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【2024年最新版】プロが教える|羽織と袴で魅せる男の着物姿

はじめに

羽織袴とは、文字通り「羽織」と「袴」という、日本の伝統的な和装の一つとして、特に男性の晴れ着として広く知られています。その魅力は格式高いデザインと豊かな色彩にあり、着る人の個性を引き立てます。たとえば、特別な式典である成人式や結婚式、後者においては新郎だけでなく参列者についても、羽織袴を着用することで、その存在感はひときわ際立つものです。

この記事では、羽織袴の基本知識から選び方、レンタルサービス、着付け方法、メンテナンス方法、着用シーンまで、詳しく解説します。初めて羽織袴を着る方や、これから購入やレンタルを検討している方にとって、有益な情報を提供できれば幸いです。羽織袴の奥深い世界に触れることで、その魅力を存分に感じていただけることでしょう。

羽織袴の基本知識

羽織袴は、日本の伝統的な和装の一つで、特に男性の正式な場での装いとして重要な役割を果たしています。ここではまず、「羽織」と「袴」の歴史についてご紹介したうえで、その特徴について説明しましょう。

羽織と袴の歴史と役割

羽織袴の起源は、平安時代にまで遡ります。当時は貴族や武士階級の間で着用されていました。羽織は元々、上着としての役割を持ち、袴は下半身を覆うための衣装でした。江戸時代になると、羽織と袴は武士の礼装として確立され、さらに明治時代には一般の男性にも広まりました。

羽織と袴の組み合わせは、現代では成人式や結婚式などの式典での着用が一般的です。特に成人式では、多くの男性が羽織袴で式にのぞみます。これにより、成人としての自覚を持ち、新たな門出を迎える象徴となっています。羽織袴は、単なる衣装としてだけでなく、歴史と伝統を受け継ぐ象徴的な存在なのです

羽織と袴の種類と特徴

羽織と袴にはさまざまな種類があり、その選び方は個々の好みや式典の種類によって異なります。

まず、羽織の種類としては、紋付羽織があります。紋付羽織は家紋が刺繍されたもので、特に格式の高い場での着用が適しています。一方、無地の羽織や縞柄の羽織もあり、これらはよりカジュアルな場での着用に向いています。

袴のデザインも多岐にわたります。代表的なものには、仙台平袴無地袴があります。仙台平袴は縞模様が特徴で、格式高い場での着用に適しています。無地袴はシンプルなデザインで、どのような場面でも合わせやすいです。袴の色もさまざまで、伝統的な黒や紺、グレーの他に、白や茶色、紫などもあります。

このように、羽織と袴は歴史と伝統に裏打ちされた深い魅力を持つ和装です。次の章では、具体的な選び方や着こなしのポイントについて、詳しく解説します。

男性用|羽織と袴の選び方

男性用の羽織と袴を選ぶ際には、サイズや色、柄などいくつかのポイントがあります。特に成人式や結婚式などの重要な場面では、見た目や着心地が大切です。ここでは、サイズの選び方と重要性、色と柄の選び方について詳しく説明します。

サイズの選び方と重要性

羽織と袴のサイズは、見た目の美しさと着心地に大きく影響します。特に袴は腰回りのフィット感が重要です。以下のポイントを参考にして、適切なサイズを選びましょう。

  • 袴の丈袴の丈は、着用する人の身長に合わせることが基本です。長すぎると足元が乱れ、短すぎると見た目が不格好になります。一般的に、袴の丈は足首から2~3センチ上が理想とされています。
  • 腰回りのサイズ:袴の腰回りは、腰紐でしっかりと固定するため、あまり余裕がない方が良いです。着物を着た上でのウエストサイズを測り、それに合わせて袴を選びます。
  • 羽織の丈:羽織の丈は、着物の袖丈とバランスを取ることが重要です。一般的には、袖丈が腕を下ろしたときに手首から少し下まで隠れる長さが適切です。

サイズの選び方は、見た目の美しさだけでなく、着心地や動きやすさにも影響します。特に成人式や結婚式などの長時間にわたる式典では、適切なサイズの羽織と袴を選ぶことが、快適に過ごすためのポイントなのです

色と柄の選び方

羽織と袴の色や柄は、個々の好みや式典の種類によって選ぶと良いでしょう。以下に代表的な色と柄の選び方を紹介します。

  • 伝統的な色:黒や紺、グレーなどの伝統的な色は、格式高い場に適しています。特に黒の紋付羽織袴は、最も正式な場での装いとして広く認知されています
  • 個性的な色:最近では、紫や白、茶などの個性的な色の羽織と袴も人気です。これらの色は、個性を表現し、他の出席者と差別化を図るのに適しています。
  • 柄の選び方:縞模様や無地、伝統的な文様など、さまざまな柄が選べます。縞模様の袴は格式が高く見えますが、無地の袴はどんな場面にも合わせやすいです。また、伝統的な文様が施された羽織は、格式とともに華やかさを演出します。

ここで一つ、ゆめやでお取り扱いのある、男性用の羽織袴のコーディネートをご紹介しましょう。

共羽織のアンティークアンサンブルです。すっきりとした紺色の紬で、準礼装としてもお召しいただけます。長襦袢・角帯・袴も爽やかな色合いでまとめました。この着物は紺系統の糸だけで織られていますので、遊びの部分が少なく、しっかりとした男性を思わせる色合いに仕上がっていますよ。着流しでしたら、七五三の付き添いやお茶会などにお召しいただけます。袴を着ければ、もっと正式な場にも着ていただくことができますよ。どうぞご検討ください。

このように、色や柄を選ぶ際には、着用する場面や自分のスタイルに合わせて選ぶことが大切です。もちろん、セットでのレンタルも多く提供されているため、初めての方でも安心して選ぶことができます

羽織と袴の選び方は、見た目の美しさだけでなく、着心地や式典での快適さにも影響します。自分に合ったサイズや色、柄を選ぶことで、より自信を持って特別な日を迎えることができるでしょう。

羽織袴の着用シーン

羽織袴は、日本の伝統的な和装として、さまざまなシーンで着用されます。成人式や結婚式などの式典での着用が一般的と紹介しましたが、最近ではカジュアルな場でも見かけるようになりました。ここでは、羽織と袴がどのようなシーンで着用されるのかを詳しく掘り下げていきたいと思います。

成人式や式典での着用

成人式や式典は、羽織袴を着用する最も代表的なシーンです。特に成人式では、男性が羽織と袴を着用することが多く、伝統的な装いとして人気があります

成人式は、20歳を迎えた若者が大人としての自覚を持つための重要な儀式です。この日には、多くの男性が羽織と袴を選びます。黒の紋付羽織袴は特に人気があり、格式高い装いとして認識されています。

  • 色の選択:成人式では、黒や紺などの落ち着いた色が好まれますが、最近ではグレーや白などの個性的な色を選ぶ若者も増えています。色の選択は、自分の個性を表現する重要な要素です
  • 柄の選択:縞柄や無地の袴が一般的ですが、より華やかな柄を選ぶことで、一層の存在感を放つことができます。
  • 小物の選択:帯や紐、足袋などの小物も重要です。色や素材を統一することで、全体のコーディネートが整います。

結婚式やその他の正式な式典でも、羽織袴は重要な装いです。新郎が羽織袴を着用することも多く、その格式と美しさは式典を一層華やかにします。

  • 新郎の衣装として:新郎が羽織と袴を着用する場合、紋付の黒羽織袴が最も一般的です。家紋が入った羽織は、伝統と家族の絆を象徴するものとして重んじられます。
  • ゲストの装いとして:ゲストとして参加する場合でも、羽織袴を選ぶことで、正式な場にふさわしい装いとなります。色や柄は新郎新婦と被らないように選ぶことがマナーです。

カジュアルな場での着用

近年、羽織袴はカジュアルな場でも見かけるようになりました。特にお祭りや観光などのイベントでは、羽織袴を上手に取り入れたファッションが注目を集めています

観光やお祭りは、羽織と袴をカジュアルに楽しむ絶好の機会です。色や柄を工夫することで、伝統的な装いを現代風にアレンジすることもできます。

  • 色の選択:カジュアルな場では、紫や茶、グレーなどの明るい色や、個性的な柄を選ぶことができます。これにより、華やかでありながらもリラックスした雰囲気を演出できます。
  • 小物のアレンジ足袋や草履などの小物を工夫することで、よりカジュアルで個性的なスタイルを楽しむことができます。たとえば、カラフルな足袋を選ぶことで、伝統的な羽織袴をよりおしゃれに魅せられます。

さらに、日常のカジュアルなシーンでも羽織袴を取り入れることができます。特に和のテイストを取り入れたカフェや観劇などの装いとして、羽織袴はおしゃれで注目を集めます

  • カジュアルなデザインの選択:日常での着用には、シンプルなデザインや軽めの生地を選ぶと良いでしょう。無地やシンプルな縞柄など、控えめなデザインが適しています。
  • 季節に合わせた素材の選択:夏には薄手の綿や麻の生地、冬には暖かいウールや綿の袴を選ぶことで、季節に応じた快適な着用が可能です。
  • アクセサリーの取り入れ:カジュアルなシーンでは、和風のアクセサリーを取り入れることで、より個性的なスタイルを楽しむことができます。たとえば、モダンなバッグなどをコーディネートに加えるのもすてきですね。

濃紺色の正絹のアンティーク着物です。裏は綿で仕立てられています。仕付け糸が一部残っていますので、まだ未使用です。この着物には共布の羽織はありませんので、正式な場にはお召しいただけませんが、写真のように別の羽織を組み合わせていただければ、アンサンブルとして着ていただけます。正統派の角帯と袴に、ゆめやオリジナルの長羽織をコーディネートしてみました。おしゃれ着・お出かけ着としては通用いたしますので、お食事や観劇などにいかがでしょうか。

このように、羽織と袴はさまざまなシーンで着用することができ、その場に応じた適切な選び方とコーディネートを楽しむことができます。伝統的な和装を現代風にアレンジし、自分だけのスタイルを見つけることで、特別な日を一層華やかに彩ることができるでしょう。

羽織袴のレンタルサービス

羽織袴を購入することもありますが、一度しか着る機会がない場合などは、レンタルサービスを利用する方が多いです。ここでは、レンタルのメリットとデメリット、そしてレンタル手続きの流れについて詳しく解説します。

レンタルのメリットとデメリット

メリット

  • コストの節約:羽織と袴の購入には高額な費用がかかります。特に、紋付羽織袴や高品質な生地を使用したものは数十万円にもなることがあります。レンタルを利用すれば、比較的低コストで利用することができます
  • 保管の手間が省ける:和装は保管が難しく、適切に保管しないとカビやシワが発生することがあります。レンタルなら、使用後に返却するだけで済み、保管の心配がいりません
  • 最新のデザインが選べる:レンタルサービスでは、常に新しいデザインやトレンドに合った羽織と袴を提供しています。そのため、一度きりのイベントでも、最新のファッションを楽しむことができます。
  • フルセットの提供:多くのレンタルサービスでは、羽織と袴だけでなく、帯や足袋、小物類も一緒に提供しています。これにより、全てを揃える手間が省け、一度に全てを準備することができます。

デメリット

  • 自分専用ではない:レンタル品は他の人も使用しているため、自分専用の新品を着用するわけではありません。特に気になる方には不向きかもしれません。
  • サイズの制限:レンタルでは、自分の体型にぴったり合ったサイズを見つけることが難しい場合があります。特殊なサイズが必要な場合、選択肢が限られることがあります
  • 使用期間の制限:レンタルには使用期間が設定されており、その期間を過ぎると追加料金が発生することがあります。特に長時間の使用や延長が必要な場合は注意が必要です。

レンタル手続きの流れ

レンタルの手続きは一般的に以下のような流れで行われます。

  1. レンタルショップの選択:まず、羽織と袴をレンタルするショップを選びます。オンラインショップや実店舗など、さまざまな選択肢があります。レビューや評価を参考にし、自分に合ったショップを選びましょう
  2. 予約の手続き:着用日が決まったら、早めに予約を行います。特に成人式や結婚式シーズンは予約が集中するため、早めの予約が重要です。予約はオンラインや電話で簡単に行うことができます。
  3. 採寸:実店舗の場合、店舗で直接採寸を行います。オンラインの場合、自分で採寸する必要がありますが、採寸方法を丁寧に説明してくれるショップが多いです。正確なサイズを測定し、申し込み時に入力します。
  4. 衣装の選択:採寸が完了したら、羽織と袴のデザインを選びます。色や柄、セット内容を確認し、自分の好みに合ったものを選びます。多くのショップでは、写真や動画で詳細を確認することができます
  5. 支払いと契約:選んだ衣装が決まったら、支払いと契約手続きを行います。支払い方法はクレジットカードや銀行振込など、さまざまな方法が選べます。契約内容をよく確認し、利用規約に同意します
  6. 受け取りと着用:指定した日時に衣装が届きます。受け取り後は、すぐに内容を確認し、欠品や汚れがないかチェックします。着用日に合わせて準備し、当日は美しい和装で式典に臨みます。
  7. 返却:使用後は、レンタルショップの指示に従って返却します。多くの場合、返送用のパッケージが同封されているため、簡単に返却手続きができます。返却期限を守ることが重要です。

このように、羽織と袴のレンタルサービスは、購入よりも手軽で経済的です。特別な日を華やかに演出するために、ぜひレンタルサービスを利用してみてください。

まとめ

この記事では、羽織と袴の基本知識から選び方、レンタルサービス、着付け方法、メンテナンス方法、着用シーンまでを詳しく解説しました。羽織と袴は、日本の伝統と文化を象徴する美しい和装であり、特別な日にふさわしい装いとして多くの人々に愛されています

これから羽織と袴を着用する機会がある方は、ぜひこの記事を参考にして、自分に合ったスタイルを見つけてください。特別な日を一層華やかに彩る羽織と袴の魅力を、存分に楽しんでいただければ幸いです。

<参考記事>
https://kimono-rentalier.jp/column/kimono/haorihakama/

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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