や親戚が集まり、お子さまの健やかな成長を願ってお祝いの席を設けるのが一般的でした。祝い食には、長寿を願う意味を込めた「千歳飴」が用意され、これらの風習は今もなお多くの家庭で受け継がれています。

現代の七五三:変わる風習と残る伝統

現代の七五三では、伝統的な要素を取り入れつつ、より多様な祝い方が見られます。技術の進歩と共に、プロの写真スタジオで記念撮影を行う家族が増えており、特別な思い出作りの一環として重視されています。また、現代のライフスタイルの変化に伴い、お祝いの方法も多様化しています。例えば、家族旅行を兼ねた七五三参りや、テーマパークでのお祝いなど、お子さまたちの喜ぶ姿を最優先に考えたイベントも増えています。しかし、これらの新しい風習が加わったとしても、神社での参拝や伝統的な着物を着るといった、七五三の基本的な精神は変わることなく受け継がれています。このように、七五三は時代と共に変化しながらも、お子さまたちの成長を家族が祝うという日本の大切な文化として、今もなお色褪せることなく続いているのです。

七五三の祝い方が昔から現代にかけてどのように変化し、どのような伝統が受け継がれているのかを理解することは、日本の文化を深く知る上で非常に意義深いことです。こうした変化を念頭に置いた上で、ここからは七五三で選ばれる衣装の意味や魅力について、見ていきましょう。

七五三と着物:美の伝承

七五三は、お子さまたちの成長を祝い、家族がその健康と将来の幸福を願う日本独自の伝統行事です。着物はこの行事における中心的な要素であり、単なる装いを超えて、家族の愛と願い、そして日本の美意識を象徴するアイテムとして大切にされています。この章では、七五三における着物選びの重要性についてご紹介します。

着物の選び方:年齢と性別による差

七五三では、お子さまの年齢と性別に応じて着物を選ぶことが伝統です。3歳の女の子は、成長の祝福として「被布」と呼ばれる特別な装いを身にまといます。これは、お子さまが健やかに成長していることを祝う儀式的な意味合いを持ちます。5歳の男の子は「袴」を初めて着用し、社会の一員としての一歩を踏み出す節目を祝います7歳の女の子は、「帯解き」の時期を迎え、より成熟した女性への過渡期として帯を締めることになります。これらの着物は、お子さまたちの成長と健康、そして未来への願いを表現するために慎重に選ぶ必要があります。

着物に込められた願い:デザインと色の意味

七五三で選ばれる着物は、デザインや色に深い意味が込められています。伝統的な模様や色は、長寿、幸福、健康などの願いを象徴しており、着物を通じてこれらの願いがお子さまたちに託されます。例えば、桜は人生の美しさと儚さを、菊は長寿と幸福を、松は不老長寿と強さを表します。色に関しても、赤は活力と健康を、白は純潔と新しい始まりを象徴しており、これらはすべてお子さまたちの明るい未来への願いを表現しています。

ここで一つ、ゆめやで取り扱いのある、お子さま向けの着物レンタルプランをご紹介します。ここでご紹介させていただくのは、七五三のお子さま2人、合計2着のセットプランです。七五三のどの年齢でも、男の子でも女の子でも大丈夫です。また、ご兄弟姉妹は七五三の年齢ではなく付き添いの場合でも大丈夫です。着物はご自由にお選びいただけます。 ゆめやのアンティーク着物はたいへん軽くてやわらかく、仕立てにも工夫を凝らしていますので、お子さまが疲れることはありません。せっかくの参詣ですので、ぜひ和装でお出掛けになり、記念に残してください。

七五三における着物選びは、単に伝統に従う行為以上のものです。それは、お子さまたちの人生における重要な節目を祝い、家族の絆を深め、日本の文化的美意識を次世代に伝える行為です。着物に込められた願いは、家族がお子さまたちに対して持つ無限の愛と希望を形にし、世代を超えて受け継がれていく貴重な文化遺産となっています。

七五三における神社の役割

七五三は、お子さまたちの節目を祝う伝統的な行事であり、神社はその祝賀の心を形にする場所として中心的な役割を担います。この章では、七五三で神社が果たす重要な役割と、神社選びに際してのポイントをご紹介します。

神社での儀式:感謝と祈りの場

七五三の神社での儀式は、お子さまたちのこれまでの成長を祝福し、今後の人生での幸せと健康を祈願する、家族にとって意味深い時間です。この儀式を通じて、家族は感謝の気持ちを共有し、お子さまの未来に対する願いを神様に捧げます。また、社会の一員としての自覚を育むと同時に、家族の絆を強化する貴重な機会でもあります。

神社選びのポイント:七五三を祝う上での考慮事項

七五三を迎える家族にとって、どの神社でお祝いを行うかは、重要な選択です。選ぶ際には、伝統や家族の習わし、地元の慣習を尊重することが多いですが、お子さまの成長や健康に関連した神様を祀る神社を選ぶ家庭もあります。また、アクセスの便や周辺環境、神社が提供する七五三特有のサービスや祈祷の内容も、選択の重要な要素となります。最適な神社を選ぶことで、家族にとって忘れられない七五三の思い出を作ることができるでしょう。

神社での参拝は、家族が一丸となってお子さまの健康と将来への幸福を願う、感謝と祈りの象徴的な瞬間です。適切な神社選びを通して、この特別な日をより一層特別なものにし、日本の美しい伝統と文化を次世代に伝えていくことができます。

七五三の現代的な祝い方とは?

七五三は、時代と共に変化し続ける日本の伝統的な行事の一つです。現代では、家族で過ごす時間の質が重視され、伝統に新しい息吹を吹き込む形でお祝いが行われています。ここでは、現代の七五三における新しい形と記念撮影に焦点を当て、具体的な例とともにその詳細をご紹介します。

家族で祝う七五三:新しい形

現代の七五三では、家族でのアクティビティがお祝いの中心となっています。例えば、神社参拝後に、お子さまの好きなテーマパークで一日を過ごしたり、地元の美術館や動物園を訪れたり、教育的かつ楽しい体験を組み込む家族もいます。また、家族だけでなく、親しい友人や親戚を招いて自宅やレンタルスペースでパーティーを開くこともあります。このようなパーティーでは、お子さまが主役となり、手作りの飾り付けやゲーム、特製のケーキでお祝いのムードを盛り上げます。

七五三の記念撮影:残る思い出

記念撮影においても、伝統と現代のスタイルが融合しています。プロのフォトスタジオでは、伝統的な着物に加え、カジュアルな洋装での撮影を提供しており、お子さまの多様な表情や家族の自然な姿を捉えます。一方で、野外でのロケーション撮影を選ぶ家族も増えており、紅葉の美しい公園や海辺など、四季折々の自然の中で特別な瞬間を記録しています。さらに、SNSの普及により、家族自身が撮影した写真を共有することで、遠く離れた親戚や友人ともお祝いの喜びを分かち合うことが可能になりました。

記念撮影の際は、お子さまだけでなく、ぜひお母さまも一緒に着物を着用してみてはいかがでしょうか。こちらはゆめやで提供している、七五三のお子さま2人とお母さま、合計3着のセットでのレンタルプランです。七五三のどの年齢でも、男の子でも女の子でも大丈夫です。また、ご兄弟姉妹は七五三の年齢ではなく付き添いの場合でも大丈夫です。着物はご自由にお選びいただけます。ゆめやのアンティーク着物はたいへん軽くてやわらかく、仕立てにも工夫を凝らしていますので、お子さまが疲れることはありません。お母さまは訪問着フルセットの1着となります。草履やバッグなどの小物も付属しています。

現代の七五三の祝い方は、お子さまの興味や家族のライフスタイルを反映した柔軟で多様な形が受け入れられています。家族で過ごす時間の質を大切にし、記念撮影でその瞬間を永遠に残すことで、七五三はただの行事ではなく、家族の絆を深める大切な機会となるはずです。

まとめ

七五三は、お子さまたちの成長を祝う日本の伝統的な行事です。その際に着用する着物は、単なる衣装ではなく、お子さまたちへの願いを色やデザインに込めた、家族の希望を象徴するものです。また、神社での儀式は、お子さまたちの一生における重要な節目を家族と共に祝い、神様への感謝と将来への祈りを捧げる場となっています。

現代では、伝統的な要素を取り入れつつ、家族の絆を深めるアクティビティや記念撮影といった新しい祝い方が加わり、七五三をより特別なものへと昇華させています。これらの新しい形式は、お子さまたちの個性と家族のライフスタイルを反映し、記憶に残る豊かな経験を提供しています。

七五三が今後も日本の文化として大切にされ、家族の絆を深める機会として、世代を超えて受け継がれていくことを願います。この行事がお子さまたちにとって、社会の一員として自立していく大切な一歩を踏み出す励みとなり、家族にとっては共に成長を喜び合う時間となるでしょう

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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