手描き友禅春秋柄の淡い花浅葱色の訪問着【hou07】

【着物のプロ監修】結婚式の参列に!和装のレンタル完全ガイド

はじめに

皆さんは、結婚式にお呼ばれしたときに、和装と洋装のどちらで参列したいとお考えでしょうか。

ドレスなどの洋装と違って、和装はマナーや着付けが難しそうと敬遠される方も多いかもしれません。

しかし、日本の伝統的な衣装である着物は、その美しさと格式高さで、結婚式という一生に一度の大切な日に華を添えてくれるので、ぜひ選択肢に入れていただきたい衣装です。

とはいえ、着物や和装に詳しくない方にとっては、どのような着物を選べば良いのか、またレンタルする際の流れが分からないということも多いでしょう。

そこで、この記事では、結婚式に参列する際に着ていく和装について、着物の種類から選び方、レンタルの流れ、着付けや小物選びまで、初めての方でも安心して和装を楽しめるように、わかりやすく解説していきます。

特に、未婚女性が選ぶべき振袖や既婚女性におすすめの留袖、結婚式の立場に応じた和装の選び方など、参列者として知っておきたい情報満載でお届けします。

結婚式参列者のための和装の選び方

結婚式をより華やかに彩ってくれる和装ですが、その選び方やレンタルの利用方法に不慣れな方も多いでしょう。

この章では、結婚式に参列する方向けの着物の選び方について、詳しく解説します。

色と柄の選び方: 結婚式の場にふさわしい和装

結婚式に着ていく和装を選ぶときに最初に確認しておきたいのは、色と柄です。特に、未婚女性は明るい色の振袖を選ぶことが一般的(ただし、新婦より目立たないこと)ですが、既婚女性の場合は控えめな色の留袖が適しています。

色選びでは、結婚式の雰囲気に合わせて、落ち着いた色合いのものを選ぶことがマナーとされています。柄に関しては、菊や牡丹などの吉祥柄が好まれますが、派手過ぎず、かつ格式を感じさせるデザインを選ぶことが重要です。

また、親族として参列する場合は、五つ紋の付いたフォーマルな着物を選ぶことが望ましいです。この際、自身の立場や式の場にふさわしい装いを心がけることで、新郎新婦への敬意を表現することができます。

色や柄選びに迷った場合は、レンタル店舗のスタッフに相談するのも一つの方法です。彼らはプロの視点から、あなたに最適な和装を提案してくれるでしょう。

ここで、ゆめやで取り扱っているお着物のレンタルセットから、ご友人の結婚式の参列にもおすすめの、「手描き友禅春秋柄の淡い花浅葱色の訪問着」をご紹介します。

こちらは、さまざまな花が手描きされた現代物の手描き友禅の訪問着です。丈も裄も現代のサイズに合わせてゆめやで仕立てました。帯は、七宝柄のおめでたい袋帯を合わせました。青海波や菱紋が織り込まれたベージュ地に、オレンジや緑などの七宝紋様が浮き出ており、おめでたさを象徴しています。

結婚式参列者の立場と和装選び

結婚式に参列する際の和装の選び方は、親族や友人としての立場によって異なり、明確なルールとマナーがあります。

ここでは、結婚式における和装の選び方について、親族と友人の立場からそれぞれ解説します。知らずに恥をかいてしまわないように、しっかり確認しておきましょう。

親族としての和装: 留袖と色留袖の選び方

結婚式において、親族女性が選ぶべき和装は、基本的には留袖です。留袖は、既婚女性のフォーマルな和装であり、結婚式などの正式な場にふさわしい装いとされています。

留袖には、黒留袖と色留袖の二種類があります。黒留袖は既婚女性が着用する礼装の中で最高の格を持つ和装で、新郎新婦の母親の衣装として選ばれることが多いです。黒留袖は、背景が黒色で、裾に向かって豪華な絵羽模様が描かれているのが特徴です。柄は、鶴や松、波など吉祥を象徴するものが多く、結婚式にふさわしい祝福の意味を込めています。

色留袖は、黒留袖に比べて地色がカラフルで、こちらも黒留袖同様、裾に向かって見事な絵羽模様が入っていることが特徴です。色留袖は、黒留袖に次ぐ格の高い礼装で、五つ紋が付き比翼仕立てであれば黒留袖と同格となるため、既婚の親族女性だけでなく、母親の着用も可能です。

友人としての和装: 振袖や訪問着の選び方

結婚式に友人として参列する場合、和装の選択肢は幅広くあります。ただし、未婚・既婚の区別によって選べる和装の種類に制限があることを確認しておきましょう。

未婚女性の場合は、華やかな振袖を選ぶことができます。振袖は、袖が長く、色鮮やかで豪華な柄が特徴の和装で、若々しさと華やかさを演出することができます。

結婚式のようなフォーマルお祝いの場にふさわしい装いとして、多くの未婚女性に選ばれています。ただし、結婚式の主役はあくまで新郎新婦なので、新婦の衣装よりも派手なものを選ぶことのないよう注意しましょう。

既婚女性の場合、または振袖よりも控えめな装いで参列したいという場合は、訪問着が適しています。

訪問着は、フォーマルな場にも比較的カジュアル寄りな場にも対応できる万能な和装で、落ち着いた色合いに上品な柄が特徴です。

結婚式の参列者として、格式をわきまえつつも洗練された装いをしたい場合におすすめです。

友人として和装を選ぶ際は、結婚式の雰囲気や新郎新婦との関係を考慮して、適切な和装を選ぶことが最も大切です。

ここで、ゆめやで取り扱っているお着物のレンタルセットから、未婚の方が結婚式に参列する際おすすめの、「ピンクベージュに貝合わせの小振袖」をご紹介します。

こちらは、大正時代から昭和にかけてのアンティーク小振袖です。ピンクベージュ色の地に、春秋柄の牡丹、菊、桐などが描かれ、貝合わせの蛤の中にも、草花や古典紋様が描かれています。

縁には金糸、銀糸で手刺繍が施してあり、たいへんおめでたい小振袖です。帯は、手間のかかる見事な相良刺繍で、草花が描いてあります。

着付けと小物選び

ここまでの解説で、結婚式に参列する際の和装の選び方はお分かりいただけたかと思います。

しかし、着物を美しく着こなすためには、正しい着付けと小物選びが欠かせません。

着物の魅力を最大限に引き出し、式場での立ち振る舞いに自信を持つためにも、着付けサービスの利用と適切な小物の選び方を知っておくことが大切です。

着物レンタル時の着付けサービスの利用

着物をレンタルする際、多くの店舗では着付けサービスを提供しています。特に着物に慣れていない方や、結婚式という大切な日に最高の和の装いで臨みたいという方には、プロの手による着付けは非常に価値があります

着付けサービスを利用するメリットは、時間を有効に使えること、着崩れの心配が少ないこと、そして何よりも美しい着姿を実現できることです。着付けサービスを選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。

  • サービスの内容: 着付けだけでなく、ヘアセットやメイクも含まれているか。
  • 料金: 着付けサービスの料金が着物のレンタル料金に含まれているか、別途必要か。
  • 所要時間: 着付けにどれくらいの時間がかかるか。
  • スタッフの経験: 着付けを行うスタッフの経験や資格。

これらのポイントを前もって店舗に確認し、当日のスケジュールに余裕を持って予約することが重要です。また、着付けの流れや必要なものがあれば、事前に準備しておくとスムーズです。

和装小物で格を上げる: 足袋や草履、帯締めの選び方

和装を引き立てる小物選びは、着物姿をより一層美しく見せるために欠かせません。

特に足袋や草履、帯締めは、和装の印象を大きく左右するアイテムです。これらの小物を選ぶ際は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 足袋: 足袋は和装の基本。清潔感のある白い足袋を選び、サイズは足にぴったり合うものを選びましょう。一般的に、結婚式などのフォーマルな場では、五枚こはぜの足袋が適しているといわれます。
  • 草履: 草履は着物の色や柄、季節に合わせて選びます。結婚式に参列する場合は、高級感のある金や銀の装飾が施されたものが好まれます。また、履き心地も重要なので、事前に試着しておくと良いでしょう。
  • 帯締め: 帯締めは着物の色に合わせて選びますが、アクセントとして異なる色を選ぶのも一つの方法です。結婚式などのフォーマルな場では、シルクなどの高級素材を選び、華やかさを演出してみても良いでしょう。

これらの小物を選ぶ際は、式のスタイルや新婦の衣装、着用する着物の装いなど、全体のバランスを考え、調和を意識することが大切です。また、レンタル店舗ではスタッフが適切なアドバイスをしてくれるので、不安な点は相談してみると良いでしょう。

着物をレンタルする際の基礎知識

ここまでで、結婚式に参列するときに着る着物や小物、着付けに関する内容はお分かりいただけたかと思います。

ただ、着物をレンタルするのが初めてという方は、レンタルについていろいろと不安や疑問を持つことも多いのではないでしょうか。

そこでここでは、着物をレンタルするときに知っておきたい基礎的な知識をご紹介します。一つ一つ確認しながら疑問や不安を解消していってください。

レンタルを選ぶメリット: コスパと便利さ

着物のレンタルサービスを利用する最大のメリットは、コストパフォーマンスと便利さにあります。

特に結婚式などのフォーマルな場では、適切な和装を身にまとうことが求められることも多いですが、購入するとなると高額な出費が必要です。また、振袖や留袖など、種類によって適した場が異なり、一度のイベントのためだけに購入するのは効率の良い選択とはいえません

そこで、レンタルサービスを利用することで、以下のようなメリットがあります。

  • コストパフォーマンス: 高品質な和装を、購入するよりもはるかに低いコストで着用できます。
  • 豊富な選択肢: 留袖、振袖、訪問着など、さまざまな種類やデザインから選べます。特に大きいサイズや小さいサイズ、未婚女性用、既婚女性用といった幅広いニーズに対応しています。
  • フルセットレンタル: 着物だけでなく、帯、草履、バッグなどの小物もセットでレンタルできるため、統一感のある装いをお手軽に楽しむことが可能です。
  • 準備と後処理の手間が省ける: 一般的に、着付けやクリーニングはレンタル店舗が行ってくれるため、準備や後片付けの手間が省けます。

レンタル着物のサイズ選びのコツ

着物をレンタルする際、サイズ選びは非常に重要です。着物は西洋服と異なり、サイズ表記が一律ではありません。

基本的には身長と体型に合わせて選びますが、レンタル店によっては「小さい」「普通」「大きめ」といった表記で区分されていることもあります。適切なサイズの着物を選ぶためには、事前に自分の身長や体型を正確に知っておくことが大切です。

また、着物は帯で調整することができるため、多少のサイズ違いは調整可能です。しかし、あまりにもサイズが合わないと着姿が美しくなくなるため、レンタルする前に試着をすることをおすすめします。特に、結婚式などの大切な場では、事前に下見や試着をしておくことで、当日の着心地や見た目に自信を持つことができます。

レンタルサービス利用時の注意点

和装のレンタルサービスをスムーズに利用するためには、いくつかの注意点があります。特にレンタル期間と返却に関するルールは、事前にしっかりと確認しておく必要があります。

  • 予約のタイミング: 人気のある時期やデザインは早くから予約が埋まることがあります。特に結婚式シーズンは需要が高まるため、早めの予約が推奨されます。
  • サイズの確認: レンタルする前に、身長や体型に合ったサイズがあるかを確認しましょう。可能であれば、事前に試着を行うことが望ましいです。
  • 返却期限と遅延料金: レンタル期間を超えて返却すると、追加料金が発生する場合があります。返却期限はしっかりと守りましょう
  • 損害や汚損について: 万が一、着用中に汚損や損害が生じた場合のルールを事前に確認しておきましょう。多くの店舗では、通常の使用範囲内であれば問題ないとしていますが、明らかな破損や汚損には修理費用が発生することがあります。事前に利用規約を確認しておきましょう。

レンタルサービスは、結婚式に参列する際に美しく、かつ経済的に和装を楽しむ素晴らしい方法です。レンタルのメリットを最大限に活かし、注意点を守ることで、特別な日をさらに彩ることができるでしょう。

まとめ

本記事では、結婚式に参列するときの着物選びのポイント、着付けや小物選びのアドバイスからレンタルサービス利用の基礎知識まで、幅広くご紹介しました。

結婚式に着ていく和装を選ぶ際には、まずは自分の立場や式の格式を考慮し、留袖、振袖、訪問着など、場にふさわしい種類を選ぶことが重要です。色や柄の選び方も、結婚式の雰囲気に合わせて、控えめでありながら格式高いものを選ぶと良いでしょう。

また、着付けや小物選びにも注意を払いましょう。特に、着付けはプロの手に委ねることで、美しく、そして快適に過ごすことができます。小物一つひとつにもこだわり、全体のバランスを考えることで、より印象的な装いを完成させることができます。

レンタルサービスを利用する場合は、サイズやセット内容、レンタル料金など、細かな条件も事前に確認しておくことが大切です。

この記事が、和装のレンタル利用を検討されている方々の一助となり、結婚式での和装選びに関する不安を解消し、より一層その日を楽しむための知識となれば幸いです。

和装での結婚式への参列は、きっと忘れられない思い出となるはずです。事前の準備と知識をもって、この特別な日を最大限に楽しんでください。

〈参考記事〉
https://www.niwaka.com/ksm/radio/wedding/clothes/dress-for-guest/01/
https://www.mwed.jp/articles/11335/
https://kimono-rentalier.jp/column/houmongi/wedding-oyobare-kimono-houmongi/
https://www.niwaka.com/ksm/radio/wedding/clothes/kimono/02/
https://www.niwaka.com/ksm/radio/wedding/clothes/kimono/04/
https://www.hareginomarusho.co.jp/contents/kimono/892/

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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