お宮参りの服装選びのヒント~赤ちゃん、父母、祖父母

お宮参りの服装選びのヒント~赤ちゃん、父母、祖父母

お宮参りのしきたりと服装

赤ちゃんが初めてお出かけをしてのお祝いごとが「お宮参り」。
赤ちゃんはもちろんのこと、ご両親あるいはご祖父母様としてはじめての機会となる方も少なくないことと存じます。何をしたらいいのか、何を着ていったらいいのか、考えたり迷ったりした時に、少しでも参考にしていただければ幸いです。

お宮参りでは、赤ちゃんは「晴れ着」を着るものとされてきました。「晴れ着」はその名の通り「ハレ」の日に着るものです。「ハレ」とは古来よりさまざまな節目の日を、一方「ケ」は仕事に励む日常の日々をあらわしています。「ハレ」は生活に区切りを与える、いつもとは違った特別な日。では、お宮参りはどんな「ハレ」の日なのでしょう。

お宮参りとはどんなもの? どこに行ったらいい?

日本古来、農耕が盛んになってからは、自分たちの産まれた地を守ってくれる「産土神(氏神様)」が祀られるようになりました。もともとは、その「産土神」に赤ちゃんの無事な誕生を感謝し、地域の氏子として認めて頂くための儀礼が「産土神詣り」、つまり「お宮参り」です。赤ちゃんの「地域社会デビューの日」と言えるかもしれません。

古くからのならわしとしては、母親方の実家から贈られた産着を掛け、父親方の祖母が赤ちゃんを抱いてお詣りします。これは出産後の母親への忌みの考え方と、産後の体調を気遣ったものと言われています。そしてご祈祷の後、お札やお守りを受け取ります。その後写真を撮ったりお食事をされたりするのも一般的です。父方・母方両家のご祖父母様が参列されることも多くなっています。

しかし現在では、ご両親のご実家と赤ちゃんの住まいが離れていたり、さまざまな縁や立地や知名度などから希望があったりといった理由で、東京都内の有名な神社なども含め、お住まいの近くの神社以外でお宮参りをされるご家族も増えているそうです。

場所・参列者・祈祷やその他行事の有無は、服装選びにも影響します。
産まれてからでは、ご両親はとにかく忙しくなりますので、産前に両家交えてご相談しておくことをおすすめいたします。

お宮参りにはいつ行けばいい?

地域によってしきたりは異なりますが、男女ともに生後一か月程度でお詣りするものとされています。ただ、四季の変化が大きい日本では、地域によって真夏や真冬などお詣りが体調にさわる季節もあります。また近年では新型コロナウィルス感染拡大時のように、行動・接触制限のため、予定した行事が行えないということもありました。現在では赤ちゃんやお母さん、そして祖父母様の体調やご都合をいちばんに時期を決めることが多いようです。

調べた中では、生後6ヶ月くらいまでを「お宮参り」としてくださるといった神社もございました。また、新型コロナウィルス感染防止の考え方から、お札を郵送対応してくださるところもあるそうです。時期や方法についても無理はせず、お詣りする神社と相談してみるのもよいでしょう。

お宮参りの服装選び(赤ちゃんの着物)

赤ちゃんの正装「産着」

お宮参りの主役は赤ちゃん。赤ちゃんにどんな晴れ着を選ぶかで、その他の参列者の服装も決まってきます。ご両家の祖父母様が参列される場合は、事前に格や考え方を合わせておくことも大切です。

古くからの正式な晴れ着は「産着」という伝統的なお祝い用の着物で、「のしめ」「掛着」などとも呼ばれます。お詣りの際に抱っこされた赤ちゃんの上から掛け、肩先で紐を結びます。色柄は力強く勇壮なものや華やかな花柄など、お子様の成長への願いがこめられたものとなっています。

正式には「産着」の下に「白羽二重」という絹の内着を着るのですが、現在では下はベビードレスにしたり季節によっては肌着だけといった形で、赤ちゃんにとって負担にならないように選ぶことも多いようです。

赤ちゃんにも正絹の着物をおすすめする理由

赤ちゃんへの負担という意味では、生地選びもポイントです。ゆめやでご用意いたしております「産着」はすべて正絹の着物です。正絹とは絹100%で織った生地のことを指します。わたしたちが選ぶ理由は何よりその肌ざわりと着心地のやさしさからです。

ご承知のように絹は蚕の繭から取り出される天然素材で、人の肌と同じくたんぱく質からできています。肌になじみ、不要な刺激を与えることもなく静電気の心配もありません。また、軽量でありながら通気性や保温性にもすぐれているので、敏感な赤ちゃんの肌を快適な状態に保ってくれます。

そうはいっても、正絹の着物はもちろん高価なものが多くなります。古来は、産着は母親側の実家で用意するのがならわしでしたが、今は特に決まりはありません。ゆめやのようなレンタルを利用される方も多くなっています。

産着は購入かレンタルか

近年は化学繊維を用いた華やかな産着も多く販売されています。ご自宅で保管する場合はお手入れの気づかいも少なく、お値段も手頃で色柄も豊富です。ご購入の選択肢として検討されている方も多いことと思います。

では購入とレンタルではどちらがよいのでしょうか。わたしたちゆめやはアンティーク着物レンタルのお店ですが、どちらにも良し悪しはございます。下に整理して比べてみました。

メリットデメリット
購入
  • お直しをすれば三歳位まで使える
  • 人に譲ったり販売したりできる
  • 家紋などオリジナル柄が作れる
  • 保管場所とお手入れ知識が必要
  • 写真に写る姿が何年か同じ
  • 価格差が大。高品質なものは高価
  • レンタル
  • 購入に比べて費用を抑えられる
  • 必要な時に好きなものを選べる
  • お手入れの心配や保管場所不要
  • 環境にやさしい消費スタイル
  • 色柄の選べる範囲に制限がある
  • 知らない人が着たものは嫌
  • レンタル期間以外には使えない
  • メリットデメリット
    ゆめや
  • 高品質な手刺繍手描き
  • 現代物にはない色使い大人用着物からの仕立直し
  • 正絹100%で赤ちゃんの肌にも安心でで赤ちゃんの肌にも安心
  • 経験豊富なスタッフに相談できる
  • すべて大量生産できないない1点物のため、レンタル期間が限られる可能性(他にレンタルが入っている場合)
  • ゆめやのアンティーク着物レンタルは、大正・昭和の時代につくられた着物が主です。
    職人たちがひとつひとつ気が遠くなるような細かい手仕事を重ねて描かれてきた手刺繍や手描きの文様は、今では費用をかけたとしても作り上げることが難しいです。

    受け継がれ大切に保管されてきた正絹の上質な肌ざわりや高級感のある輝きや、繊細で重厚な手刺繍や手描きの文様の質感の違いは、「ハレ」のお出かけの大切な時間に非日常感を与えて、さらに特別な日に演出してくれるものと思います。新型コロナウイルス感染防止などの理由で、赤ちゃんとご両親のみの参列となった場合も、ぜひご祖父母様から願いをこめて特別な晴れ着を手配してあげてください。

    お宮参り服装選び(父親・母親・祖父母)

    前章でも申し上げた通り、お宮参りの主役は赤ちゃんです。例えば赤ちゃんが白羽二重の上に産着を掛けたとしたら、抱いてお詣りをする大人も女性であれば訪問着などの正装がふさわしい姿となります。お父様も羽織姿で一緒に特別な日を過ごされるのも素敵ですね。

    しきたりに則って、ご祖母様が赤ちゃんを抱いてお詣りする場合は、ご祖母様が赤ちゃんの晴れ着と同等またはやや格を落とした服装に合わせることが必要です。その際お母様は体調などにも無理がないようにと、ワンピースなどの洋装で参列することもよく見受けられます。会場までちょっと距離がある場合もなおさらです。

    この場合気をつけたいのは、母方のご祖父母様も一緒にお宮参りに参列される場合。父方・母方で極端な格の差が出てしまうことは望ましくないので、事前にすりあわせて置く方が安心でしょう。ちなみに、ご祖父様については父方母方問わず、どんな場合でもスーツを選ばれる方が比較的多いようです。

    ご祖母様の着物は訪問着

    特にご祖母様の中には、自分の着物を持っているのでそれで参列、と考えている方もいらっしゃるかもしれません。その場合もやはり「格」に注意が必要です。
    結婚式などで着られる「黒留袖」は最も格式の高い第一礼装。色留袖もそれに並びます。

    お宮参りは第一礼装の着物を着る場ではないため、赤ちゃんやお母さんを通り越して、ご祖母様だけが第一礼装、というのもバランスがよくありません。訪問着と袋帯あたりがお着物の選び方としては一般的です。

    もし訪問着をお持ちでなかったり、色柄などが合わずに迷うようでしたら、赤ちゃんの着物とあわせてレンタルでのご用意も可能です。スタッフまでお気軽にご相談ください。

     

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    ゆめや通信編集部

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    この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
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    監修者 田村芳子

    「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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