亀甲十字の大島紬にひげ紬の羽織のアンサンブル【men12】

【プロが教える】男性用羽織袴の選び方|理想の着物を見つけるには

はじめに

成人式や結婚式など、特別な日に男性が選ぶ服装として、羽織袴は日本の伝統的な選択肢です。この美しい衣装は、着る人の品格と洗練された印象を引き立てます。この記事では、羽織袴の選び方や着方、そしておすすめのアクセサリーについて、わかりやすく説明します。さらに、レンタルの利点や注意点、簡単なお手入れ方法もご紹介します。ぜひ、羽織袴を召される際の参考としていただければ幸いです。

男性用:羽織袴選びの完全マニュアル

男性用の羽織袴を選ぶことは、特別な日をより素晴らしいものにするための大切なステップです。まずは、色や素材の選び方、サイズの確認方法など、羽織袴を楽しむ際の基本情報ついて、詳しくご説明しましょう。

羽織袴の色と素材選び:スタイルを決定する

羽織袴を選ぶ際に重要なのが、色と素材です。これらは、着る男性の個性やその場の雰囲気に合わせて選ぶと良いでしょう。

色の選び方

  • 基本色紺や黒は最も一般的で、どんなシーンにも合います。これらの色は落ち着きをもたらし、格式高い印象を与えます。
  • 明るい色:成人式などの祝いの場では、赤や緑、青といった明るい色や柄物も人気です。元気や活力を表現し、若々しい印象を与えます。

素材の選び方

  • 絹(シルク):なめらかで高級感があり、特別な日にぴったりの素材です。光沢が美しく、着る男性を一層引き立てます。
  • ポリエステル扱いやすく、価格も抑えられるため、多くの男性に選ばれています。見た目も良く、日常的なお手入れも簡単です。

季節に合わせた選び方

  • 袷(あわせ):裏地がついているため、寒い季節に適しています。冬の成人式には袷の羽織袴が最適です。
  • 単衣(ひとえ):裏地がなく、軽やかなため、春や秋にぴったりです。結婚式や暖かい日のイベントに適しています。

色と素材を選ぶ際は、着るシーンや好みに合わせて最適なものを選びましょう。素材によっても印象が変わるため、試着をしてみることも大切です。ここで一つ、ゆめやでおすすめの羽織袴をご紹介しましょう。

紺色の大島紬で、共布の羽織とアンサンブルになった着物です。大島紬は、奄美大島で織られています。今では伝統工芸品になっているほど貴重な生地なのですよ。たいへん細かい亀甲が連続して織り出されています。織り柄の入った半衿と角帯を合わせ、グリーンの羽織紐でコーディネートしました。お正月の初詣や、七五三の付き添い、お呼ばれごとなど、さまざまなシーンでお召しいただける、汎用性の高いコーディネートです。

色や柄、素材が決まったら、次はサイズの確認です。

羽織袴のサイズとフィット感の確認方法

羽織袴のサイズ選びは、見た目の美しさだけでなく、快適に過ごすためにも重要です。

羽織のサイズ感

  • 袖丈と着丈をチェックします。袖丈は手首が隠れる程度が望ましく、着丈は腰骨くらいで落ち着くようにします。
  • 肩幅は動きやすさを考え、少し余裕を持たせることがポイントです

袴の長さとウエスト

  • 袴の長さは足の甲くらいが適切です。短すぎると見た目が良くなく、長すぎると歩きにくくなります。
  • ウエストは調節可能な紐や帯で締めるため、自分の体型に合わせやすいですが、試着をして確認することが大切です

試着時のチェックポイント

  • 歩くときの動きやすさを確認します。羽織袴は見た目だけでなく、動きやすさも大切です
  • 座ったときのフィット感も確認しましょう。長時間座ることも多いため、座り心地も重要です。

サイズの確認は、購入時だけでなく、レンタル時にも大切です。可能であれば試着をして、自分の体に合った羽織袴を見つけましょう。

羽織袴のアクセサリーと小物でスタイリング

羽織袴を着る際のアクセサリーや小物の選び方も、スタイリングを一層引き立てる重要な要素です。適切にアクセサリーを選ぶことで、伝統的な装いに現代の感覚を加えることができます。この章では、羽織袴に合わせるアクセサリーの選び方と、着物のプロからのアドバイスをご紹介します。

羽織袴と相性の良いアクセサリーとは?

羽織袴とのコーディネートには、以下のようなアクセサリーがおすすめです。

  • 帯留め:和装の中心的なアクセサリーで、帯の上に装着します。金属製や石をあしらった帯留めが一般的ですが、シンプルで洗練されたデザインを選ぶと、現代的な感覚をプラスできます
  • 羽織紐:羽織を留める紐で、アクセントとしても機能します。色や素材の選び方で異なる印象を与えることができるため、スタイリングに合わせて選ぶことが重要です。
  • 足袋:足元の印象を左右する重要なアイテム。白い足袋は最も一般的ですが、柄入りや色付きの足袋を選ぶことで、より個性的なスタイルを演出できます。
  • 草履:和装の靴として不可欠ですが、形や色、素材によって多様な選択肢があります。羽織袴の色や素材に合わせて、上品で落ち着いた色の草履を選ぶのが一般的です。

これらのアクセサリーを選ぶ際には、全体の調和を考えながら、自分の個性や好みを反映させることが大切です。適切なアクセサリー選びによって、羽織袴の魅力を最大限に引き出すことができるでしょう。

羽織袴スタイリング:プロからのヒント

次いで、羽織袴のスタイリングを格上げし得るプロからのアドバイスをいくつか紹介します。

  • バランスを考える:羽織袴の色や柄に合わせてアクセサリーを選ぶことが重要です。派手な羽織袴にはシンプルなアクセサリーを、シンプルな羽織袴には目を引くアクセサリーを配するとよいバランスになります。
  • 細部にこだわる:小物一つ一つにこだわりを持つことで、全体の印象が大きく変わります。たとえば、羽織紐の結び方一つを変えるだけで、より洗練された印象を与えることができるでしょう。

羽織袴のスタイリングには多くの要素が関係しており、それぞれの要素が全体の印象に影響します。プロからのアドバイスを活かし、ぜひ自分だけのオリジナルな羽織袴スタイルを楽しんでください。

シーン別に選ぶ男性用羽織袴

羽織袴は、特別な日に華やかさと格式を演出する男性の和装です。成人式や結婚式など、式の格式や雰囲気に応じて適したスタイルがあります。袴選びやコーディネートの基本についてご理解いただけたところで、ここでは成人式と結婚式という、具体的なシーンにおすすめの羽織袴を紹介します。

成人式にふさわしい紋付羽織袴セット

成人式は、一生に一度の大切な節目です。この日に着る羽織袴は、特に選び方が重要です。紋付きの羽織袴は、成人の男性が格式高く、そして堂々とした姿を見せるのに最適な選択とされています。以下に、選び方のポイントを紹介します。

  • 色とデザイン一般的に、深みのある紺や黒が選ばれます。これらの色は、格式を感じさせ、洗練された大人の雰囲気を出します。紋の数は、通常五つ紋が正式で、家紋を表すことが多いです
  • 素材:絹やウールなど、自然な光沢があり、肌触りの良い素材を選ぶことが多いです。特に絹は、その滑らかな質感が正装にふさわしいとされています。
  • 小物の選び方:白い足袋や草履、そして金色や銀色の角帯が、羽織袴とよく合います。また、刺繍入りの羽織紐もアクセントになります。
  • フルセットのメリットフルセットには羽織、袴、帯、足袋、草履、そして小物が全て含まれており、一式揃える手間が省けます。サイズも統一されているため、初めての方でも安心して選べます。

紋付きではございませんが、ゆめやからも一つ、深みのある羽織袴をご紹介しましょう。

勝色地に亀甲の十字が織り出された正絹の大島紬のアンティーク着物に、鉄紺色のひげ紬の羽織を合わせたアンサンブルです。いい着物ですね。勝色という、紺色よりももっと濃い藍色で亀甲の十字が細かく整然と織り出されています。

このように、成人式で羽織袴を選ぶ際は、さまざまな要素を考慮して、自分に合ったスタイルを見つけることが大切です。成人の日は新しい一歩を踏み出す特別な日ですので、自分の個性を引き立てる羽織袴を選んでみてください。

結婚式で新郎が際立つ黒紋付羽織袴

結婚式で新郎が着る羽織袴は、特に印象的な装いが求められます。黒紋付きの羽織袴は、その重厚感と格式で、新郎をひときわ目立たせることができます。選び方のポイントは以下の通りです。

  • 紋の意味:紋付きの羽織袴は、家族の歴史や伝統を象徴することがあります。結婚式では、五つ紋のデザインが一般的で、家族への敬意を表します
  • 色の選び方:黒はもちろん、深いグレーまたは紺も選択肢として適しています。これらの色は、格式ある場にふさわしく、落ち着きのある印象を与えます。
  • 小物との調和:黒い羽織袴には、白い足袋や黒い草履がよく合います。また、シンプルながらも品のある角帯を選ぶことで、全体のバランスを整えることができます。

結婚式の羽織袴を選ぶ際は、これらのポイントを念頭に置きつつ、自分自身とパートナーのスタイルに合ったものを選ぶことが重要です。結婚式は人生の大切な瞬間ですので、自分らしさを表現できる羽織袴を選んで、新郎としての晴れ姿を楽しみましょう。

レンタル羽織袴の選び方

特別な日のために羽織袴を用意するには、レンタルサービスの利用がおすすめです。ただし、レンタルする際には、いくつかのポイントを押さえる必要があります。ここでは、レンタルのメリットとデメリットを理解し、自分に合った羽織袴を選ぶ方法を詳しく説明します。

フルセットレンタルのメリットとデメリット

羽織袴をレンタルすることには、多くの利点がありますが、もちろん注意点もあります。以下に、メリットとデメリットをまとめました。

メリット

  • 経済的:羽織袴を購入するよりも、レンタルの方が費用を抑えられます。特に、一度しか着ない男性には非常にコスト効率が良いです。
  • 高品質:レンタル店では、一流の素材とデザインの羽織袴が揃っています。購入するよりも良質なものを着用できることが多いです
  • 便利さ:フルセットのレンタルプランを選択した場合、羽織、袴、帯、小物などすべてが含まれているため、別々に準備する手間が省けます。

デメリット

  • 選択肢の限定:人気のデザインやサイズは早期に予約が埋まることがあり、希望通りの羽織袴が借りられない場合があります。
  • サイズの問題:レンタル品は多くの人が使用するため、完璧に体にフィットするとは限りません。特に男性の場合、体格に合わないことがあるので、微調整が必要なことも多いです。
  • 使用期間の制約レンタルには返却期限があるため、使用後はすぐに返却しなければなりません。もし期日に間に合わなかった場合、延滞料金が発生することもあります。

自分に合ったレンタル羽織袴の選び方

自分にぴったりのレンタル羽織袴を選ぶためには、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。

  • 事前のリサーチ:使用するイベントの日が決まったら、早めにレンタル店を調査します。店舗の評判や提供されているスタイルのレビューをチェックすることで、信頼できる店を選びます
  • 試着を重視:可能であれば、実際に店舗を訪れて試着を行い、サイズやデザインが自分に合っているか確認します。特に男性は体格が異なるため、試着は非常に重要です
  • 予約は早めに:人気のシーズンや週末には需要が高まるため、早めに予約を入れることが大切です。これにより、より多くの選択肢から選ぶことができます。
  • アクセサリーもチェック:フルセットレンタルには羽織袴以外にも足袋や草履などの小物が含まれていることが多いですが、単品でレンタルする場合は、必要に応じて追加のアイテムをレンタルするか、自分で用意するかを検討します。
  • レンタル規約を確認:返却期限やクリーニングの有無など、レンタル規約をしっかりと確認しておきます。特に男性の場合、使用後の手間を減らすためにクリーニング込みのサービスを選ぶと便利です

これらのポイントを押さえて、自分にぴったりの羽織袴を選び、特別な日を快適に楽しみましょう。

レンタル羽織袴のメンテナンスと保管

レンタルした羽織袴を適切にメンテナンスし、保管することは、次にその衣装を利用する人への配慮ともなります。ここでは、レンタル後の簡単なメンテナンス方法と保管のポイントをご紹介します。

レンタル後の簡単なメンテナンス方法

レンタルした羽織袴を使用した後は、次の利用者が快適に着用できるように、以下の手順で簡単なメンテナンスを行いましょう。

汚れの確認と前処理

  • 着用後すぐに羽織袴全体の汚れをチェックします。特に食事を伴うイベントでは、飲食物のしみがついていないか注意が必要です。
  • 汚れがある場合は、レンタルショップが推奨する方法で軽く前処理を行います。通常は、水または少量の洗剤を使って部分的に汚れを拭き取ることが推奨されます。

折りジワの整理

  • 着用による折りジワが付いている場合、衣装をハンガーにかけて自然にジワを伸ばすか、低温でアイロンが使える場合はショップの指示に従い、軽くアイロンをかけます。

通気性を保つ保管方法

  • 一時的な保管の場合は、衣装を風通しの良い場所にハンガーで吊るしておくことが大切です。これにより、湿気がたまるのを防ぎ、カビの発生を避けられます。

男性にとって、特に大切な日の衣装である羽織袴は、きちんと手入れをして次回も美しく着られるようにしておきましょう。これにより、自分自身だけでなく、次の利用者にも気持ち良く着てもらえます。

レンタル品の保管と返却のポイント

レンタルした羽織袴を適切に保管し、返却することで、次の人も同じように素晴らしい品質の衣装を楽しむことができます。以下に、保管と返却のポイントをまとめました。

適切な保管場所の選定

  • 直射日光の当たらない、湿度の低い場所に保管することが理想的です。紫外線や湿気は、素材を傷める原因になります。特に男性の体格に合ったサイズの羽織袴は、丁寧に扱いましょう。

返却前の最終チェック

  • 返却前には再度、汚れや損傷がないか全体をチェックし、ある場合はレンタルショップに報告します。これにより、追加料金が発生するトラブルを未然に防げます。

次の利用者のためにも丁寧に扱い、きちんと返却することが大切です。これらのポイントを押さえて、自分にぴったりの羽織袴を選び、特別な日を快適に楽しみましょう。

まとめ

本記事では、男性用の羽織袴について詳しくご紹介しました。成人式や結婚式など、特別な日のために最適な羽織袴の選び方や、スタイリングのポイント、さらにはレンタルの利点や注意点、レンタル後のメンテナンス方法や保管方法もお伝えしました。

これらの情報が、羽織袴選びの参考になればうれしいです。特別な日にぴったりの羽織袴を見つけて、自分らしいスタイルで素晴らしい思い出を作ってください

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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