神前式イメージ

【和装結婚式】今なぜ神前式が選ばれるのか|意義と歴史、準備の流れ

はじめに

神前式は、日本の伝統的な挙式のスタイルであり、厳かな雰囲気と伝統を感じられることから、多くの新郎新婦に選ばれています。ここでは、神前式の基本の流れ、歴史と文化的意義、そして現代社会で神前式が引き続き選ばれる理由について、詳しく探ります。

神前式と結婚式の基本的な捉え方とは

神前式は、神道の教えに基づいた、主に神社で行われる結婚の儀式です。この挙式は、新郎新婦が神様の前で結婚の報告と感謝をするとともに、これからの加護を祈るものです。また、新郎新婦だけではなく両家が結びつきを深める儀式も執り行われます。式は通常、親族が参列し、神社などの神聖な空間で執り行われます。なお、新郎新婦は伝統的な和装を纏って式に臨みます。また、神前式で式を挙げた後、別会場で披露宴を行うことが一般的です。神前式と披露宴を合わせたものを、ここでは結婚式と定義します。

神前式の歴史とその意義

神前式は、古代日本から続く神道の儀式にその起源を持ち、神々への敬意と感謝を表す日本独自の挙式スタイルです。しかしながら、この挙式スタイルが普及したのは昭和中期頃。初めに、このような神前式の挙式スタイルが執り行われたのは大正天皇が日比谷大神宮で挙げられた結婚式であると言われています。神前式は、日本人の精神性と文化的アイデンティティを象徴し、世代を超えて受け継がれてきた伝統として、今日もなお尊重されています。

なぜ今、神前式が選ばれるのか

現代において神前式が多くの新郎新婦に選ばれる理由は、普遍的な美しさに魅力を感じることと、伝統を尊重する姿勢にあります。新郎新婦は、結婚式を通じて自らの原点を大切にしたいと考えると共に、家族や先祖との結びつきを感じたいと思っています。また、グローバル化の流れの中で、国際結婚や多様な文化的背景を持つゲストを招く場合、神前式は日本の伝統文化を体験し、共有する貴重な機会にもなります。このように、神前式は、過去の価値観と現代のライフスタイルが調和する形で、多くの人々に愛され続けています。

神前式は、独特の魅力と深い文化的意義により、人生の重要な節目を祝う神聖な儀式として位置づけられています。伝統に敬意を払いながら、現代のニーズにも応える神前式は、これからも多くの新郎新婦にとって、人生の新しい旅立ちを祝う最も美しい方法の一つであり続けるでしょう。

結婚式の準備と流れ

神前式は、古典的な美しさと格式高い儀式で知られ、多くの新郎新婦が人生の新たな門出の方法として選びます。ここでは、神前式の準備過程、結婚式当日の進行、そして適した式場の選択方法について、さらに詳細に掘り下げて説明します。

神前式の準備ステップ

神前式の準備は、会場選びから始まります。神前式が執り行える神社や、ホテルや結婚式場内に神前式を執り行える館内神殿がある場所を探しましょう。また、会場を選択する際には、神社の歴史的重要性、祭神、立地、そして設備の充実度など、幅広い視点で検討する必要があります。適切な会場が見つかったら、挙式の詳細について神職やウェディングプランナーと協議し、挙式日、儀式の細部を確認します。また、準備の段階で、和装の選択、招待状のデザインと配布、当日のタイムライン作成をしておくことも重要です。

神前式当日の流れとポイント

当日は、新郎新婦が伝統に則った和装で式を迎えます。神職によるお祓いから始まり、祝詞奏上、三々九度、誓いの言葉、玉串奉奠など、一連の儀式が続きます。中でも、三三九度の儀式は夫婦間で契りが結ばれたという意味があり、注目に値します。儀式後は、記念撮影と共に親族や友人との交流の時間があり、その後、披露宴や会食へと移行します。

結婚式場選び: 神社の選定基準

理想的な神社を選ぶ際には、その神社が挙式を行えるかどうかを最初に確認します。また、立地の利便性、駐車場の利用可能性、収容可能なゲスト数、撮影許可の有無など、実用的な側面を考慮することが大切です。さらに、神社の歴史や信仰の対象となる神々、自然環境など、精神的価値を感じる要素も選定基準に含めるべきです。最終的な選択前には、神社を訪れてその雰囲気を肌で感じ、神社や神職との相性を見極めることが望ましいでしょう。

費用と予算の計画

神前式を含めた結婚式を計画する際、費用と予算は非常に重要です。伝統ある神前式の魅力を最大限に活かしながら、賢く予算配分を行うことで、夢に描いた結婚式を実現させましょう。以下に、神前式にかかる費用の相場、費用を抑えるための具体的な方法、そして効果的な予算計画の立て方について詳しく解説します。

神前式の費用相場

神前式の費用は、選ぶ神社や挙式の規模、さらには選択する追加オプションによって大きく異なります。基本的な挙式のみであれば5〜15万円ほどから可能ですが、衣装、装飾、写真撮影などの追加サービスを利用すると、費用は50万円以上にも上ることがあります。また、神社によっては参列者へのおもてなしや会食の場所を提供する場合もあり、これらの費用も考慮する必要があります。まずは希望する神社やウェディングプランナーに見積もりを依頼し、詳細な費用を把握しましょう。

費用を抑えるための工夫

費用を節約するためには、挙式の規模を見直すことから始めます。親族や親しい友人のみを招待することで、よりコンパクトで心温まる式にすることができます。衣装や装飾は伝統的なスタイルを選び、過剰な装飾は避けることで、費用を抑えることが可能です。また、挙式の日程をオフシーズンや平日に設定することで、神社や披露宴を予約しやすくなり、かつ費用を節約できることもあります。さらに、友人や親族の特技を活かして、音楽や写真撮影を依頼することも一つの方法です。

予算計画の立て方と注意点

効果的な予算計画を立てるには、全体予算を設定した後、必要な項目ごとに予算を割り振りすることが大切です。最も重要なのは、予期せぬ出費に備えて予算に余裕を持たせることです。また、正式な予約をする前には、隠れた費用がないかをしっかりと確認し、後になって追加料金が発生しないように注意しましょう。計画的に予算を管理することで、心に残る神前式を実現させることができます。

衣装と小物類

神前式に着用する衣装は、華やかでありながらも、厳かな雰囲気を醸し出します。新婦が着用する白無垢や色打掛、引き振袖は、日本の伝統的な美意識や結婚に臨む上での願いや祈りが込められており、特別な日の装いとしてふさわしいものです。新郎の装いも、格式を重んじる黒五つ紋付き羽織袴が伝統的に選ばれており、厳かな雰囲気を醸し出します。

ゆめやでは神前式にふさわしい白無垢のレンタルを多数取り揃えています。

菱形に四季の花丸紋様白鶴刺繍の打掛一式【utk03】
菱紋、菱菊、花丸紋、亀甲の地紋様と、鶴、梅、菊などのおめでたい絵柄が正絹に織り出されたアンティーク白無垢です。貸衣装でよく取り扱われている化繊の白無垢とは違い、正絹はふんわりと身体に添い、軽くて柔らかいのが特徴です。その違いは、着用すると分かると思います。純白に身を包み、両家の幸せと繁栄を願って纏う白無垢です。ぜひ本物の正絹で神前式に臨んでみてください。

神前式での衣装選び

衣装の選択は、神前式の厳粛な雰囲気に調和するために不可欠です。白無垢は、新婦の清らかさを象徴する純白の美しさがあり、色打掛引き振袖は、縁起の良いモチーフと鮮やかな色彩で、未来への願いが込められています。これらの衣装は、古き良き日本の伝統を今に伝える重要な役割を果たしています。

現代的なスタイルとの融合

伝統に根差しながらも、現代の感性を取り入れたスタイルも注目されています。伝統的な衣装に現代的なデザインのヘアアクセサリーなどを加えることで、個性あふれるスタイルが完成します。また、古典的なヘアスタイルに現代的なアレンジを加えたり、洋髪にすることによって、独自の結婚式スタイルを作り出すことができます。

ゆめやには神前式にふさわしい引き振袖のレンタルも多数あります。アンティーク着物でありながらも、中にはモダンなデザインのものもあり、現代的なスタイルとも相性が良いです。

七宝紋様に花丸紋と牡丹の黒引き振袖【fuh03】
牡丹、鉄扇、撫子、笹、梅などの花が咲き誇り、吉祥柄で埋め尽くされた、昭和時代の五つ紋付アンティーク黒振袖です。唐草模様が描かれた白い七宝を背景に、花々が咲き誇った特色あるデザインです。新婦の衣装用として、白い羽二重の比翼がつけてあり、このまま使うことができます。帯は、同じ昭和の唐織りの丸帯をコーディネートしました。

小物で差をつける

小物の選択は、結婚式の衣装をさらに特別なものにしてくれます。綿帽子や角隠し、扇など、伝統的な小物は、装いをより一層引き立てます。小物類選びにおいては、伝統と現代の調和に注意を払いながら、自分らしいスタイルを追求することが大切です。

演出とカスタマイズ

神前式は、基本的に流れが決まっているためカスタマイズすることは難しいものの、挙式後の披露宴で新郎新婦の個性を表現することができます。神前式の流れを汲んで、伝統に敬意を払いつつも、現代のエッセンスを取り入れた演出や、細部にわたるカスタマイズによって、忘れられない一日を作り上げることができます。

伝統を守りつつ個性を出す演出

神前式の流れを汲んで、伝統的な披露宴を行う場合にも、新郎新婦の個性を反映させた演出を取り入れることが可能です。例えば、披露宴の一部に、お互いの手紙を読み合うプログラムを加えることで、感動的な瞬間を生み出すことができます。

ゲストを驚かせるユニークなアイデア

神前式後の披露宴では、伝統的な要素を尊重しつつも、ゲストを驚かせるようなユニークな演出を加えることができます。例えば、伝統的な日本舞踊や歌を現代風にアレンジしたパフォーマンスを披露することで、ゲストに新しい体験を提供することができるでしょう。また、結婚式のテーマに合わせて、会場の装飾やゲストへの記念品に工夫を凝らすことで、個性的な式を実現することが可能です。

和装に合うヘアスタイルとメイク

和装にふさわしいヘアスタイルとメイクは、神前式をトータルコーディネートする上で非常に重要です。ヘアスタイルは、伝統的な「日本髪」を現代的にアレンジしたスタイルや、新婦の個性を引き立てるオリジナルのアップスタイルが人気です。また、最近では和装に洋髪を合わせることも増えています。ヘアアクセサリーについては、伝統的な「簪(かんざし)」やモダンなアクセサリーを取り入れることで、エレガントな雰囲気を演出できます。

なお、メイクに関しては、和装の華やかさに負けないよう、特に目元と口元はしっかりとメイクすることがポイントです。

ゲストとの関わり

神前式におけるゲストとの関わりは、形式的ではなく、ゲストへ深い絆と感謝を表現する機会です。ここでは、ゲストへの配慮と心からの感謝をどのように示すかについてをご紹介します。

ゲストを迎える心構えとマナー

神前式の特別な一日に参列してくれるゲストには、最大限の敬意を払い、心からの歓迎を示しましょう。披露宴では、名前を呼んで個々に挨拶をし、一人ひとりのゲストが特別であることを感じさせます。また、神前式の意義や進行について、招待状にわかりやすく示しておくことで、参列者が安心して式に臨めるようにするとよいでしょう。

感謝を伝える工夫とアイデア

ゲスト一人ひとりに対する深い感謝の気持ちは、心に残る工夫で表現しましょう。例えば、式で撮影した写真を使ったオリジナルカレンダーなど、ユニークで個性的なプレゼントを準備すると印象的です。さらに、感謝の気持ちを込めた手書きのメッセージカードを添えると、心温まるサプライズになるでしょう。

結婚式後のフォローアップ

結婚式の翌日や後日に、ゲスト一人ひとりへのサンキューメールやカードを送りましょう。この際、式中のエピソードや共有した思い出に触れることで、よりゲストの心に残る感謝のメッセージとなります。また、ゲストと共有した幸せな瞬間を写真や動画で共有する専用ウェブページを作ることで、結婚式の素晴らしい記憶を再び共有し、絆を深めることができます。

よくある疑問と解決策

神前式は、厳かな雰囲気と伝統的な美しさで、多くの新郎新婦から選ばれています。しかし、神前式独特の準備や流れには、初めての方々には分かりにくい部分が多々あります。ここでは、神前式に関するよくある質問への回答、準備段階で直面しがちな課題への解決策、そして式を成功させるための実用的なヒントを紹介します。

準備段階でのよくある課題

神前式の準備にあたっては、適切な会場の選定、挙式の日程決定、ゲストリストの作成など、さまざまな課題に直面します。特に神社選びにおいては、その由緒、立地、施設の整備状況を考慮することが肝心です。また、予期せぬ天気の変化に対応するための準備や、遠方から来るゲストの宿泊問題の解決も重要です。

神前式を成功させるためのヒント

神前式を特別なものにするには、伝統を尊重しながらも、新郎新婦らしさを挙式後の披露宴で表現することが大切です。神前式では伝統的な儀式に沿いつつ、披露宴ではゲストに対する心遣いとしてユニークなサプライズを企画するなどが良い例です。また、結婚式後のゲストとの関わりにも配慮し、感謝の気持ちを込めたフォローアップを忘れずに行うことで、結婚式の思い出をより深いものにすることができます。

まとめ

神前式は、根底にある深い文化的意義と、日本固有の伝統を尊重する挙式スタイルで、多くの新郎新婦に選ばれています。ここでは、神前式の独特な魅力、神前式で結婚式を経験した後の感慨深い思い出、そして結婚という新たなスタートへの希望に光を当ててみます。

神前式を選ぶ魅力とは

神前式の最大の魅力は、格式高い伝統と、神聖な雰囲気に包まれた儀式です。白無垢や黒五つ紋付き羽織袴などの伝統的な衣装、自然に囲まれた神聖な神社での挙式、神職による神々への祈り、そして雅楽の調べは、結婚という新しい門出にふさわしいと言えます。こうした要素が組み合わさることで、一生の思い出となる、唯一無二の結婚式が実現します。

結婚式を振り返って

神前式を経験した新郎新婦は、式が終わった後も、その厳かな雰囲気や式中の心に残る瞬間を大切に思い出すことでしょう。神前式特有の儀式や、挙式後の披露宴で親しい人々との絆を深めた時間は、二人の記憶に深く刻まれるはずです。また、準備期間中に直面したさまざまな課題に二人で挑戦したことは、共に乗り越えたことで二人の絆をより一層強固なものにしてくれるでしょう。

これから始まる新しい人生へ

神前式は、夫婦としての新たな人生のスタートに過ぎません。この伝統的な式を通じて、二人は未来への希望と共に新しい生活をスタートさせます。神前式で結ばれた絆は、二人がこれから直面するであろうさまざまな人生の試練を乗り越える力となり、新しい生活の確かな基盤を築きます。結婚式での貴重な経験は、夫婦が共に成長し、お互いを深く理解し合う過程で、大きな支えとなるでしょう。

神前式は、日本の伝統と文化を重んじる美しい挙式スタイルであり、新たな人生の旅立ちにふさわしいものです。このような形で結婚生活をスタートさせることで、夫婦は互いの絆を深め、共に成長していくことでしょう。

〈参考記事〉
https://www.niwaka.com/ksm/radio/wedding/ready/style/06/
https://www.niwaka.com/ksm/radio/wedding/ready/program/23/
https://www.niwaka.com/ksm/radio/wedding/wedding-place/how-to-select/50/

婚礼

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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