長襦袢イメージ

【徹底解説】長襦袢の縫い方と衿の付け方のコツ!お手入れと注意点も

はじめに

日本の美しい伝統文化、その代表格とも言える「着物」。特に女性の日常や特別な日において、その美しさや格式を感じることができるアイテムです。その中でも、着物をきちんと着るための基盤となる「長襦袢」の役割や、その縫い方を知ることで、着物の楽しみ方や理解が深まるでしょう。

長襦袢の重要性と日々の暮らしの中での役割

着物をきれいに見せるためには、その下に着る「襦袢」が欠かせません。特に「長襦袢」は、着物の裏側を守りながら、きれいな形を保つ役目を果たします。

長襦袢の基本的な役割

  • 衿や袖の部分など、肌に直接触れる部分の摩擦から、着物の生地を守る
  • 着物の柄や色、生地の裏に直接肌が当たらないようにする。
  • 身体の形や動きに合わせて、快適に着ることができるようにする。

暑い時期には「単衣」、寒い季節には「」など、季節や用途に応じて長襦袢の素材や種類を選ぶことで、着物の美しさも際立ちます。また、長襦袢は単に着物の下に着るものとしてだけでなく、自宅でのくつろぎの時間や友人との集まりなど、さまざまな場面で利用されるケースも出てきています。

この記事で解説する、長襦袢とその縫い方についての概要

この記事では、長襦袢の基本的な構造から、その縫い方、特に衿や半衿、袖などの部分の仕立て方を中心に詳しく解説していきます。和裁の基本に基づく方法を中心に、以下のような内容を紹介していきます。

長襦袢の基本的な部分の解説

  • : 長襦袢の首元を形作る部分で、縫い方や形、寸法によって、その後の着付けや見た目が大きく変わります。
  • : 着物の特徴的な部分で、長襦袢の袖の形や縫い方は、外側の着物の袖と合わせることが必要です。
  • 身体部分: 身体を包み込む主要部分で、その形や縫い方、生地の選び方などがポイントとなります。

さらに、長襦袢を自分で仕立てる際の注意点や、最近のトレンドを取り入れた縫い方、関連する和裁の基本的なテクニックやツールについても、分かりやすく解説していきます。

長襦袢の基本知識

長襦袢とは: 基本の解説

長襦袢。この言葉を聞いて、皆さんはどんなイメージを思い浮かべますか? 長襦袢は、日本の伝統的な着物を着るときに欠かせないアイテムなのです。まずは長襦袢の魅力を紹介していきますね。

長襦袢は、着物の下に着るもので、着物自体とは異なる素材や柄の布を使用しています。この長襦袢は、生地が柔らかく、着物との摩擦を防ぎ、着物の摺れや汚れを防いでくれる役割があります。また、身体に直接触れる部分であるため、肌触りの良いものを選ぶことで、着心地の良さを追求することができます。

長襦袢には、元から付いている本衿(地衿)と後付けする半衿があり、これらが着物の見た目を美しくしてくれます。衿合わせの際に半衿が見えることで、全体のバランスが取れ、より華やかな印象になります。

さらに長襦袢は裾や袖の部分にも影響を与えます。袖を通す際に長襦袢の袖の形や幅に合わせて調整することで、袖口の見た目がきれいに整います。

そのほか長襦袢の役割としては、汗などを吸収し、着物を直接肌に触れさせないことで、着物の汚れや摩擦から保護する働きもあります。着物はデリケートな素材が多いので、このような保護がたいへん重要となってきます。

とはいえ、長襦袢を選ぶ際には、自分の体型や好み、そして何よりも着る着物との合わせかたが重要です。柄や色、生地の種類など、多くの要素を考慮して選ぶと、より着物を美しく見せることができます。

長襦袢の種類とそれぞれの特徴: 単衣、袷、胴抜きなど

長襦袢にもさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。ここでは主な種類を紹介し、その特徴や選び方について解説します。

  • 単衣
    単衣(ひとえ)は、夏に着るための薄手の長襦袢です。涼しい生地を使用していて、通気性が良いのが特徴です。夏の暑い時期には、単衣の長襦袢がおすすめです。

  • 袷(あわせ)は、冬に着られることの多い厚手の長襦袢です。内側と外側の2枚の生地を縫い合わせたもので、保温性が高いのが特徴です。寒い時期には袷の長襦袢を選ぶと良いでしょう。
  • 胴抜き
    胴抜きの長襦袢は、胴裏の部分がない特殊な形をしています。これにより、風通しが良くなり、涼しさを確保できます。袷の季節だけど暑いという日や、ちょっとしたお出かけに便利です。

これらの長襦袢の種類は、主に季節や気温に基づくものですが、自分の好みや着物の種類、場面に合わせて選ぶことが大切です。例えば、フォーマルな場では袷を、カジュアルな場では胴抜きや単衣を選ぶと、場面に合った長襦袢を楽しむことができます。

長襦袢選びの際は、生地の種類や柄、色なども考慮する必要があります。特に着物との相性を考えると、とりわけ色や柄が重要となってきます。同じ色の組み合わせや柄の相性を確認しながら選ぶことで、全体のバランスが整い、美しい着物姿を楽しむことができます。

このように、長襦袢は着物の魅力を引き立てるための大切なアイテムです。次の項目では、具体的な縫い方や仕立て方について詳しく解説していきます。

縫い方の準備

必要な道具と材料の説明

着物や長襦袢を仕立てるときに、どんな道具や材料が必要かご存じですか? 長襦袢を自分で仕立てるのは大変な作業かもしれませんが、しっかりとした準備をすることで、仕立てる過程も楽しく感じられますよ。

まず、基本的な道具としては以下のようなものが挙げられます。

  • : 着物や長襦袢の生地を縫うためのもの。種類や大きさは多様ですが、和裁に適したものを選びましょう。
  • : 生地を縫い合わせるのに、基本的には手縫い専用のものを使用します。色や太さを生地や用途に合わせて選ぶことが大切です。
  • はさみ: 生地をカットする際に利用します。鋭利なものを選び、定期的に手入れをすることが必要です。
  • 半衿: 長襦袢の衿部分に付ける布。衿の形を保ち、汚れを防ぐ役割があります。
  • 裏地: 長襦袢の内側に付ける布。着心地を良くするためや、生地を保護する役割があります。
  • 定規やマーカー: 生地をカットする際の寸法を取るため、また、縫い目を表示するために使用します。

次に、材料に関しては以下の点を考慮して選ぶことが推奨されます。

  • 生地: 長襦袢の主要な部分となる布。素材や色、柄によって、その後の縫い方や仕立て方が変わることも。
  • 裏地: 上述したように、長襦袢の内側に付けるもの。生地との相性を考えながら選ぶことが大切です。

このように、長襦袢を仕立てる際にはさまざまな道具や材料が必要となります。それぞれの役割や特性を理解して適切なものを選ぶことが、仕立て上げた後の仕上がりや着心地を良くする鍵となります。

適切な生地の選び方と用意方法

長襦袢を仕立てるための生地の選び方も、とても重要なポイントとなります。生地の選び方一つで、長襦袢の雰囲気や着心地、そしてその後の手入れ方法まで変わってしまうことも。

生地選びの際のポイントは以下のとおりです。

  • 季節に合わせて選ぶ: 夏用の長襦袢であれば、涼しげな色や柄、さらには薄手の生地を選ぶことがおすすめです。逆に冬用の場合は、暖かみのある色や柄、そして厚みのある生地が適しています。
  • 用途を考慮する: 普段使いする長襦袢であれば、シンプルな柄や色を選ぶことで、さまざまな着物との合わせやすさを持つことができます。特別な場に使用する予定がある場合は、華やかなものを選ぶのも良いでしょう。
  • 生地の品質を確認する: 長襦袢は着物の下に着るものなので、肌触りが良いものを選ぶことが大切です。生地の質や織り方をしっかりと確認しましょう。

生地を選んでから縫い始めるまでの間に、以下のステップがあります。

  • 生地のサイズを確認: 必要な寸法や幅を考慮して、生地のサイズを確認します。
  • 生地の洗い: 新しい生地は、一度洗ってから仕立てることが多いです。これは、縮みを防ぐためや、柔らかさを出す目的があります。
  • 裁断: 生地を適切なサイズに裁断することで、仕立てる準備を整えます。

生地の選び方と用意の方法をしっかりと把握することで、長襦袢を仕立てる際にも成功へ繋げることができるでしょう。適切なチョイスを行い、しっかりと手間をかけることで、自分だけの特別な長襦袢を仕立て上げることができますよ。

実際の縫い方の手順

縫い方にもさまざまなポイントや手順があります。特に、着物や長襦袢の縫い方は専門的な部分が多いため、初めての方でも分かりやすく理解できるように、詳しく解説していきます。

長襦袢本体の裁ち方

まずは長襦袢の本体となる部分から。基本的には「着物より少し短めの寸法が長襦袢の寸法」と認識しておくとイメージがしやすいでしょう。

用意するもの

  • 長襦袢用の布(絹でも化繊でも可)
  • 針と糸

手順

  1. 長襦袢は着物に合わせて作るため、まずは着物の寸法を測ります。
  2. 着物の寸法より少し短めが長襦袢寸法となります。具体的には下表を参考にしてください。
  3. 長襦袢用の布を選び、寸法に従ってカットしていきます。型紙を使う方、使わない方とおられるようです。
  4. 前身頃、後ろ身頃、袖などのパーツを丁寧に縫い合わせます。
部位袖丈袖巾裄丈肩巾身八ツ口
着物との差-5mm-5mm-5mm同寸+5mm

完成した本体をベースとして、後述する地衿や胴裏、裏地、半衿などを仕立てていきます。

地衿の付け方

長襦袢の印象を大きく左右するのが「地衿」の部分です。きちんとした地衿の付け方を知ることで、自分で長襦袢を仕立てる際の仕上がりがぐっと良くなります。

用意するもの

  • 地衿用の布
  • 針と糸

手順

  1. 地衿用の布を選びます。合わせる着物が決まっている場合は、着物の色や柄と合わせて選びましょう。半衿を縫い付ける場合は、地衿は見えなくなりますので、基本的な白にしておくとよいでしょう。
  2. 地衿の形に合わせて布をカットします。ここで、長さや幅に注意を払い、適切な寸法でカットすることが大切です。
  3. 地衿の中央部分に折り目をつけ、その線を基準にして両端を内側に折ります。
  4. 端を内側に折った後、細かく針を使って丁寧に縫います。
  5. 最後に、地衿を長襦袢の首元に合わせて縫い付けます。

地衿の付け方には、このようにシンプルな手順がありますが、縫い方や針の取り方に工夫をすることで、よりきれいに仕上げることができます。特に、地衿の部分は顔周りに近いため、縫い目が目立たないようにする工夫や、布の伸びを防ぐためのテクニックが役立ちます。

胴裏、裏地の処理方法

次に、胴裏の部分と裏地の処理方法について詳しく説明します。

用意するもの

  • 胴裏用の布
  • 裏地用の布
  • 針と糸

手順

  1. まず、胴裏用の布を選び、長襦袢の形に合わせてカットします。
  2. 胴裏の布を長襦袢の内側に合わせて配置し、位置を確認します。
  3. 針と糸を使って胴裏を縫い付けます。このとき、しっかりと縫い目を隠すように注意しながら縫うと良いでしょう。
  4. 次に、裏地用の布を選びます。こちらも胴裏と同様に、長襦袢の形に合わせてカットします。
  5. 裏地の布も胴裏同様に内側に配置し、位置を確認した上で縫い付けます。

長襦袢の裏地や胴裏は見えない部分ですが、仕立てる際の手間や技術が求められる部分でもあります。特に胴裏は長襦袢の形を保つ役割もあるため、しっかりとした縫い方が求められます。

半衿のつけ方とそのコツ

半衿は、着物を着る際に目立つ部分の一つです。半衿のつけ方やそのコツを知ることで、自分の手できれいに着物を仕立てることができます。

用意するもの

  • 半衿用の布
  • 針と糸

手順

  1. 半衿用の布を選び、長さや幅に注意しながらカットします。
  2. 半衿の形に合わせて布を折り、両端を縫い付けます。
  3. 着物の首元に合わせて半衿を配置し、針と糸を使って縫い付けます。

半衿のつけ方は、これだけですが、縫い方や布の選び方によって仕上がりが大きく変わります。縫い目が目立たないようにするコツや、布の伸びを防ぐためのテクニックなど、さまざまな工夫が求められる部分です。

なお半衿については、針と糸で縫うのが苦手という人向けの簡易的な方法として両面テープやピンを使う方法も用いられています。

ここまで、長襦袢の縫い方の基本的な手順を紹介しました。これらの手順をしっかりと覚えることで、自分の手で長襦袢を仕立てる楽しさや魅力を実感できるでしょう。

和装小物との関連性

着物を着る際には着物と帯だけでなく、多くの関連する小物や衣装が登場します。それぞれが着物の美しさを引き立て、全体のバランスや和の美を形成する要素として重要になってきます。ここでは特に長襦袢との関連性に焦点を当てて、帯や羽織などとの組み合わせのコツを紹介いたします。

長襦袢と帯の合わせ方

長襦袢は、着物の下に着るものとして知られています。帯との調和においては、背中の帯の結びの周りで、袖の振りや身八つ口から長襦袢の色や柄が少し覗き見えることで、総合的な和の美しさを表現する重要な役割を果たしています。

アンティークきものレンタル ゆめや は、大正時代から昭和初期にかけての着物をメインに取り扱うレンタルショップです。ここでゆめやのコーディネートを見てみましょう。

いかがでしょう? 袖の振りから長襦袢が見えているのが分かりますか? どちらも左袖から、左画像は白、右画像は赤い長襦袢が見えています。この色柄が、着物や帯としっくりと合うようにコーディネートする必要があるのです。

着用した着物をご紹介しておきますね。左側は「青磁色グラデーション辻が花の訪問着」です。久保田一竹作の訪問着です。正装の場合は白い長襦袢ですが、お食事や観劇などのお出掛けには、紫や紺色の長襦袢で粋にお召しになると良さそうですね。

右側は「たまご色に刺繍丸紋、鳳凰獅子の振袖」です。なんと総手刺繍の着物です。絵柄の全てが刺繍なのですよ。商品ページに拡大画像をご用意していますので、ぜひじっくりとご覧ください。長襦袢は、絵柄で一番多く使われていた赤を合わせました。華やかですね。ほかの色ですと、青や緑など、絵柄の色から選べば、きちんとまとまります。

帯は着物の中でも特に目立つ部分。そのため長襦袢と帯の合わせはとても重要です。以下に、基本的な合わせ方の一覧を示します。

  • 色のバランス: 長襦袢の色が明るい場合は、帯は落ち着いた色を選ぶとバランスがとれます。逆に、長襦袢が地味な色の場合は、帯を少し華やかにしても良いでしょう。
  • 柄の取り入れ: 帯に大きな柄がある場合は、長襦袢はシンプルなものを選ぶと全体がうるさくなりません。同じようなテーマの柄を選ぶことで、統一感を出すこともできます。
  • 季節感: 夏用の涼しい素材の長襦袢には、夏を感じさせる爽やかな色や柄の帯を合わせると、季節感が出ます。

帯と長襦袢の組み合わせは、自分の好みやその日の気分、また出かける場所やシチュエーションに応じて楽しむことができます。基本のルールを知っていれば、失敗することは少ないでしょう。ですが何よりも大切なのは、自分自身が気に入った組み合わせを見つけること。ぜひ一度、いろいろな組み合わせを試してみてくださいね。

ゆめやのレンタルでしたら、着物や帯にぴったりと合う長襦袢をコーディネートさせていただきます。ご自分で長襦袢を確認なさりたいようでしたら、どうぞ店舗での試着をお試しくださいね。

羽織やコートとの組み合わせ時の注意点

羽織やコートは、寒い時期や少しフォーマルな場面で着物に加えたいアイテムです。これらに関しても、長襦袢との組み合わせが気になる方も多いでしょう。

  • 羽織の選び方: 羽織は通常着物の上から着るものなので、長襦袢との直接的な色や柄の組み合わせは気にする必要はありません。ですが、羽織の中に見える長襦袢の衿部分や袖口が全体の印象を左右することがあります。例えば、白い長襦袢の衿がきれいに見えるような羽織の色を選ぶと、清潔感が増します。
  • コートの場合: 外出時に着物の上からコートを着る場合は、コートの色やデザインが着物や帯、長襦袢と調和するように気を付けると良いでしょう。特にコートの内側の裏地が長襦袢とマッチすると、全体の和の印象がより高まります。

羽織やコートを着る時は必ず帯をきちんと締めてから、というのは基本中の基本。しっかりとした帯の締め方で美しい着物のシルエットを保ちつつ、羽織やコートを上手に組み合わせることで、和装の魅力をさらに引き立てることができます。

和装の楽しみは無限大。小物やアイテムの組み合わせで、さまざまな表情やスタイルを楽しむことができます。自分らしい和装のスタイルを追求して、日常の中に和の美を取り入れてみてくださいね。

長襦袢のお手入れと注意点

着物や長襦袢を大切に使い続けるためには、日々のお手入れがとても大切です。特に長襦袢は着物の下に着るものなので、汗や汚れが直接つきやすい部分です。そんな長襦袢のお手入れの方法や注意点を、この項目でご紹介します。

汚れや傷みの予防と取り扱い方

長襦袢は、生地や縫い目、衿や袖などさまざまな部位があります。そのため、お手入れの方法も部分ごとに異なります。

  • 衿の部分: 衿は顔や首からの汗や皮脂が直接付着しやすい部分です。汚れたら部分的に軽く水で濡らし、柔らかい布で優しく拭き取ることがおすすめです。また、衿の部分は半衿を後付けすることができるので、汚れやすい方は半衿を利用して、定期的に取り替えるなどしても良いでしょう。
  • 袖や裾の部分: 袖や裾はものに触れやすいため、こちらも汚れやすい部分です。汚れた場合は、柔らかいブラシで優しく汚れを落とすなどがおすすめです。
  • 背縫いや肩の部分: 背縫いや肩の部分は、特に汗を吸収しやすい部分です。長襦袢を陰干しする際は、風通しの良い場所でしっかりと乾かすことで臭いや湿気を防ぐことができます。

長襦袢を着る際や脱ぐ際には、無理に引っ張ったり、強く摩擦を与えたりしないように注意が必要です。生地が傷ついたり、縫い目が解ける原因となるからです。

修理や付け替え時のポイント

長襦袢は、着物の下に着るものであるため、着用時のストレスや摩擦により、破れや傷みが生じることがあります。そんな時には、修理や付け替えが必要になります。

  • 半衿の付け替え: 前述したように、衿は汚れやすい部分です。半衿は自分で付け替えることができます。新しい半衿を選ぶ際には、自分の好みの柄や色を選ぶのも楽しいですね。
  • 袖や裾の修理: 袖や裾が破れた場合は、同じ生地で縫い合わせる方法や、裏地を利用して補強する方法などがあります。専門の仕立て屋さんに相談するのがベストかもしれません。
  • 背縫いや肩の部分の修理: 背縫いや肩の部分が傷んだ場合は、同じ生地や似た色・柄の生地を用意して、縫い合わせることで修理することが可能です。ですが、こちらも専門の仕立て屋さんに依頼するのが安心です。

長襦袢を長く大切に使い続けるためには、日々のお手入れや適切な修理が大切です。そして、それを支えるのは、自分の手で行う小さなケアや、専門家の技術です。長襦袢をきれいに保ちながら長く愛用することで、より一層着物ライフを楽しむことができるでしょう。

まとめ

長襦袢の縫い方の要点を再確認

着物を着る際の基本となる「長襦袢」。美しい着物姿を作る基盤が整います。この記事を通して紹介してきた長襦袢の縫い方を、ここで一度、要点を押さえておさらいしましょう。

  • 基本の形: 長襦袢の基本形は、前と背の部分、袖の部分があります。この三つの部分を合わせて仕立て上げます。
  • 素材の選び方: 長襦袢の生地選びは大切です。夏用のものには涼しい素材を、冬用には裏地が付いた暖かいものを選びましょう。
  • 縫い方: 基本的な部分を縫い合わせる際は、背縫いや袖の縫い方など、特有の方法を取り入れて作り上げます。また、衿や半衿の部分にも注意が必要です。
  • 寸法の取り方: 和裁においては、寸法の取り方が大切です。自分の体に合わせて適切な寸法を確認してから仕立てることで、長襦袢が体にフィットします。
  • 注意点: 袖や裾の部分、背の部分など、縫い方によっては形が崩れやすい箇所もあります。こういった部分は特に注意しながら縫い進めることが大切です。

以上のポイントに留意しながら、着物に合わせた長襦袢を仕立て上げることで、さらに美しい着物姿を楽しむことができます。

長襦袢を楽しむための心構え

着物を楽しむための縁の下の力持ちとも言える「長襦袢」。ただ着用するだけではなく、長襦袢の持つ魅力や役割を理解して、長襦袢に対する関心を持つことも大切かもしれません。

長襦袢は、着物の下に着るものとしてその存在が隠れがちですが、この一枚が着物のシルエットを整え、身体を包み込んでくれます。そんな長襦袢の大切さを理解し、愛情を持って取り扱うことで、その魅力を最大限に引き出すことができます。

また長襦袢の持つ色や柄、生地の質感など、細かな部分にも目を向けてみることで、発見も増えることでしょう。さらに自分自身で仕立て上げることで、自分の体型や好みに合わせてカスタマイズすることができるため、一つ一つがより特別なものとなります。

着物と同じように長襦袢も大切に取り扱い、適切なお手入れをすることで長く美しい状態を保つことができます。それらを通して、日本の伝統や文化、技法を身近に感じることができます。

長襦袢を着ること、仕立てること、そしてその魅力を深く理解することで、日本の伝統文化である着物をより深く、より豊かに楽しむことができるのです。この記事を通して、長襦袢の魅力や仕立て方、そして心構えなどを学び、日本の美しい伝統文化を身近に感じていただければ幸いです。

〈参考記事〉
https://kimonoomohi.com/accessories/han-eri/
https://kimonoshitatesousou.com/?p=5701

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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