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【初心者向け完全ガイド】髪飾りレンタルで着物スタイルを華やかに演出

はじめに

着物を着用する際の髪飾りは、着物姿の華やかさを引き立てたり、品格を高めるのを助けることができる重要な和装小物です。特に結婚式や成人式、七五三などの日本の伝統的な儀式では、その日の行事や式典の格式に合わせた髪飾りの選び方が必要になります。しかし、髪飾りは種類が豊富な上に選び方にもマナーがあるので、どのように選べばよいか迷ってしまう方も少なくありません。この記事では、髪飾りのシーンに合わせた選び方の基本からレンタルサービスの活用法まで、詳しく解説します。

髪飾りをレンタルする前に知っておくべきこと

髪飾りは購入するだけでなく、レンタルすることもできます。結婚式や成人式、七五三などの人生の大切な節目で、晴れ着をレンタルする方が増えていますが、髪飾りは着物と一緒に、着物に合ったものをレンタルすることが可能です。ここでは、髪飾りをレンタルする前に知っておきたい髪飾りの種類選び方について解説します。

髪飾りの種類とシーンに合わせた選び方

髪飾りにはさまざまな種類とスタイルが存在し、それぞれ異なる場面や着物に合わせて選ばれます。そのため、シーンに応じてふさわしい格式の着物を選び、その着物やヘアスタイルに合わせて髪飾りを選ぶというのが順序になります。それらを無視して、好みの髪飾りを選ぶというわけにはいきません。

髪飾りには、華やかで目を引く大きな花飾りから、繊細な金属細工が施された伝統的な簪(かんざし)まで、多種多様なものがあります。それらは、それぞれ着用するのにふさわしいシーンがあるので、まずは参加する場がフォーマルなものかカジュアルなものか、自分がどんな立場で参加するかで、選ぶ髪飾りが絞り込まれます

例えば、結婚式のようなフォーマルなシーンでは、その日の主役である新婦が着ける髪飾り母親や仲人の女性が着ける髪飾りは違う種類になるし、また客をもてなす側の親族お呼ばれした女性では髪飾りの選び方が違ってきます。

花嫁は主役ですから、思う存分、自分らしさを表現できる髪飾りを選ぶことができますが、それ以外の列席者が髪飾りを選ぶ際は、花嫁より目立つことがないように配慮しながら、最も自分と着物を引き立てる髪飾りを選ぶ必要があります。

着物に合わせた髪飾りの選び方

着物に合わせて髪飾りを選ぶ際は、着物によっては、すでに定番としてよく選ばれる髪飾りの種類が決まっている場合があります。例えば、黒留袖の場合は、髪飾りを着けなければならないという決まりはないのですが、多くの人がバチ型のかんざしを着けます。そのタイプが、一番留袖の品格を引き立てるからです。着る予定の着物に定番の髪飾りがあるかどうかは、最初に確認しておきたいポイントになります。

着物の雰囲気と同じような雰囲気のある髪飾りを合わせると、統一感のあるスタイルができあがります。伝統的な色柄の着物であれば、髪飾りも伝統的な雰囲気のもの、モダンなデザインの着物にはモダンな感覚の髪飾りを合わせることで、上手にコーディネートすることができます。

最後に検討するのは、髪飾りと着物の色合わせです。髪飾りの色は、着物の地色や柄の一部と同じような色合いのものを選ぶのが、色合わせの基本です。ただ、色によってはうまく調和が取れないこともあるので、慎重に選ぶ必要があります。

このように髪飾りを選ぶ際は、着物のスタイルと調和させるだけでなく、その日のイベントやシーンに合わせたものを選ぶことで、和装のマナーを守りつつ、着物の美しさを最大限に引き出すことができます。

結婚式や成人式での髪飾りの選び方

結婚式や成人式卒業式などの一生に一度のイベントには、それにふさわしい装いが求められます。髪飾りは、そんな着物スタイルをいっそう美しく、華やかに彩ります。ここでは、具体的なイベントごとに、どのような髪飾りを選べばよいのかを解説します。

結婚式での髪飾り選び

結婚式は、一般の方が経験するうちで、もっとも格式の高い行事になります。新郎新婦はもちろんのこと、参列する多くの人が着物を着て式や宴に臨みます。では、結婚式で着用する髪飾りは、どのようなものがふさわしいのでしょうか?

結婚式で花嫁によく選ばれるのは、赤や白の大輪の生花があしらわれた髪飾りです。白い胡蝶蘭の花は、白無垢やどんな衣装にも似合うので鉄板ですね。また、生花の髪飾りは、花嫁だけが着けることができるとされているので、その特権を活用するのもありでしょう。それ以外にも、伝統的な簪(かんざし)やつまみ細工、水引や組みひもなど、2~3種類の髪飾りを組み合わせて用いるのもすてきです。

新郎新婦の母親や仲人夫人の場合は、黒留袖を着用するのが一般的です。着用する髪飾りは、バチ型のかんざしが多く用いられ、べっこう色や黒色のもの、真珠をあしらったものなどが多く見られます。親族の女性は、色留袖を着用することが多く、髪飾りは黒留袖と同じようなものになります。どちらも、新婦よりも控え目な色合いのものを選ぶのがマナーになります。

友人として呼ばれた場合は、振袖や訪問着を着用することが多いですが、その際に髪飾りを選ぶには、花嫁とかぶったり、目立たないものを撰ぶようにするのがマナー。そのため、生花や白い色のものは、花嫁とかぶる可能性があるので避けるようにします。パールや金銀のものであればどんな着物にも合い、上品さを備えているのでふさわしいと言えます。小さくても品格のある髪飾りを選ぶのがコツです。

成人式や卒業式での髪飾り

成人式は、振袖を着て出席する女性も多く、フォーマルな席ではありますが、新成人の門出を祝う意味を込めて、色鮮やかなものから少し派手めなものまで、さまざまな髪飾りが着用されています。大きな生花の髪飾りやヘッドドレスなど、主役にふさわしい人目を引くタイプのものや、生き生きとした色彩の髪飾りが選ばれることが多いです。こうした髪飾りは、色鮮やかでありながらも、格式を重んじる場にふさわしい上品なものを選ぶのが良いでしょう。

卒業式は、着物に袴姿で出席するのが女性に人気ですが、学業の節目となる儀式なので、華やかでありながらも品格のある装いにしたいものです。この際の髪飾りの選び方は、どのようなイメージの着物姿にしたいか、それに合わせて選ぶと統一感のあるコーディネートができます。例えば、大正ロマン風の女学生姿に寄せたい時は、矢羽根模様の小振袖に臙脂の袴、足元はブーツにして、髪飾りは大きなリボンという具合です。先生として着物姿で卒業式に出席する場合は、淡い色合いの訪問着や色無地に無地の袴を合わせるのが基本になります。髪飾りもパールなどの、小さいながらも品格のあるものを選ぶといいでしょう。

「ゆめや」がご用意した、華やかなフォーマルな席で着けていただける髪飾りです。赤とピンクのガーベラに胡蝶蘭が加わった大きな造花のかんざしと、ピンクのガーベラと胡蝶蘭のかんざしです。ほかにも蘭系の花や葉っぱが添えられています。2つに分かれていますので、右と左、サイドとバックなど、2ヶ所に挿してもかわいらしいですし、思い切ってひとつにまとめて留めても、豪華ですてきです。花びらの勢いや、雄しべの花粉の様子まで、まるで生花のように息づいています。成人式の振袖や、花嫁衣裳でお着けになってください。

セミフォーマル&カジュアルな集まり向けの髪飾り

着物はフォーマルな場だけでなく、お茶会や観劇などのセミフォーマルの場から、それ以外のカジュアルなシーンでも幅広く着用されています。ここでは、フォーマルな場以外のシーンにふさわしい髪飾りを見ていきます。

セミフォーマルなシーンでの髪飾り

セミフォーマルなシーンとは、結婚式のお呼ばれから受賞記念パーティ―のゲスト、お茶会の席や観劇、また入学式や卒業式のゲストなどがそれに当たります。

結婚式では、いとこや友人として出席する場合がセミフォーマルな装いになります。着物は、三つ紋か一つ紋の色留袖や訪問着が格式的にふさわしいと言えます。髪飾りは、花嫁とかぶらないように配慮して、真珠やべっこう、金銀などの小さくても品のあるものを選びます。

訪問着は観劇などにも着ていくことができ、幅広いシーンに対応できるため重宝されます。髪飾りを選ぶ際は、訪問着のように準礼装という格式ある着物を着る場合は、格式にふさわしい品格のあるものを選ぶべきで、玉かんざしのようなカジュアルな髪飾りはふさわしくないため注意する必要があります。

お茶会は、席によってフォーマルなものからカジュアルなものまで幅があるので、あらかじめどういう着物が良いか確認しておくのがおすすめです。初釜や炉開き、口切りなどの茶会はフォーマル度が高いため、訪問着や付け下げがふさわしい着物になります。お茶会は侘び寂びを味わう場であり、髪飾りは、お辞儀をしたときに外れたりすると茶器を傷つける恐れもあるため、着けないのがマナーです。

カジュアルなシーンでの髪飾り

着物は、普段着として着られることも多いです。カジュアルな着物の代表を挙げると、小紋や紬(つむぎ)、浴衣(ゆかた)などがあります。小紋や紬は、友人とのお出かけなどの普段使い以外に、カジュアルな食事会や同窓会に着ていくこともできます。浴衣は、夏祭りや旅館の夜着としてよく着られています。これらのカジュアルな着物には、玉かんざしなどのカジュアルな髪飾りが似合います。結婚式や成人式で着けるようなあらたまったものは合わないので、リラックスしたスタイルの髪飾りにしましょう。たとえば、小さなリボン季節の小花をかたどったシンプルなかんざしは、日常的な着物や浴衣にぴったりです。また、カラフルなビーズ小粒のストーンを使ったヘアクリップは、気軽な外出に最適で、着物のカジュアルな魅力を引き立てます。

髪飾りの種類とその魅力

髪飾りには、作り方や形、素材によって、さまざまなタイプのものがあります。独特の美しさで着物を引き立ててくれますが、ここでは、髪飾りの種類とその魅力について解説します。

伝統的なかんざしのいろいろ

着物を着た際に着ける髪飾りと言えば、日本の伝統的な装飾品であるかんざしを思い浮かべる方が多いかもしれません。かんざしにもさまざまな種類があるので、ここではそれを紹介します。

  • 玉かんざし: 1本の棒に丸い飾り玉が付いたシンプルなかんざしです。玉の部分がとんぼ玉や絞り玉のもの、ヒスイやサンゴ、メノウ、象牙などでできたものがあります。カジュアルな装いに似合います。
  • 平打ちかんざし: 玉かんざしの飾り玉の部分が、平たい円形になっていて、1本または2本の足が付いています。もともとは飾りの部分に、円型や亀甲型、ひし型、花型などの枠の中に家紋が透かし彫りや毛彫りで彫られていたそうです。現代では、この部分にさまざまな絵模様が描かれています。
  • つまみ細工かんざし(花かんざし): 薄い布を正方形に切ったものをつまんで、花形に貼り合わせたもので、花かんざしとも呼ばれています。舞妓さんの髪飾りで知られています。
  • くし型かんざし: 髪をとかす櫛(くし)の形をしているのでこう呼ばれます。蒔絵や螺鈿細工がほどこされた工芸品のようなものもあり、日本髪の前髪に差されて使われます。
  • バチ型かんざし: 三味線のバチのような形をしているためこう呼ばれます。イチョウ型とか扇型かんざしと呼ばれることもあります。フォーマルなシーンで活躍するかんざしです。べっこうなどを使った高級品もあります。

フォーマルなイベント用の華やかな髪飾り

  • 生花: 結婚式の花嫁や成人式で最近人気なのが、生花の髪飾りです。鉄板の胡蝶蘭やダリア、ユリなどのほか、バラや菊、カスミソウなども使えます。生きている花のみずみずしさが生花の魅力ですが、しおれやすいという弱点もあるので、段取りよく装着してもらえるよう美容院などと綿密な打ち合わせをすることが大事です。
  • 造花: さまざまな種類の造花が販売されているので、生花よりは準備がしやすいです。しおれる心配もありません。花かんざしや水引など、他の髪飾りと組み合わせて使うこともできます。
  • ドライフラワー: ドライフラワーにしやすい花の種類は限られているので、着物に合わせるのは生花よりも難しいかもしれません。色合いも生花に比べるとくすんだ感じなので、この色彩をうまく生かせるように着物と合わせることが重要です。プリザーブドフラワーだと、発色もよく鑑賞期限も長いのでずっと使いやすくなります。
  • 組紐(くみひも): 組紐をさまざまな結び方をして、髪飾りにします。紐の色は、赤や白、金色など、フォーマルな場にふさわしいものがそろっています。
  • 水引: 水引は、和紙に水のりを引いて作る日本の伝統工芸品です。結婚式のご祝儀袋などに使われていますが、最近は髪飾りとしても人気があります。赤、白、金、銀、緑など、さまざまな色のものがあります。結んで使用するのが一般的で、結び方も何種類かあります。生花や造花と組み合わせて使うことも多いです。
  • リボン: 成人式や七五三に人気なのが、リボンの髪飾りです。つまみ細工の花と組み合わせると、振り袖姿を華やかに引き立てることができます。

これらの髪飾りは単品で使用されるよりも、2~3種類のものを組み合わせて使用される場合が多く見られます。効果的な組み合わせを工夫して、あなただけのスタイルを作り上げてください。

「ゆめや」が提供する、華やかなフォーマルな席で着けていただける髪飾りです。紫色という寒色でありながら、どこかふんわりとした温かさを感じさせる、つまみ細工の花かんざしです。紫色を中心に、薄い紫・黒・白・エンジ色の布を組み合わせ、1枚の花びらに2色の布を使うという丁寧さです。花芯のビーズも、透明の宝石ビーズ・パール・シルバー・ゴールド・黄色など、バラエティ豊かに付けられています。大きな菊から、小さな梅まで、ひとつのかんざしの中に15輪ほどあるでしょうか。たいへん豪華で丁寧な造りです。振袖や花嫁衣裳に挿してください。

着付けと和装小物の重要性

和装を楽しむためには適切な着付けと、着付けに必要な小物類着姿を引き立てる装飾用の小物選び方が重要です。中でも髪飾りは、顔周りを華やかにするアイテムとして、その選び方や合わせ方にはコツがあります。ここでは、着付けの基本的なステップと、和装小物や髪飾りの重要性について解説します。

着付けの基本ステップとレンタルの利用法

正しい着付けは、和装の美しさを実現するための重要なプロセスです。着付けの基本的なステップを確認しておきます。

  1. 足袋を履く: 最初に足袋を履きます。着付けた後で履くと、慣れない人は履きにくかったり、着付けが乱れる原因になるのを防ぐためです。
  2. 下着を着る: まず、肌襦袢(はだじゅばん)や裾除けなどの和装用の下着を身に着けます。薄手のタオルなどで、肩回りや胸・腰回りの凸凹をなくすように、補正しておきます。
  3. 長襦袢を着る: 肌着の上に長襦袢を着ます。長襦袢には、足捌きを良くしたり、着物が直接肌に触れるのを防いで着物を汗や汚れから守る役割があります。長襦袢を着る前に、半衿を縫い付け、衿心を入れておきます。衣紋を抜いて衿を合わせ、伊達締めを締めます。
  4. 着物を着る: 次に、振袖や訪問着といった着物を着ます。衿を正しい位置に整え、左前身頃が右前身頃の上(右前)になるように着ます。裾合わせをして、腰紐を締めます。おはしょりを整えたら、伊達締めを締めます。
  5. 帯を結ぶ: 帯の種類は、フォーマルかカジュアルかで違ってきます。振袖や留袖などのフォーマルの場合は、袋帯になります。帯揚げや帯締めなどの小物と共に着付けます。結び方はいろいろありますが、その日の行事の格式や着る人の年齢、着物の種類によって選びます。カジュアルな着物では半幅帯を結びますが、この場合は帯揚げや帯締めは用いません。

着物の調達にレンタルサービスを利用する場合は、着物を着用する日が分かったら、早めに予約を取っておくことが大事です。試着が可能なら、できるだけ実際に身に着けた上で、適切な着物を選びましょう。着物や帯と一緒に和装小物やアクセサリーもレンタルできる場合があるので、一式そろえてレンタルできると、手間も時間も取らずに済み便利です。また、着付けが自分一人では困難な場合は、レンタルサービスが提供するプロの着付け師による着付けサービスもありますので、事前に予約しておきましょう。

ヘアスタイル別の髪飾りの選び方

髪飾りの選び方は、自分が実現したい着物姿のイメージやスタイルに合わせて選ぶのが基本ですが、どんなヘアスタイルかによっても異なります。それぞれのヘアスタイルに合わせた髪飾りの選び方を以下に解説します。

  • 長い髪の方: 長い髪は多様なスタイリングが可能です。アップスタイルには大きく華やかなかんざしや花飾りを使用することで、顔周りを華やかに彩ります。一方、ハーフアップやダウンスタイルには、つまみ細工かんざしや小さな花のクリップがしっくりくるため、スタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。
  • ショートヘアの方: ショートヘアには、かんざしよりもヘアピンや小さなクリップがおすすめです。顔周りに小さなアクセントを加えることで、和装のエレガンスを損なわずに、さりげない華やかさをプラスできます。
  • 日本髪の方: 地毛で結うにしろかつらを使用するにしろ、日本髪には伝統的な簪(かんざし)や笄(こうがい)が似合います。つまみ細工かんざしや組紐などと組み合わせることで、個性的なスタイルを作り出せます。

どのタイプの髪飾りを選ぶ場合でも、着物や帯の色柄との調和を考慮し、場の雰囲気に合わせた選択が求められます。正しい着付けをして、着物のスタイルに合わせて髪飾りを選ぶことで、和装の魅力を最大限に引き出すことができます。

着物と髪飾りの理想的なマッチング

着物の美しさをより引き立てるために、髪飾りや装飾用の和装小物が着用されますが、それらを選ぶためのマナーやコツがあります。ここでは、髪飾りや和装小物の選び方について詳しく解説します。

目指すイメージや季節を考慮して髪飾りを選ぶコツ

髪飾りを選ぶ際は、着物のデザインやスタイルが古典的なものかモダンなものか、着姿を大人かわいくしたいのか凛とした雰囲気にしたいのかによって、選び方が違ってきます。例えば、着物が伝統的な柄の留袖の場合は、髪飾りは落ち着いた感じのべっこうのバチ型かんざしを合わせるとか、また、着物が華やかな柄の振袖の場合は、より華やかさを引き立てるように生花や造花とつまみ細工の花のモチーフの髪飾りを組み合わせるといったように、自分が目指すイメージに合わせて髪飾りを選べば統一感のある着姿を実現できます。

さらに、着物の素材や季節感も髪飾り選びに影響します。例えば、夏の涼しげな絽や紗の着物には、ガラスや透明感のある素材の髪飾りが合います。髪飾りの軽やかで透明感のある素材によって、夏の暑さを和らげる清涼感を演出するのを助けます。また、冬の重厚な袷の着物には、金属や漆、重めのビーズを用いた髪飾りが季節感を表現し、装い全体を豪華に見せる効果があります。

和装を彩る小物選びのポイント

着物の美しさを引き立てるためには、髪飾り以外にも選び方によって印象を大きく左右する和装小物があります。帯締め、帯留め、足袋、草履、扇子などのアイテムを選ぶ際には、以下のポイントを考慮するようにします。

  • 帯締め: 帯締めは帯の上に装着する、装飾的な小物です。帯の色に合わせて、無地や地味な柄の帯の場合は色や模様が入った帯締めでアクセントを加えたり、目立つ柄が入った帯には単色の帯締めで調和を取ったりすることがおすすめです。
  • 帯留め: 帯留めは帯締めに装着して使用する、小さいながらも目立つアクセサリーです。結婚式などのフォーマルな場では、留袖や振袖などの着物の格式に合わせて、ダイヤ、ルビー、サファイア、エメラルド、パールなどの宝石を使った帯留めが着用され、豪華な印象を作り出します。友人との食事会などのカジュアルな場では、木彫りのものや陶器・ガラス製のものなど、自分の好みで選べばいいので、いろいろなおしゃれを試すことができます。
  • 足袋: 結婚式や成人式などのフォーマルな場では、白足袋を履くのが基本とされています。それ以外のカジュアルな場では、さまざまな色や柄が施された色足袋を履いてもかまいません。自由に楽しむことができます。
  • 草履・バッグ: 留袖や振袖などの第一礼装の着物には、礼装用の草履を合わせます。色は金・銀・白のものから選び、草履台と鼻緒の色柄が同じで、草履台は5cm以上の高さのものを選びます。バッグも草履の色柄に合わせたものを選ぶと、格調高く統一感のある装いになります。一方、小紋や紬、お召しなどのカジュアルな着物には、草履台と鼻緒の色が違うおしゃれな草履を合わせるのがおすすめです。バッグも特に色柄を合わせる必要はありません。高さも一枚芯の3~4cmのものが、普段履きに適しています。
  • 扇子: 扇子はフォーマルな場とカジュアルな場、男性と女性では、扇子の種類が違ってきます。結婚式などのフォーマルな場で女性が第一礼装の黒留袖を着る際は、扇子は扇面の裏表が金と銀で骨を黒く塗った「末広」を持ちます。準礼装の色留袖や訪問着、紋付色無地の場合は、白骨、黒骨、赤茶骨のどれかの「末広」を持ちます。成人式や結婚式で振袖を着る場合も、準礼装に準じた「末広」を持ちます。結婚式の新郎や成人式などで男性が紋付き袴を着る場合は、「白扇」を持ちます。「末広」や「白扇」などの礼装用の扇子は儀礼的なものなので、開いてあおいだりしてはいけません。あおいでいい扇子は、カジュアルな着物の際に持つ「夏扇子」だけです。夏扇子にはさまざまなデザインのものがありますので、どれでも自由に選ぶことができます。

これらの和装小物は、着物や帯をレンタルする際に、一緒にレンタルできることが多いです。マナーや選び方のコツを把握した上で、レンタルプランの内容をよく検討してみてください。

まとめ

髪飾りは、シーンに合わせて上手にコーディネートすることで、着物姿をよりいっそう美しく見せることができるアイテムです。この記事では、髪飾りや装飾的な和装小物の魅力や選び方のコツについてお伝えしました。結婚式や成人式、卒業式や入学式、またお茶会や観劇、友人とのパーティーなど、さまざまな着物を着る機会に、ぜひこの記事を参考にして、すてきな着物姿を楽しんでください。

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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