赤いちりめん細工と白い花のビラビラかんざし【kzs013】

【着物のプロが監修】​七五三での日本髪 | 基本と魅力、アレンジ

はじめに

きらきらとした瞳で、和装に身を包んだお子さまが、家族と共に神社へと足を運ぶ風景。それは七五三のお祝いの一コマです。この特別な日には、お子さまは髪もきれいに整えていることが多いですね。日本髪にしている女の子もいます。日本髪は、和装との相性が抜群で、見る人を魅了します。このセクションでは、七五三の由来や日本髪についてお伝えします。

「七五三」とは?その由来と意義

七五三とは、お子さまの成長を祝う日本の伝統的な行事です。具体的には、3歳と5歳の男の子、3歳と7歳の女の子の成長と健康を祝うためのもので、多くの家族が神社に参拝します。この行事には、お子さまが無事に成長したことへの感謝と、今後も健やかに大きくなってほしいという親御さんの願いが込められています。

七五三の起源
七五三の起源は、古くは平安時代に遡ると言われています。当時は現代よりもお子さまの死亡率が高かったことから、特定の年齢での生存を祝う意味合いも強かったと考えられています。七五三には、それぞれの年齢のお祝いごとに元になった儀式があります。

年齢と元になった儀式

3歳:髪を伸ばし始める「髪置きの儀」という儀式。当時は3歳までは髪を剃り、髪置きの儀を迎えてから髪を伸ばし始めました。

5歳:男の子が初めて正装である袴を身に着ける「袴着の儀」が元になっています。

7歳:元になったのは、女の子が帯を結ぶ「帯解きの儀」です。これまで着物を留めていた紐をとって初めて帯を結ぶことで、大人向けの装いへと一歩進む瞬間でした。

「日本髪」の特徴とは

日本髪は、主に江戸時代から明治時代にかけて女性の髪型で、日本の伝統的なヘアセットのことを指します。まずは中心となる「根」を作り、「髱(たぼ)」「右鬢(みぎびん)」「左鬢(ひだりびん)」「前髪(まえがみ)」の順で「根」に向かってまとめ、集まった髪を「髷(まげ)」として結い上げます。現在でも、舞子さんは日本髪を結っています。日本髪は古風な美しさがあり、和装に大変よく合います。女の子の髷を飾るための小物やアクセサリーも豊富にあり、和装で日本髪をして髪飾りを付けると、七五三の特別な雰囲気を盛り上げてくれます。

七五三の日本髪の基本スタイル

お子さまの七五三で、一際目を引くのが、鮮やかな着物に合わせた日本髪です。独特の美しさと品格を持つ日本髪は、七五三を一層特別なものにしてくれます。このセクションでは、七五三を迎える女の子の日本髪の基本スタイルについてご紹介します。

七五三の女の子の日本髪の基本形

日本髪には、さまざまな種類がありますが、七五三での定番は「桃割れ」です。

桃割れは髷を左右二つに分けてふくらませるのが特徴です。桃の花が開く様子もしくは桃の果実を割った形と重ねられ、桃割れと呼ばれるようになったと言われています。古典的でボリュームのあるふくらみができるので愛らしく、可憐さと華やかさのあるスタイルです。

桃割れにアクセサリーで飾ることで、一層華のが増し七五三のお祝いにふさわしい雰囲気になります。

前髪のアレンジのポイント

前髪は、顔の印象を大きく左右する部分です。日本髪の場合、前髪のアレンジ方法によって、異なる雰囲気を楽しむことができます。

日本髪では、前髪を上げるのが主流です。前髪を上げるといかにも日本髪らしい古典的な雰囲気を演出できますし、髪のトップのボリュームが増えるので少し背が高く見え、大人っぽい感じになります。顔回りがすっきりし、凛とした印象になります。

前髪を下ろすと、ぐっとモダンでおしゃれな印象になります。前髪があることで、目元の愛らしさが際立ちます。まっすぐに切りそろえたぱっつん前髪だと、より和の雰囲気になじみます。

最近では下ろした前髪を巻いてななめに流すこともあります。曲線ができることでふんわりとやわらかな雰囲気になり、たいへん可愛らしいです。

七五三の日本髪スタイルは、前髪に少し変化をつけるだけでも雰囲気が変わります。お子さまと話をして、好みのスタイルを楽しんでくださいね。

日本髪の髪飾りとその役割

七五三で日本髪を結う場合は、その髪に合わせる髪飾りも大切です。伝統的な髪飾りもあれば、新しいモダンなアクセサリーもあり、髪飾り選びの幅が広がっています。

ちんころやかんざしなどの伝統的な髪飾り

七五三の日本髪によく合わせられる伝統的な髪飾りには、「ちんころ」や「かのこ」や「かんざし」などがあります。

  • ちんころ
    ちんころは前髪を上げて結んだところにつける飾りです。紐状になっていて、結んだ紐の先を左右に垂らすと、とてもかわいらしいです。
  • かのこ
    後ろ髪でつくった髷の結び目につける飾りです。ふっくらとボリュームが出るように、しぼり染めでつくられているものが多いです。後ろ姿に華やぎを添えてくれます。
  • かんざし
    髪に挿して使うかんざしは、さまざまなデザインのものがあります。七五三向けのものは、つまみ細工がついた華やかなものが多いです。

ゆめやでは着物だけでなく、かんざしなどの髪飾りも数多く取り扱っています。アンティーク着物専門店ならではのこだわりの髪飾りをご紹介いたします。

アンティーク着物レンタルのゆめや厳選、七五三におすすめの髪飾りを紹介します。

左端「赤い変わり絞りの鹿の子、日本髪用の髪飾り」鹿の子は髷の前と後ろに結ぶ髪飾りです。かんざしと併用いただけ華やかさを増すのにおすすめです。

中央「ナチュラルな造花が一輪ずつに分かれたかんざし」1本ずつになっていますので、お好きな場所に分けて使うこともまとめて使うこともできます。ナチュラルなカラーですのでさまざまな着物にコーディネートが可能。

右端「ピンクの縮緬と絞りで梅の花のかんざし(こども用)」はちりめんと絞りで作られたつまみ細工の可愛らしい梅の花で、三歳・七歳の着物姿に彩りを添えてくれます。

つまみ細工の選び方

七五三向けのかんざしや髪飾りによく使われているつまみ細工。さまざまなデザインやカラーのものがあるので、選ぶのが楽しいです。七五三向けのつまみ細工でよく選ばれるモチーフとカラーの例をご紹介しましょう。


  • 日本を象徴する花である桜のつまみ細工は、七五三でも人気です。桜らしい明るいピンク色や白のものが多く、七五三での和装をより愛らしくしてくれます。

  • 吉祥文様である梅は、七五三のお祝いにふさわしいです。落ち着いた赤や白が使われていることが多く、かわいらしさがありながら少し大人びた雰囲気にしてくれます。

  • 七五三の季節の秋にぴったりの菊のつまみ細工も人気です。花びらがたくさん重ねられ、ボリュームのあるものが多く、尖った花びらが梅や桜とは異なる雰囲気を演出してくれます。

つまみ細工はカラーもデザインも多用で見ていて楽しいので、ぜひお子さまと一緒にお気に入りを探してください。

ゆめやこだわりのつまみ細工の髪飾りをご紹介いたしますので、参考にしていただければ幸いです。左端「ピンクの梅と菊のつまみ細工かんざし(こども用)」は三歳のお子さまにもバランスよく付けていただけるよう小ぶりのつまみ細工のお花と付けやすいパッチン留めにしてあります。

中央「黄色いモコモコ梅に房下がりとビラビラのかんざし(こども用)」はゆるめの織り素材で作られたつまみ細工ですのでふわふわ感があり、アップスタイルにヘアセットした髪に可愛らしさをプラスします。

右端「つまみ細工やレース造花のカラフルなかんざし(こども用)」はスッキリとした大人っぽいスタイルにも似合うカラフルなつまみ細工の髪飾りです。カラフルで菊や梅などさまざまなお花モチーフですので、どんな色の着物にも合わせやすくなっています。各髪飾りのページには詳細画像も載っていますので、お子さまと相談してみてくださいね。

伝統的な飾りとモダンなアクセサリーの選び方

七五三の髪飾り選びは、伝統的なものとモダンなもの、どちらを選ぶかによっても印象が大きく変わります。

  • 伝統的な髪飾り
    伝統的な髪飾りは、和装にとても合い、格式を感じることができます。和装ならではの雰囲気をより一層演出してくれます。
  • モダンなアクセサリー
    トレンドを取り入れたモダンなアクセサリーは、和装をぐっと現代的でおしゃれな雰囲気にしてくれます。

日本髪を美しく飾るアクセサリーや髪飾りは、七五三の大切な一日をより特別なものにしてくれます。お子さまの好みや、その日の雰囲気、着る着物の色や柄に合わせて、楽しく選んでくださいね。

ゆめやでは七五三のレンタル着物に合わせた髪飾りのレンタルもご用意しております。七五三の着物選びと一緒に髪飾りもお選びください。

和装との組み合わせ

お子さまの七五三の日、和装に日本髪を合わせれば、一生の思い出となる姿が完成します。このセクションでは、和装と日本髪の組み合わせのポイントを深堀りしていきます。

着物での日本髪セットのポイント

七五三における着物は、さまざまな色柄のものがあり、それぞれ異なる雰囲気を持っています。そのため、日本髪のセットは、着物の雰囲気に合わせて調整することが大切です。

  • 色との調和
    着物の色と髪飾りの色を合わせることで、全体のバランスを保ちます。例えば、桜色の着物なら、ピンク系の飾りを合わせると全体の調和がとれます。一方で、着物にない色の髪飾りを持ってきて、挿し色にするのもすてきです。好みに合わせて選んでください。
  • 柄との相性
    着物の柄に合わせて、髪飾りのデザインや大きさを選びます。全体のバランスを見ながら選ぶと、より洗練された着姿を実現できます。

七五三の和装に合わせる日本髪のセットには、さまざまなポイントがあります。上記のようなポイントを参考にしながら、お子様の好みや、ご家族の希望に合わせて、すてきな日本髪で最高の七五三を過ごしてくださいね。

ゆめやスタッフが厳選! 日本髪に合わせて欲しい7歳着物をピックアップ。左端「黒地に桜、菊、まっすぐ伸びた竹の七歳祝着」は大人顔負けの黒の着物。子どもらしさをプラスするには、赤の鹿の子や白のつまみ細工のかんざしなどがおすすめです。中央「深紅に手鞠や独楽、折鶴の七歳祝着」には真っ赤なお花のつまみ細工のかんざしやカラフルなお花のつまみ細工が着物との調和もできおすすめです。右端「スッキリのびた竹に子供の成長を願う七歳祝着」は明るめ紫とベージュのバランスが絶妙な着物。差し色で赤のつまみ細工のかんざしやナチュラルカラーのお花の髪飾りをコーディネートしてみてはいかがでしょうか?

髪のアレンジ方法

和装をする際は、髪のアレンジにもこだわりたいものですよね。これまで日本髪について紹介しましたが、このセクションでは、日本髪でなくても使える髪のアレンジ方法を詳しく解説していきます。

ショートヘアでも日本髪でも似合うヘアアレンジ

日本髪を地毛で結うなら、髪がある程度の長さがないとできませんが、ショートヘアでもできるすてきなヘアアレンジの方法を紹介します。日本髪に少しアレンジを取り入れたい際にも参考になりますよ。

  • 髪の毛を巧みに束ねる
    短い髪の場合は、小さな毛束をつくり、ひねって持ち上げてピンで留めたり、編み込みをするだけでも、雰囲気を変えることができます。
  • 小物を使用する
    リボンや花、ピンなどの小物を使うことで、短い髪でも華やかなアレンジが可能です。特に、お子さまの場合は、かわいい小物を取り入れることで、一層おしゃれな雰囲気になります。
  • 前髪のアレンジ
    前髪がある場合は、前髪のアレンジがポイントとなります。前髪を編み込んだり、巻いてななめに流してやわらかな雰囲気を出したり、上げておでこを出して清楚な印象を与えたりすることがおすすめです。

いずれも短い髪でも長い髪でもできるヘアアレンジのテクニックで、日本髪にする際にも取り入れられます。七五三のお子さまのヘアアレンジに活かしてください。

七五三の前撮りや当日のヘアセットの注意点

七五三の前撮りや当日にヘアセットをする際には、以下のような注意点が挙げられます。

  • 時間をしっかりとる
    ヘアセットは、時間のかかるものです。特に七五三の日本髪のヘアセットは、通常のヘアセットよりも多くの時間が必要です。余裕を持った時間設定を心掛けましょう。
  • お子さまの気分や体調を考慮する
    ヘアセットは、時間がかかりじっとしていないといけないので、お子さまにとっては少し疲れることがあります。事前にしっかりと休憩を取り、気分転換に使えるものを持っていくようにするなど工夫して、快適な環境を整えることが大切です。
  • 必要な小物を用意する
    ヘアセットの際に必要な小物、例えばピンやリボン、髪飾りなどは、事前に確認しておきましょう。前撮りや当日に忘れ物がないよう、リストアップしておくと安心です。

まとめ

七五三は、日本の伝統的な行事として、多くの家庭で大切にされています。お子さまの成長を祝い、家族での絆を深める特別な日に、お子さまがどのようなヘアスタイルにするかは、じっくり楽しく考えたいですね。和装にぴったりの日本髪は、七五三の日をよりすてきに彩ってくれます。

七五三の日本髪で心がけたいこと

七五三の日に、お子さまが日本髪にする場合に心がけたいことを、以下に列挙します。

  • お子さまの気分を最優先に
    七五三のヘアセットは、お子さまにとっては疲れることも多いです。お子さまの気分や体調を第一に考慮し、無理をさせないことが大切です。
  • 準備を早めに始める
    七五三の日や前撮りのヘアセットは、事前の準備や予約が必要となることが多いです。余裕を持った計画を立てることで、当日を安心して迎えることができます。
  • アクセサリーや飾り、ヘアアレンジのバランスを取る
    着物に合わせて、髪飾りやアクセサリー、ヘアアレンジを選びましょう。全体のバランスが取れると、より愛らしい和装になります。
  • 撮影やお参りのシーンを想像する
    当日の撮影や神社でのお参りのシーンを想像し、そのシチュエーションに合わせたヘアスタイルを選ぶと、より雰囲気になじんだ美しい姿になれます。

七五三の日本髪のスタイル選びは、その日の主役であるお子さまを最も美しく、そしてかわいく見せるための大切な要素となります。伝統的な和装の美しさを引き立てるヘアスタイルで、最高の一日を迎えてください。

〈参考記事〉
https://www.studio-alice.co.jp/shortcut/753_s/column/detail01.html
https://www.studio-alice.co.jp/shortcut/753_s/column/detail47.html
https://www.happilyphoto.jp/column/604703/
https://www.precieux-studio.com/column/shinnihongami-753-hairstyle/
https://www.studio-alice.co.jp/shortcut/753_s/column/detail87.html#:~:text=%E4%B8%83%E4%BA%94%E4%B8%89%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%A6%E9%AB%AA%E3%82%92%E4%BC%B8%E3%81%B0%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%81%93%E3%81%86&text=%E6%96%B0%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%AB%AA%E3%81%AF7%E6%AD%B3,%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%81%8F%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
https://m-soshakan.com/column/753hair-japanesehairmatome/

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ゆめや通信編集部

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この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
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監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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