ピンク色の本紋に梅や桜の3才用被布【hh3026】

【3歳七五三】被布のみレンタルは可能?着物込みの一式セットが便利?

はじめに

七五三は、子どもの健やかな成長と幸せを願う日本の大切な伝統行事です。

この日の主役となる子どもが着物を身に纏い家族で神社へ参拝へ行くのが古くからの定番となっていますが、中でも3歳のお子さまの晴れ着として近年特に人気を集めているのが、「被布(ひふ)」と呼ばれる衣装です。その鮮やかな色使いと、ベストのようにすっぽりとかぶる愛らしいフォルムが魅力の被布は、3歳になるお子さまのかわいらしさを最大限に引き立ててくれます。

初めてお子さまの七五三を迎えるというご家庭にとって、そんな被布の選び方に戸惑う親御さんも多いのではないでしょうか。生地の種類や柄の選び方、準備する方法など、分からないこともたくさんあるかと思います。

そこで今回は、3歳のお子さまに着せる被布の基本と選び方、被布のみレンタルする場合の方法など、七五三を迎えるご家庭に役立つ情報をお届けします。ぜひ、大切な一日の思い出作りの参考にしてくださいね。

七五三の主役を彩る|3歳の子ども向け被布の基本

七五三の主役となる3歳のお子さまを、最高にかわいらしく彩ってくれるのが被布です。お気に入りの一着を身に纏ったお子さまの晴れ姿に、親御さんもきっと感動することでしょう。

被布とはどんな衣装?

被布は、着物の上からかぶるように纏う羽織りもので、袖がなく首元が空いた形状をしています。洋服でいうところのベストのようなアイテム、といえばイメージがしやすいかもしれません。大人の着物が「四つ身」と呼ばれるのに対し、「三つ身」という小さな子ども用の着物を付け紐や兵児帯(へこおび)で結び、その上から被布をすっぽり羽織るというのが一般的な装いとなっています。この際に帯は用いません。

現代において被布といえば3歳のお子さまの晴れ着として用いられている「袖なし被布」のことを指すのが一般的ですが、かつては袖の有無にかかわらず着物の上から羽織る上着を被布と呼んでいました。

被布が3歳の装いに人気の理由

被布をすっぽりとかぶった小さなお子さまの愛らしさに加え、生地に施された繊細な刺繍、鮮やかな染めの色使い、愛らしい花や古典柄など、それ自体の美しさでも見る人の目を楽しませてくれるのが被布の魅力といえます。

またそれを着用するお子さま自身の感覚としても、柔らかい兵児帯を使うため帯の締め付けによる窮屈さもなく、被布自体も軽くて動きやすいなど着心地が楽である点がメリットです。せっかくのお祝いにお子さまの機嫌が悪くなってしまうことは避けたいですから、そうした意味でも親子にとって有力な選択肢となるものです。

3歳の七五三における被布の意味と準備

七五三を迎える3歳のお子さまの定番衣装である被布。ここではその3歳という年齢の意味と、七五三に向けて被布を用意する際に便利な着物レンタルについてお話しします。

なぜ被布は3歳用の衣装なのか

七五三はその名の通り、3歳・5歳・7歳を迎えたお子さまの成長をお祝いをする日本古来の風習です。その中で、被布を着ることができるのは3歳の時のみとされていますが、それは一体どうしてでしょうか。その理由を知るには、歴史的な事情を紐解く必要があります。

七五三の節目として定められている3歳・5歳・7歳という年齢には、それぞれに歴史的な由来があります。頭部を清潔に保つために丸刈りにしていた髪を、3歳の年齢から伸ばし始める「髪置き(かみおき)の儀」、5歳になる男の子が当時の正装だった袴を初めて着用する「袴着(はかまぎ)の儀」、それまで紐で固定していた着物を初めて帯を使って結ぶ「帯解(おびとき)の儀」といったものです。

このように、5歳で羽織袴を、7歳で初めて帯を用いた着物を用いるのが古来の儀式を継承した正しいありかたであるといえるのです。すなわち3歳の七五三ではまだ帯を使わず、その代わりとして被布を着せるというのが歴史的な経緯を汲んだ考え方です。

七五三の準備に便利な着物レンタル

着物のレンタルサービスは、七五三シーズンにおけるお子さまの衣装の貸し出しも行っています。特に七五三レンタルと呼ばれるものは、3歳・5歳・7歳を迎えたお子さまが七五三に着用する被布や三つ身の着物、そのほか羽織袴や和装小物などを借りることができるサービスです。

レンタルの魅力は、やはり購入するよりも圧倒的に金額面を抑えられる点にあります。特に3歳の七五三用の被布などはそれ以降にお子さまが再着用するような機会はほとんどなく、一度きりの使用であれば限られた日数だけレンタルするというのは合理的な考え方です。

着物レンタル店には多種多様な和装を取り揃えているだけでなく、被布だけでも幅広いバリエーションの色柄が用意されています。店によっては被布と三つ身の着物、そのほか草履や髪飾り、和装小物などが一式セットになっている「被布セット」と呼ばれるような商品も取り扱っているため、そうしたセット商品を利用すれば七五三を迎えるまでにかかる準備や当日の手間を大幅に減らすことができます。

七五三に合わせて「被布のみ」レンタル

七五三を迎える3歳のお子さまにとって被布がふさわしい衣装であることの理由と、七五三においては被布や着物が一式揃ったセットレンタルが多く活用されていることをお伝えしました。

ただ、ご家庭によってはすでに髪飾りや草履などの手持ちがある、自前の着物を仕立て直して三つ身にしている、などで、セット商品を利用すると無駄が出るという場合もあるかもしれません。そうしたケースを踏まえ、「被布のみ」のレンタルができるのかを探っていきます。

レンタル店によっては「被布のみ」商品もある

結論から申し上げると、レンタル店によっては被布のみを単体で扱う商品もきちんと用意されています。他の小物が手元にあるという方はもちろん、全部まとめてレンタルしたいけれど被布だけはセット商品とは異なる色柄のものを選びたい、というご要望にもこうした「被布のみ」商品がそうしたニーズを満たしてくれます。

我々「アンティークきもの ゆめや」でも単体の被布のレンタルを行っていますので、その中から一商品、「生成り色の本紋に梅の手絞りと手毬の金駒刺繍の3才用被布【hh3023】をご紹介します。

紗綾型に菊と蘭の本紋が織り出された生成り色の正絹地に、梅の花の手絞りと、手毬の金駒刺繍が施された、3歳用の被布です。被布に金駒刺繍とは、なんと贅沢なことでしょう。思い出に残る一着になりそうです。胸には紅白の紐で作った花の細工が取り付けられています。表地と裏地の白い正絹の間にはうっすらと真綿が入っていますので、暖かくお過ごしいただけます。

「被布のみ」だけでなく「髪飾りのみ」「草履のみ」も

もちろん、被布のみを単体でレンタルしている店ではその他の商品も個々に単体レンタルを用意してくれていることがほとんどです。

セット商品のメリットはやはり一つ一つを個別に調達する必要がないためその手間が省けることと、受け取りや返却が単純明快であること、さらにセット商品は着物のプロの視点でトータルコーディネートをしてくれているため、組み合わせに頭を悩ませる必要がないことなどが挙げられます。

一方で被布のみ、あるいは髪飾りのみをカスタマイズしたいなど、こだわりのある方にとってはそうした単体のレンタルを上手に用いるのが賢い使い方といえるかもしれません。

被布のみをレンタルして着物と合わせる際のポイント

七五三はお子さまにとっても家族にとっても記念に残る行事です。だからこそ、親御さんとしてもおしゃれに仕上げてあげたいと考えている方も多いはず。ここでは、被布のみをレンタルした際の着物と色合いを合わせるコツをご紹介します。

被布と着物の色合いを合わせる

洋服を選ぶのと同様、色味を同系色で揃えることがコーディネートの基本テクニックといえます。といっても全くの同色だと重ね着していないように見えてしまうため、被布が赤なら着物はピンクや橙、被布が水色なら着物は青といったふうに、濃い色×淡い色の同系色で揃えると失敗が少なくて済みます。着物に地色と異なる色の柄が入っている場合は、その柄色と同色を使うのもなじみやすいでしょう。

被布と着物を同系色でまとめると落ち着いた雰囲気になる一方、それぞれを水色×ピンク、赤×緑というように反対色で組み合わせると被布や着物の個性が引き立ちます。こちらも試してみる価値はあるかもしれません。

被布と着物の柄のバランスを意識する

鮮やかな柄の入った被布を選んだ場合、着物にも柄が強調されたものを選ぶと全体的にごちゃついて見えてしまいます。柄のある被布には控えめな着物を、あるいは無地の被布なら大きめの柄が入った着物を合わせるのもよいでしょう。

なお、被布や着物に入る柄には定番や人気のものがあり、特に古典的な柄にはそれぞれ意味を持ちます。円満に丸く物事が進む「鞠」、邪気から身を守る「鈴」などは女の子向け、災難から守られる「兜」、先を見通す「鷹」などは男の子向けの柄によく見られます。このようにおめでたい意味を持つ吉祥文様だけでなく、近年では幾何学模様などのモダンな柄や有名なキャラクターが入ったものなど、現代的なデザインの被布も登場しています。

七五三の被布を着物レンタルで用意する際の流れと注意点

高級品やアンティークの一点ものなど、購入するとなると数万円におよぶ場合もある被布。そんな通常なら手が届かない豪華な被布を七五三という晴れの日にリーズナブルに着ることができるのがレンタルサービスのメリットですが、レンタルを利用する際の注意点はあるのでしょうか。着物レンタルを利用する際の流れとともに見ていきましょう。

一般的な着物レンタルの流れ

七五三で被布をレンタルする場合、まずは着物レンタル店探しから始まります。ネット上にある口コミやレビューなども参考にしながら、ご自身のニーズに合いそうなレンタル店を選ぶようにしましょう。

店を決めたら商品のレンタル予約です。七五三のシーズンである11月中旬前後は同じくらいのお子さまが着用する着物も当然需要が増すことから、早めの予約が肝心です。レンタル期間についてもよく考慮しましょう。前撮り撮影などを別途行う場合はその日取りも含める必要があります。

前撮りやお参りが無事終了したら返却します。実店舗の場合は持ち込み可能な場合もあるほか、宅配による返却も一般的です。基本的には着用後のクリーニングも不要なので安心です。

被布のみ?一式セット?レンタルする際の注意点

被布のみを単体でレンタルするのか、あるいは一式セットの商品を利用するのかも、早めに決めておきたいポイントです。先に一式セットでレンタルしたのに後から別の被布が良く見えてきた、ということがないようにしたいものです。また、万が一そうした変更希望が生じた場合にレンタル商品到着前の交換対応が可能であるのか、その場合に別途料金が発生するのかなども事前に確認しておくとよいでしょう。

また仮にネットレンタル店でレンタルする場合、パソコンやスマートフォンの画面越しに見る商品と商品の現物とでは色味などが異なる可能性があることも注意しておかなければなりません。事前の宅配試着や実店舗による同一商品の取り揃えなどがあれば、なるべく実物を目で見て見るのがおすすめです。

記念撮影や当日の店舗でのヘアメイク・着付けなど、レンタル店が展開している付帯サービスにも注目してみましょう。お得なセットプランがあれば利用してみるのもよいでしょう。せっかく被布をレンタルするのですから、後悔のないようしっかりとポイントを押さえて選んでくださいね。

「ピンク色の本紋に梅や桜の3才用被布【hh3026】」は、紗綾型に菊や蘭の本紋が織り出されたピンク色の正絹地に、赤・黄・緑・青などで梅や桜が描き出された、3歳用の被布です。本紋も梅や桜も丸くかわいらしいデザインです。胸には、紅白と黄色の紐で作った花の細工が取り付けられています。表地と裏地の白い正絹の間には、うっすらと真綿が入っていますので、暖かくお過ごしいただけます。

七五三当日の流れと準備

3歳のお子さまに着せるレンタル着物を無事に確保したら、あとは七五三当日をスムーズに過ごすのみ。お子さまの健やかな成長を家族で心からお祝いするためにも、事前に計画した一日のスケジュールが滞りなく進むようにしたいものです。

ここでは七五三当日の流れと、準備しておきたいものについてご紹介します。

七五三当日の流れ

七五三当日の朝は着付けやメイクで慌ただしいものです。主役となるお子さまの被布などはもちろん、親御さんの衣装も準備のもれがないよう前日のうちに確認しておくようにしましょう。神社への参拝のみであればあとは混雑しない時間帯を狙って家を出るだけでよいですが、祈祷やカメラマンによる記念撮影、食事会などの予約をしているのであればいずれも時間厳守です。

神社に着いたら手水舎で心身を清め、拝殿でお参りします。お子さまと揃って「二礼、二拍手、一礼」を行えば、家族の絆もより深まることでしょう。境内ではお子さまが走り回るなどして参拝客の迷惑とならないように注意してください。

無事にお参りが済んだら、あとは続けて境内で祈祷を受けるか、記念撮影や食事会へと流れていきます。

当日の参拝にあると便利なアイテム

特に3歳くらいの小さなお子さまにとっては、普段着慣れない和装を着て歩き回るだけでも重労働です。ぐずったりしないように、なるべくストレスを取り除いてあげたいものです。そこで、携行しておくと便利なグッズを以下にまとめました。

  • おやつや飲み物:朝食をとる時間がイレギュラーになるなどして、お子さまがお腹を空かせてしまうことも。さっと口に入れられるものがあると安心です。ただし神社境内では飲食の可否のルールに従いましょう
  • ヘアピン:特に女の子の場合、慣れない髪型のために頭を手で触ってしまいがち。せっかく装飾した髪飾りがずれたり、取れたりしてしまうこともあるかもしれません。髪型が崩れた時に備えてヘアピンなどを用意しておくと便利です。
  • 防寒具:11月中旬ともなると時間帯によってはかなり冷え込みます。ストールブランケットなど、使い回しのきくものが一枚あるだけでも違います。

まとめ

七五三において3歳のお子さまの晴れ姿を彩る被布。高価な被布もレンタルなら愛らしい着姿がかないます。レンタルの際は一式セットで借りることはもちろん、被布のみをレンタルしてあとはカスタマイズという手もあります。親御さんのお考えやこだわりによって、いろいろと考慮してみましょう。

お子さまの健やかな成長と明るい未来を願いながら、七五三当日を心から楽しんでくださいね。

〈参考記事〉
https://www.studio-alice.co.jp/shortcut/753_s/column/detail85.html
https://www.studio-alice.co.jp/shortcut/753_s/column/detail93.html

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
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監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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