神前式 結婚式イメージ

【着物のプロが監修】神前式での結婚式、両親の服装選びとマナー解説

はじめに

結婚式は、人生で一度きりの特別な日です。結婚式には、さまざまなスタイルがありますが、その中でも神社などで行う神前式は、日本の伝統ある厳かな挙式として、多くのカップルから選ばれています。今回は、そんな神前式におけるご両親さまの服装に関するポイントやマナーなどを詳しくご紹介していきます。

神殿での挙式だけでなく、その後の披露宴でも、ご両親さまの服装は注目されることになります。皆さんが安心して結婚式当日を迎えられるように、基本的な知識を身に付けておきましょう。

神前式とは? その特徴と魅力

神前式とは、神社などで行われる結婚式のことを指します。日本の伝統的な価値観や習わしを重んじる挙式で、幅広い世代のカップルから人気があります。神前式の特徴は以下のとおりです。

  • 伝統的な雰囲気: 神社や専門の式場、ホテルなどに設けられた神殿で行われるため、厳かで格式ある雰囲気があります。
  • 和装の美しさ: 新郎新婦さまはもちろん、ご親族やゲストさまも和装で参列することがあるため、着物や袴といった和装の美しさを楽しむことができます。
  • 家同士の結びつき: 神前式は、新郎新婦さまだけでなく、ご両家さまが結びつくということも大切にしています。

結婚式におけるご両親さまの服装の重要性

結婚式は新郎新婦さまが主役のイベントですが、ご両家の親御さんの役割もたいへん大きいです。結婚式では、新郎新婦さまの親御さんとして、ゲストの前に立ったり、挨拶をしたりする機会が多いため、その服装は結婚式の雰囲気や印象を左右する要素となります。結婚式の雰囲気を壊さないためにも、その場にふさわしい服装を心掛けましょう。

また、結婚式は、ご両家の親御さんやご親族、ご友人たちが一同に介する大切な日です。よりよい一日を過ごすためには、ご両親さまもしっかりとした準備と知識が必要です。この記事を参考にしていただき、素敵な結婚式を迎えるための手助けとなりましたら幸いです。

アンティークきものレンタル ゆめや は、大正時代から昭和初期にかけての着物をメインに取り扱うレンタルショップです。まずは、お母さまの黒留袖を1着見ていただきましょう。

桐、桔梗と鳳凰の黒留袖」は、正絹の錦紗縮緬(きんしゃちりめん)の黒地に、鳳凰・桐・桔梗が、手描き・手刺繍された、友禅の五つ紋付きアンティーク黒留袖です。貝合わせの吉祥柄が描き出された袋帯に、帯揚げと帯締めは白を結んでいます。婚礼に参列なさる母親にふさわしい第一礼装となります。

神前式における父親の服装選びのポイント

結婚式というのは、新郎新婦さまの大切な日であり、ご親族さまやゲストさまにとっても、思い出深い日となります。そんな日に、父親として何を着るべきなのか、気になる方も多いでしょう。特に、神前式の場合は、和装と洋装の、どちらを選べばよいか悩むものです。そこで、ここからは神前式で父親におすすめの服装選びのポイントをご紹介します。

和装と洋装、どちらが適している?

神前式というと、和服を着て参加するイメージがある方も多いかもしれませんが、ご両親さまの服装は、和装でも洋装でも問題ありません。父親の場合は、和装であれば黒紋付羽織袴、洋装であればモーニングを着ることが多いです。

また、結婚式では、母親が和装を着ることも多いですが、母親が和装、父親が洋装といった形での参列も問題ありません。ただし、夫婦で服装の格を合わせることが大切です。父親は正礼装なのに、母親は準礼装といったように、格が合わないような服装は避けましょう。

父親の服装、選び方のポイント

結婚式で父親が和装を着る場合は、黒紋付羽織袴を着るのが一般的です。黒紋付羽織袴は、正礼装の一つで、紋付の黒い着物と羽織、縞の袴、白い足袋や羽織紐を合わせます。家紋は、背中・左右の袖・左右の胸に、五つ紋を入れているのも特徴です。

お子さまの結婚式に参列なさるお父さまの装いに最もふさわしい「正統派の黒紋付羽織袴・第一礼装」をご紹介しましょう。

黒紋付羽織袴は男性の第一礼装で、五つ紋付きの黒い着物に、縦縞の袴をはき、五つ紋付きの黒い羽織を羽織ります。半衿・羽織の紐・足袋・雪駄の鼻緒などはすべて白で揃えます。着物のコーディネートはずいぶんと自由になりましたが、黒紋付のコーディネートは昔からの決まりごとを守ったほうがすてきです。羽織の丈や袴の柄はいくつかご用意しています。羽織の家紋は貼付け紋での変更が可能です。

一方、洋装の場合に着ることが多いのが、モーニングです。日中の正礼装であるモーニングは、モーニングコートとも呼ばれ、ジャケットの後ろが長いのが特徴です。黒またはグレーのベスト、縞のパンツなどと合わせます。ネクタイは、白や黒系の縞模様、シルバーグレー系のものを選ぶとよいでしょう。

神前式における母親の服装選びのポイント

母親の服装は、結婚式という大切な日に華を添える重要な役割を果たします。ここからは、神前式での母親の服装の選び方について解説します。

神前式にふさわしい着物の選び方

神前式で母親が和装を着る際に多く選ばれるのが、黒留袖です。黒留袖は、黒地の着物を使った留袖のことで、既婚女性の正礼装として知られています。先ほど父親の服装として紹介した、黒紋付羽織袴のように、五つの紋を入れるのが正式な形です。

また、黒留袖は裾に美しい模様が施されているのも特徴です。さまざまなデザインの黒留袖がありますが、結婚式というお祝いの場にふさわしい柄を選択するとよいでしょう。帯は袋帯を合わせ、帯揚げや帯締めは白を基調としたものを選択します。

ゆめやの留袖の中から、「色とりどりの鶴舞う黒留袖」をご紹介しましょう。梅・鶴・笹などが手描き・手刺繍された、華やかなアンティーク五つ紋付黒留袖です。大正時代の着物ですが、大切に保管されていたのでしょう、全く色褪せることなく輝いています。朝日に輝く鶴が、お子さまの門出を祝う、結婚式のお母さまにふさわしいデザインです。

洋装で神前式に参加する場合は?

結婚式では、和装を選ぶ母親が多いですが、洋装を選ぶ方も増えています。ここからは、洋装を選ぶ際のポイントをご紹介します。

洋装の場合は、くるぶしが隠れるほどの長さがあるドレスを選びましょう。ウェディングドレスを連想する白色や派手な色合いは避けます。肌が過度に見えるような露出度の高いドレスも、結婚式の場にはふさわしくないので注意してください。

また、洋装の場合は、髪型やメイク、アクセサリーなどの小物も大切なポイントです。ドレスの色やスタイルに合わせて、全体のコーディネートを考えることで、格式のある結婚式にもしっかりと対応することができます。

さらに、これは父親の服装選びでも言えることですが、結婚式の服装を選ぶ際は、新郎新婦さまやご親族さまと相談することも大切です。あらかじめ服装の雰囲気を確認し、それに合わせて選ぶことで、結婚式に一体感や統一感を出すことができます。母親として息子さんや娘さんの結婚式を盛り上げるために、上記のポイントを意識しつつ、服装選びをなさってください。

服装の準備と相談の仕方

結婚式は、当日までさまざまな準備が必要です。その中でも、服装はゲストさまからも注目される大切なポイントの一つです。ここからは、結婚式における服装の準備方法や相談の仕方について詳しく解説します。

レンタルと購入、どちらがおすすめ?

結婚式にふさわしい服装を選ぶ際に、真っ先に思い浮かぶのは「レンタル」または「購入」のどちらにするかということではないでしょうか。どちらの方法も、それぞれのメリットや注意点があります。

レンタルのメリットと注意点

メリット

  • 費用: 結婚式の当日だけ着用する場合は、購入するよりも費用負担を抑えられるケースが多いです。
  • 豊富なデザイン: 専門店にはさまざまなスタイルやデザインの衣装が揃っていて、その都度新しいものを選べます。
  • 専門家がいる: 専門店でレンタルする場合は、スタッフに相談をしながら選べます。

注意点

  • サイズ: レンタルするタイミングによっては、希望する柄や自分のサイズがない場合もあります。
  • 時間: 事前の予約や試着、返却の手続きに時間が必要です。

ゆめやのレンタルは、帯・草履・バッグをはじめ、着物を着るために必要な小物は全てセットでお届けいたします。コーディネートはゆめやスタッフにおまかせでも構いませんし、東京店や山梨店でのご試着の際にご確認いただくこともできます。かんざし/髪飾りは、ヘアスタイルにもよりますので別オーダーとさせていただいています。

購入のメリットと注意点

メリット

  • オリジナリティ: 自分の好きなスタイルやデザインを選べます。
  • 何度も着ることができる: ほかのフォーマルな機会やイベントでも使用できます。

注意点

  • 費用: レンタルするよりも高価な場合が多く、最初にかかる費用負担が大きくなります。
  • 保管: 保管をしておくための場所を用意する必要があります。

どちらを選ぶかは、ご自分の予算や今後の機会を考え、決めるとよいでしょう。

家族や結婚式場、専門店との相談のポイント

結婚式の服装選びでは、多くの情報やアドバイスが必要になります。特に、ご家族や結婚式場のスタッフ、専門店のアドバイスなどは、参考になるでしょう。具体的にどのようなポイントについて話をすればよいかを簡単にご紹介します。

家族との相談

ご家族は、あなたの気持ちやスタイルをよく知っている人たちです。新郎新婦さまの意向や、ご親族同士の雰囲気など、さまざまな情報を共有し合うことができます。

  • 着る服装のイメージや色合いの共有- 過去の結婚式の経験談
  • 家族間での服装の統一感やバランスの確認

結婚式場との相談

結婚式場のスタッフは、実際の挙式場や披露宴の様子をよく知っています。新郎新婦さまを通じて、当日の雰囲気や、式場のルールなどを確認しておくとよいでしょう。

  • 式場や披露宴会場での服装のマナーや注意点
  • 過去の結婚式におけるご両親さまの服装

専門店との相談

衣装の販売やレンタルを行っている専門店のスタッフは、結婚式におけるご両親さまの服装の知識やトレンドを熟知していることが多いです。結婚式というフォーマルな場面の服装に関してもマナーなどを相談できるでしょう。

  • 結婚式における服装のマナーや注意点
  • 最新のトレンドやおすすめのスタイル- 自分の体型や好みに合わせたコーディネート
  • 小物やアクセサリーの選び方

結婚式の服装の準備は、自分一人だけではなく、多くの人たちとコミュニケーションを取ることでよりよいものになるでしょう。さまざまな意見や情報を取り入れながらも、ご自分らしい、そして結婚式という場に合った素敵な服装を選んでください。

まとめ

今回は、神前式におけるご両親さまの服装についてのポイントや選び方、そして注意点について解説しました。以下では、服装選びで大切なポイントを再確認すると共に、当日に心掛けたいポイントについてもご紹介します。

ご両親さまの服装選びの大切なポイント再確認

結婚式の準備では気を付けることがいろいろとありますが、中でもご両親さまの服装選びで注意したいポイントは以下のとおりです。

  • 神前式のご両親さまの服装は、和装・洋装、どちらでもよい
  • ご夫婦で服装の格を合わせる
  • 父親は、和装の場合は黒紋付羽織袴、洋装の場合はモーニングが一般的
  • 母親は、和装の場合は黒留袖、洋装の場合はロング丈のドレスが一般的

ゆめやでは、ご家族さまのセットプランもご用意しています。かなりお得な価格になりますし、ご家族での着物の格の合わせ方についても助言させていただきますので、どうぞご検討ください。

結婚式当日を迎えるにあたっての注意点とアドバイス

全ての準備が整った結婚式当日に、ご両親さまとして心掛けたいことをいくつか紹介いたします。

  • 気持ちの準備: 当日は多くの感情が交錯することでしょう。親御さんとして、新郎新婦さまを心からお祝いする気持ちを忘れずに持ちましょう。
  • ゲストとのコミュニケーション: ご親族だけでなく、新郎新婦さまのご友人などとも交流の機会がある日です。感謝の言葉や挨拶を忘れずに、笑顔で接するようにしましょう。
  • 自分の健康管理: 長時間の式への参加は、精神的にも体力的にも負担がかかります。当日、万全の体制で結婚式にのぞむためにも、式前日の体調管理をきちんと行うようにしましょう。

結婚式は、新郎新婦さまはもちろん、参列する全ての人々にとって、心に残る大切な日となります。ご両親さまが成すべき役割は、大きいものです。服装選びから当日の振る舞いまで、全てが新郎新婦さまへの愛情を示す大切な要素となるため、しっかりと準備を整えましょう。

結婚式をより美しく、そして心に残るものとして迎える準備をしていただくために、この記事がご参考になれば幸いです。

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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