フランボワーズと薄藍に檜扇の振袖【fui08】

【2024年最新版】結納での着物レンタルガイド:最適な振袖の選び方

はじめに

大切な日に、着物を着用することは、日本の伝統的な美しさを表現する素晴らしい方法です。そういった中でも結納は、二人の結びつきを象徴する重要な儀式であり、その日にふさわしい装いを選ぶことは非常に意味深い行為となります。ただ、着物や和装に詳しくない方にとって、どのような着物を選べば良いのか、またレンタルする際のポイントは何かというのは、なかなか分かりにくいものです。この記事では、結納で着物をレンタルする際の基礎知識から、選び方着こなしのポイントまでをわかりやすく解説していきます。

結納での着物レンタルの基礎知識

結納は、結婚を控えた二人の門出を祝う大切な儀式です。この特別な日にふさわしい装いを選ぶことは、多くの方にとって重要な意味を持ちます。着物レンタルは、そんな時に最適な選択肢の一つです。ここでは、結納での着物レンタルについての基礎知識と、そのメリットについてご紹介します。

結納とは?その意義とは

結納は、結婚を前にして両家が結びつくことを公に示し、互いの家族としての絆を深める日本の伝統的な儀式です。結納には正式結納略式結納がありますが、手間と時間がかかるため近年は略式結納が多いです。また、結納の形も和やかなお食事会のようなものも増えており、時代に合わせて柔軟な変化が見られます。

しかし、本来の形は新郎新婦が正式な和装を身にまとい、お互いの家族と共に慶びを分かち合います。ですから、着物を着用するだけでも、結納は華やかさを増し、結納自体の格も上げてくれます。

着物レンタルのメリットとは

着物レンタルの最大のメリットは、高品質な着物を手軽に、そして経済的に利用できる点にあります。結納は一生に一度の特別な場面であり、この機会に最高級の着物を着用したいと考える方も多いでしょう。そういった着物を購入するとなると非常に高価で、また保管やお手入れも大変です。しかし、レンタルであれば必要な時にだけ購入金額の数分の一の金額で美しい着物を借りられて、特別な日を彩ることができる上に、その後の管理の手間もありません。

また、レンタルの場合は幅広いシーンでの利用ができるというメリットもあります。結納に合わせて購入した着物で、お呼ばれの結婚式や結婚後の七五三やらお子さまの入卒式までこなせるかと言えば、無理があります。着物は着用シーンと立場、そして年齢によっても着分けるのがマナーですので、着物を着るのであれば複数枚を用意する必要があります。長期の視点で見た場合も、着物のレンタルは優れています。さらに、レンタルサービスには着付けや小物一式を含むフルセットのオプションもあり、初めて着物を着る方でも安心して利用できます。

春の草花が満載の大正時代のアンティーク小振袖です。フレッシュピンクの生地に、熨斗目や檜扇の紋様が浮き出ており、光の加減で鮮やかに浮かび上がります。さらに檜扇の中にも、牡丹や松、紗綾型の古典紋様が織り出されています。この艶やかな地に、春尽くしの草花が手描き、手刺繍された、まさにお花見のためのきものです。帯は、マゼンタ色の地に、色とりどりの糸を使って、春の花が手刺繍されています。

結納に適した着物の選び方

結納は、結婚を控えた二人の絆を象徴する大切な儀式です。この特別な日にふさわしい着物を選ぶことは、多くの女性にとって重要な意味を持ちます。しかし、着物や和装に詳しくない方にとって、振袖、訪問着、留袖の違いや、どのような色や柄を選べば良いのかは分かりにくいものです。ここでは、結納に適した着物の選び方について、基本的な知識とポイントをご紹介します。

振袖、訪問着、留袖の違い

結納や結婚式において、着用する着物はその人の立場や式の性質によって異なります。主に振袖、訪問着、留袖が選ばれますが、これらはどのように異なるのでしょうか。

  • 振袖は、未婚女性のフォーマルな場で着用する着物です。長い袖が特徴で、正式結納における花嫁の衣装として、最も一般的な衣装です。
  • 訪問着は、既婚未婚を問わずに女性が着用するセミフォーマルな着物です。上半身から下半身にかけて、縫い目を跨って描かれる絵羽模様が特徴です。略式礼装においては、花嫁の衣装として最適です。正式礼装においては花嫁が着用するには格が下がるので、振袖が通常です。しかし、親族が着用する分には丁度良い選択です。
  • 留袖は、黒留袖と色留袖と分けて着用に決まりが変わります。黒留袖は既婚女性の正礼装であるため、結納の場合、正式結納での近親者のみが着用できます。ただし、花嫁が正礼装でない場合は、立場が逆転してしまうので着用できません。あくまで、結納の主役は新郎新婦だからです。色留袖は、既婚未婚を問わずに着用できる着物です。格もフォーマルからセミフォーマルまで調整ができるので、花嫁から親族まで着用できます。

この他にも、紋付の色無地も着用が可能です。柄のない着物であるため、上品な印象になります。紋の数によってはとても高位の着物としても扱われますので、花嫁でも親族でもシーンに合わせれば着用できます。

シーンに合わせた色と柄の選び方

結納における着物の色や柄選びは、その日の雰囲気や意義を反映させる重要な要素です。基本的には、華やかさと格式を兼ね備えたデザインが好まれますが、以下のポイントに注意して選びましょう。

  • 色選び:結納は喜びと祝福の場であるため、明るく温かみのある色が適しています。赤やピンクは愛情や幸福を象徴し、金や銀の縁取りが施されたものは豪華さを演出します。また、白は清純さや新たな始まりを意味し、結納にふさわしい色とされています。
  • 柄選び:古典的な花柄や吉祥文様は、縁起が良いとされており、結納に適しています。特に、松や竹、梅といった「寿」を象徴する柄や、鶴や亀といった長寿を願う動物のデザインは、結婚式や結納に好まれる伝統的な選択肢です。

このような点を意識すると、着物選びもスムーズになることでしょう。ただ、一番重要なことは、両家の格を揃えたコーディネートを行うことです。花嫁がフォーマルな衣装なのに、花婿がセミフォーマルではちぐはぐです。同様に、花嫁の母が黒留袖を着用しているのに、花婿の母が訪問着では恥をかきます。事前に両家でよく衣装の確認を行ってから結納を迎えましょう。

レンタル着物のサイズ選びとフィッティング

特別な日に着用する着物は、見た目の美しさはもちろん、サイズ感が非常に重要です。レンタル着物を選ぶ際には、ただ単にデザインが気に入ったからという理由だけで決めてしまうと、当日不快感を感じることがあります。サイズ選びとフィッティングは、着物を美しく、そして快適に着るために欠かせない工程です。ここでは、レンタル振袖のサイズ選びの正しい測り方と、フィッティングの重要性について解説します。

サイズの正しい測り方

着物をレンタルする際、最も基本となるのが自身のサイズを正確に知ることです。サイズが合わない着物を選んでしまうと、見た目が美しくなかったり、動きにくかったりと、せっかくの特別な日が台無しになってしまいます。正しいサイズを測るには以下のポイントを押さえましょう。

  • 身丈: 首の付け根から足のくるぶしまでの長さです。身長の±5cmが適正と言われます。
  • 裄丈: 首の付け根から手のくるぶしまでの長さです。丁度の長さを選びましょう。
  • バスト、ウエスト、ヒップ: それぞれ最も出っ張っている部分の周囲を測ります。あまりにピッタリし過ぎると着崩れの原因になります。

これらのサイズを正確に測ることで、自分にぴったりの着物を見つけることができます。また、レンタル店ではプロのスタッフがサイズを測ってくれる場合もありますので、不安な方は専門家に相談するのも一つの方法です。

フィッティングの重要性とポイント

サイズが合っているかどうかを確認するためには、フィッティングが不可欠です。フィッティングを行うことで、着物が自分の体に合っているか、動きやすいかなどを確認できます。フィッティングの際には以下のポイントに注意しましょう。

  • 着心地: 着物は長時間着用することが多いため、着心地は非常に重要です。動きやすさや、締め付け感がないかをチェックしましょう。
  • 見た目: 鏡の前で全体のバランスを確認します。柄の見え方などは、着てみないことにはなんとも言えません。
  • 小物の合わせ方: 着物に合わせる帯や草履、バッグなどの小物もフィッティングの際に一緒に試着しましょう。全体のコーディネートを確認することができます。

フィッティングは、レンタル着物を最終的に選ぶ上で非常に重要な工程です。サイズがぴったりで、自分が思い描いていた通りの着物を見つけることができれば、特別な日をより一層輝かせることができるでしょう。

結納での着物アクセサリー選び

結納では、着物だけでなく、それを引き立てるアクセサリー選びも非常に重要です。アクセサリーは、着物の美しさを一層際立たせるだけでなく、着用者の個性やセンスを表現する手段となります。結納という特別な日にふさわしい草履やバッグ、帯締め・帯揚げの選び方を解説します。これらの小物選びには、色や柄、素材など、考慮すべきポイントがいくつかあります。

草履とバッグの選び方

結納での草履とバッグ選びは、着物の装いを完成させる重要な要素です。草履は、足元の印象を大きく左右し、バッグは実用性と装飾性を兼ね備えたアイテムとして、全体の調和を考えて選ぶ必要があります。

  • 草履の選び方:まず、草履は着物の色や柄に合わせて選びます。正式結納では、格式高い装いが求められるため、金や銀などの光沢感のある素材や、落ち着いた色味のものが適しています。ちなみに、草履は少し小さく履くのがオシャレとされているため、草履からほんの少し踵が出るくらいが素敵です。
  • バッグの選び方:バッグは、草履とセットで選ぶことが一般的ですが、着物の色や柄との調和も重要です。結納では、小ぶりで上品なデザインのものが好まれます。必要最低限の物が入るサイズ感で、色は草履と合わせるか、着物のアクセントカラーを選ぶと良いでしょう。

帯締め・帯揚げの役割と選び方

帯締めと帯揚げは、着物の装いにおいて重要な役割を果たします。これらは単に着物を美しく見せるだけでなく、装い全体のバランスを整え、個性を表現するアイテムです。

  • 帯締めの選び方:帯締めは、帯の上から締めて帯を抑える紐のことで、着物の色や柄に合わせて選びます。着物の柄に合わせて選ぶのですが、コツは着物や帯の柄に含まれる色の帯締めを選ぶことです。これにより、統一感のあるコーディネートとなります。
  • 帯揚げの選び方:帯揚げは、帯の上から少し見せる布のことで、本来は着付けの際の腰紐を隠すものでしたが、帯締めと合わせて着物のアクセントとして機能しています。帯締めと同系色を選ぶコーディネートが基本となり、応用として帯締め同様、着物や帯の柄に使われている色から選ぶのが良いです。色を絞ることはコーディネートの取っ散らかりを防げます。

「フランボワーズ色」と「薄藍色」という対照的な2色が地色の錦紗縮緬(きんしゃちりめん)に、手刺繍や手描きで、大胆な絵柄が施された見事なアンティーク振袖です。大きく描かれたたくさんの檜扇をバックに、牡丹や菊など数々の花が描かれています。帯は、古典柄と花々が金、朱、緑、青などで織り出された丸帯を使いました。

結納における着物レンタルの流れ

ここでは、結納で着物をレンタルする際の流れを、ステップバイステップでご紹介します。この流れを理解することで、初めての方でも安心して着物レンタルを利用することができます。

レンタルプロセスのステップバイステップ

  1. レンタルショップの選定: 着物のレンタルは呉服屋、貸衣装屋、振袖専門レンタル店で行われている他、近年はオンライン上の店舗などで利用が可能です。それぞれの店舗の口コミや評判、レンタルの品揃えをチェックしましょう。
  2. 事前の予約: 実店舗の場合、試着の可否の確認も含めて予約を取ります。特に成人式や結婚式のシーズンは混み合いますので、早めに予約を入れることが大切です。もし、現時点で希望する着物がある場合は、事前に店舗に在庫があるかを確認しておくとスムーズです。
  3. 着物の選定: 予約日当日、来店して着物を選びます。店舗のスタッフに相談しながら、自分に合った着物を選びましょう。オンラインの場合も、不明点は適宜店舗に連絡をとって選びましょう。
  4. サイズ合わせと小物選び: 着物だけでなく、帯や草履、バッグなどの小物も合わせて選びます。サイズ合わせもこの時に行います。オンラインの場合は、試着の機会がない場合もあるので注意が必要です。
  5. レンタル契約と料金の支払い: 着物と小物を選んだら、レンタル契約を結び、料金を支払います。レンタル期間や返却日など、契約内容をよく確認しましょう。
  6. 着付けの予約: 結納当日の着付けを、レンタルショップまたは外部の着付け師に依頼します。着付けに必要な時間も考慮して、スケジュールを組みましょう。着付け師によっては、事前に着物を確認したいという場合があるため、オンラインでのレンタルの場合は着物の到着日の調整が必要になる場合もあります。
  7. 結納当日: 着付けをして、結納に臨みます。着物での一日を楽しみましょう。
  8. 着物の返却: 結納が終わったら、指定された日に着物と小物をレンタルショップに返却します。着物は丁寧に扱い、汚れや傷がつかないよう注意しましょう。

レンタル時の注意点と取り扱い注意事項

着物をレンタルする際には、美しい状態で着用し、返却するためにいくつかの注意点があります。特に結納や結婚式などの大切な日に着物を着る場合、事前に知っておくべきポイントがいくつかあります。着物は非常に繊細な素材で作られており、取り扱いには以下の点に留意しましょう。

  • 飲食物の扱い: 着物を着用中は、飲食物の取り扱いに特に注意してください。特に結納や結婚式などの席では、食事をする機会も多いため、着物に食べ物や飲み物がつかないように気をつけましょう。
  • 移動時の注意: 着物は裾が長いため、移動時に地面に引きずらないように持ち上げる必要があります。特に階段の上り下りの際は、裾を踏まないように注意してください。
  • 着用時の姿勢: 着物を着用しているときは、姿勢にも注意が必要です。急な動作は避け、着物に無理な力がかからないようにしましょう。
  • 化粧品の使用: 化粧をする際は、着物に化粧品が付着しないように注意してください。特に、ファンデーションやリップクリームなどは着物につきやすいので、使用には十分注意しましょう。

また、着用後の着物は、次に着る人のためにも、きれいな状態で返却することが大切です。着用後のお手入れには以下のポイントがあります。

  • 汚れのチェック: 着用後は、着物に汚れがないかを丁寧にチェックしましょう。もし汚れがあった場合は、レンタル店に相談してください。自分で無理に汚れを落とそうとすると、着物を傷める原因になります。
  • 返却時の小物の確認: 着物と一緒にレンタルした帯や小物も、忘れずに一緒に返却しましょう。小物一つ一つが重要な役割を果たしており、次に着用する人のためにも全て揃っていることが必要です。
  • 返却期限の厳守: レンタルした着物は、約束された期限内に返却することが大切です。返却が遅れると、追加料金が発生することがありますし、次に着用する人の計画にも影響を与えます。

着物をレンタルする際には、これらの点に注意して、美しい状態での着用と返却を心がけましょう。

まとめ

結納に着物を着ることは、日本の美しい文化の一つです。しかし、着物や和装について詳しくない方にとって、どのような着物を選べば良いのか、またレンタルする際のポイントは何かというのは、なかなか難しい問題です。この記事では、結納や結婚式での着物レンタルに焦点を当て、選び方からレンタルの流れ、注意点までをご紹介しました。

着物選びでは、振袖、留袖、訪問着といった種類の違いを理解することが大切です。また、サイズ選びやフィッティング、アクセサリーの選び方も、着姿を美しく見せるためには欠かせません。レンタルの流れを事前に知っておくことで、スムーズに理想の着物を見つけることができますし、レンタル着物の取り扱いやお手入れの知識も、トラブルを避けるために重要です。

着物を選ぶ際は、ただ単に外見の美しさだけでなく、その着物が持つ歴史や文化、物語にも注目してみてください。そして、レンタルする際は、価格やサイズ、レンタル期間など、自分のニーズに合ったサービスを提供している店舗を選ぶことが大切です。着物を通じて、日本の伝統文化の美しさを改めて感じることができるでしょう。

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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