水辺に咲くアヤメと貝桶の黒留袖【tom09】

【完全版】黒留袖の柄選び|格の高い柄6選 & 年代別おすすめの柄をご紹介!

留袖は日本の伝統的な礼装として、結婚式や格式のある席において既婚の女性が着用する着物です。中でも「黒留袖」は地色が黒のものを指し、女性の第一礼装になります。そのため、結婚式で花婿花嫁の親族が着用することが多いです。

黒留袖の最大の特徴は、染め抜きの五つ紋縫い目をまたがって広がった裾の華やかな柄です。柄も格式の高いものが多く、総じて重厚感があります。黒留袖には格の高い柄がさまざまありますが、年代や席の雰囲気に合わせた柄を選ぶことが大切です。

この記事を読むことで、黒留袖についての知識や、結婚式などフォーマルな場にふさわしい格の高い柄のことを知り、その場に合わせた適切な黒留袖を選ぶことができます。留袖の歴史や着物の中での黒留袖の位置付けについてなども解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

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黒留袖の基本知識|歴史的背景と”柄の格”を知ろう

まず留袖の基本について、その歴史や格について触れていきたいと思います。

留袖の歴史:由来と変遷

日本の民族衣装である着物の一つである「留袖」は、江戸時代に誕生しました。振袖の長い振八つ口を18歳くらいになると縫い留める習慣があったようで、それが留袖の始まりと言われています。当初は普段着だったようですが、その後、西洋のブラックフォーマルの影響を受けて、19世紀の初め頃に、現在の黒地に五つ紋と江戸褄模様という形が完成し、既婚女性の第一礼装として定着しました。江戸褄模様とは、着物の裾にのみ絵柄が付けられた着物で、江戸時代に流行ったことから江戸褄模様と名付けられています。

留袖の中には黒以外のものもあり、これらをまとめて色留袖と呼びます。当初は黒留袖が多く着られていたようですが、宮中で徐々に色留袖が増えていくに連れて、色留袖が庶民にも普及したようです。裾だけに絵羽柄という点は黒留袖と同様ですが、色留袖は一つ紋、三つ紋、五つ紋と紋の数で格が変わる着物です。五つ紋は黒留袖に匹敵し、現在でも褒章式などで宮中に招かれる際は、五つ紋の色留袖が指示されます。

正式には染め抜き日向紋といい、最も格が高い着物です。五つ紋とは背紋、袖紋2つ、抱紋2つの、合計5つが入り、それぞれに意味があります。背紋は先祖、袖紋は兄弟姉妹、親戚など、抱紋は親御さんを指していて、それぞれに対する感謝や祈りの思いが込められています。

また留袖の下には白い着物を重ねて着る習慣があり、祝いを重ねるという意味があったようです。ですが、年々簡略化され、二枚重ねで着ているように仕立てる比翼仕立てが今は一般的です。

このように、留袖には日本の美意識や願いが込められているのです。

格の違い:柄の選び方の基本

留袖を選ぶ際に大切なのが、その「格」を理解すること。格とはいわゆるTPOのことで、ふさわしいシーンでの着用を決める基準とも考えられます。

結婚式で考えてみましょう。花嫁さまは振袖や打掛を着ますが、花嫁花婿のお母さまは黒留袖が一般的です。お祖母さまや、花嫁花婿の兄弟姉妹さまが既婚の場合も黒留袖が選択肢に入ります。そして、仲人夫人も黒留袖をお召しになるでしょう。

では、従兄弟や叔母などよりも遠縁の親戚や、新郎新婦さまの友人は、黒留袖をお召しにならないほうがよろしいでしょう。なぜなら格の考え方は、主役を頂点としたピラミッドのような構造だからです。主役が頂点なら次は近親者と仲人、続いて遠い親戚、そして友人知人と続きます。ですから、新郎新婦さまの友人がお母さまと並んで黒留袖を着ることは失礼に当たります。

もう一点、着物は年齢や立場も考慮して着用することが基本です。自分よりも年齢が上の方と比べて、着物の格が上すぎるのも嫌がられます。そもそも着物自体にも年齢があり、年齢に合わない着物を着ることも違和感になります。同じ黒留袖でも、柄が明るい華やかなものや、比較的裾の上の方まで絵柄があるものは若い方向けで、金や銀が表立つ重厚な柄や地味な色合いの絵柄はある程度お年を召した方が似合います。

他の着物と違い黒留袖は五つ紋が絶対なため、格の違いは柄で変わります。一番格が高いのは古典柄です。古典柄には四君子文様、有職文様、吉祥文様、慶長文様、寛文模様、元禄模様があります。

こうやって考えると着物って面倒だなと思われるかもしれませんが、日本人らしい気遣いの文化ですので、あちらこちらに配慮が必要であることも、着物の魅力かと思います。

ちなみに、黒留袖は結婚式でしか見かけないように感じられるかもしれませんが、第一礼装ですので、表彰式や記念式典などの改まった場であれば着用していただけます。式自体の格式や、出席なさる方の立場を考えて、黒留袖がふさわしいかどうかを判断しましょう。

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着物における留袖の位置づけ|他の着物との違いとは?

留袖のことをより深く知るために、他の種類の着物との関係について詳しくお話しします。

留袖と訪問着、違いとは?

留袖と訪問着、両方とも格式のある着物として知られていますが、実際にはどんな違いがあるのでしょうか。

ゆめやの黒留袖から、「桐、桔梗と鳳凰の黒留袖」を見てみましょう。しっかりと五つ紋が入っています。正絹の錦紗縮緬に、鳳凰・桐・桔梗が手描き・手刺繍された、友禅の五つ紋付きアンティーク黒留袖です。絵柄の面積が広いのでお若い方向けでもありますし、古典柄ということで年配の方にもお似合いの黒留袖です。

留袖は既婚の女性の第一礼装で、特徴は裾の江戸褄模様です。一方、訪問着は準礼装にあたり、裾の江戸褄模様だけでなく、上半身にも柄が入る額縁という柄の付け方が特徴です。紋は三つ紋まで入れられ、親族として結婚式に参加する際にも着用されます。紋を入れなければ、おしゃれ着として観劇などにもお召しいただけます。

一つ紋付の訪問着をご紹介しましょう。「アイボリーに大きな鈴と草花の一つ紋付訪問着」は、アイボリー色の正絹に、鈴の絵が手描き・手刺繍で描かれたレトロな訪問着です。一つ紋が入っていますので、紋無しの訪問着よりも格が上になり、新郎新婦さまのご姉妹さまにふさわしい着物となります。

着物の種類:留袖の位置づけ

留袖、訪問着を含めて格の順番をまとめてみましょう。

  • 留袖は、黒留袖と色留袖と二種類があり、色留袖は紋の数で格が違ってきますが、黒留袖は既婚女性の第一礼装です。
  • 色無地は、紋の有無と地紋の有無により格が変わり、柄のない上品な着物です。五つ紋が付くとたいへん改まった式服として着ることができますし、紋無しですと街着として着ることができます。
  • 訪問着は、既婚・未婚を問わず女性の準礼装です。華やかな着物です。
  • 付下げは、訪問着に準ずる着物とされます。柄が控えめなものが多く、合わせる帯次第で幅広いシーンでの着用が可能です。
  • 御召小紋は、着物の中でも普段着にあたるので、式典には向いていません。一部、江戸小紋の場合は一つ紋を入れることで準礼装として扱われます。
  • 振袖は、未婚女性の第一礼装です。

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【必見】柄に迷ったら!年代別|おすすめの柄と選び方

着物や留袖の選び方は年代やライフステージ、好みやシーンによってさまざまです。特に留袖の柄は、年代に応じてどのようなものを選ぶべきか迷うことも多いでしょう。ここでは、年代別におすすめの柄の選び方をご紹介いたします。

20代、30代向け:若々しくて華やかな柄

20代、30代の女性は、その若さを最大限に活かして、華やかで明るい柄の留袖を選ぶと良いでしょう。ただし着用シーンのバランスが重要で、主役を引き立てるべき場では斬新過ぎる色柄などは避けるべきです。そのような場では、淡い色合いを選ぶのが良いでしょう。

40代、50代向け:落ち着きのある上品な柄

40代、50代の女性は、落ち着きと上品さを求められることが多くなります。そのため淡い色調や、伝統的な文様を取り入れた柄がおすすめです。落ち着いた印象を出すコツは、着物に使われている色数を減らすことです。ただ、あまりにも地味な柄や色味では、実年齢よりも上に見えてしまうのでバランスが肝心です。

60代以上:伝統的で格式のある柄

60代以上の女性は、格式や伝統を重んじることが多く、留袖の選び方もその傾向が強まります。特に、金や銀を使用した金彩の入ったものや、落ち着いた色調のものを選ぶことで、上品で格式のある印象を持っていただくことができます。

ゆめやの黒留袖の中でしたら、「水辺に咲くアヤメと貝桶の黒留袖」が年配の方におすすめです。絵柄が裾に近い方にあり、貝桶や菊に流水という古典柄、装飾として金ではなく銀が多用されていることから、50代、60代の方にお似合いの黒留袖です。加賀友禅の五つ紋付きアンティーク黒留袖で、格式の高い絵付けですよ。

どの年代にも言えることですが、着用シーンと自分の立場が重要です。同じ年代でも、母なのか叔母なのか姉(妹)なのかで大きく変わります。そして何より自分の雰囲気に合っているかどうかが大切です。留袖選びに悩む場合は、専門店で知識あるスタッフの意見を取り入れることがおすすめです。

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【格の高い柄一覧】種類別|黒留袖の”柄の意味”と”役割”

着物の柄それぞれには独自の物語や意味が込められています。絵柄に込められたメッセージなども含めて考察していきます。

和の伝統:柄の意味と背景の物語

着物の柄の中でも特に格式のあるのが、古典柄です。

  • 四君子文様:中国で古くから縁起が良いとされる文様で、蘭・竹・梅・菊の四つが描かれたものを言います。
  • 有職文様:平安時代に好まれた文様で、当時は身分の高い人々が用いていたようです。例えば、雪輪や立涌などさまざまあります。
  • 吉祥文様:各地から伝わった縁起の良い柄で、数多くあります。例えば、松竹梅は長寿の象徴ですし、同様に鶴と亀も長寿の象徴です。
  • 慶長文様:江戸初期から伝わる着物全体に柄を配置する、たいへん豪華な文様です。現在では、振袖で主に用いられます。
  • 寛文模様:江戸初期に慶長文様とともに寛文模様の素地は生まれていたようですが、寛文の頃に流行したため寛文模様と呼ばれます。慶長文様が総柄なのに対して、寛文模様は余白を設けてコントラストを演出する技法です。
  • 元禄模様:歌舞伎役者の佐野川市松が愛用した、市松模様など江戸中期の模様を、明治の頃に三越がモチーフとして売り出したと言われます。

柄の役割:結婚式やフォーマルな場でのメッセージ

結婚式やフォーマルな席での着物の柄選びは、ただ美しいと感じるだけでなく、その場の雰囲気や立場を考慮して選ぶことが大切です。

結婚式において新郎新婦の母親お母さまが選ぶ留袖の柄は格が求められます。例えば吉祥文様の鴛鴦は、夫婦円満の象徴であり優雅な印象を与えます。

七五三に祖母として選ぶ留袖には、すくすくと成長を祈る竹の柄などもすてきです。着物の柄一つ一つには意味が込められていて、相手への思いを伝えることができるのです。

最後に、着物の柄選びは自分の感性や好みを大切にしつつ、その場の雰囲気や意味を考慮して選ぶことが、日本の美しい伝統文化を継承する上での一つのマナーとも言えるでしょう。

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まとめ

留袖は着物の中でもとても格が高く、中でも黒留袖は第一礼装として用いられます。黒留袖は五つ紋と決まっていて、紋の数では格を変えられないため、柄によってシーンや年齢毎に選び分けることが大切です。

黒留袖の柄選びで失敗しないためのポイントと最新の注目柄

着物全てに言えることですが、TPOが大切です。相手と自分との立場を適切に見極めることは、相手を思いやることであって、日本人らしさにも通じているのでしょう。

ポイント1:季節や自分の年代に合わせた柄を選ぶ

日本では季節を大切にする文化が根付いています。着物にも、季節を感じさせる花や風物詩の柄を取り入れると良いですね。また、年代によっても適切な柄が異なります。30代や40代の方は、華やかな柄を楽しみ、50代以上の方は落ち着いた色合いや柄を選ぶと良いでしょう。

ポイント2:相手との立場で着物を選ぶ

結婚式などの場では、主役を引き立てつつ、自分も華やかに装いたいものです。自分の立場を正確に把握して、素敵に装いましょう。

ポイント3:最近の流行を取り入れる

着物は伝統的な柄が多いですが、その時その時で流行はあります。ゆめやの記事や店舗で取り扱われている商品一覧を参考に、最新の注目柄を探してみるのも良いでしょう。

最後に、着物は日本の伝統的な文化の一つです。黒留袖を通してその深さや美しさを感じ、日本の文化をさらに深く理解し楽しむことができることを願っています。

ゆめやでは、お母さまの黒留袖と新婦さまの振袖、お母さまとご姉妹さま、お母さまとお父さまなど、お得なセット価格でもご提供しています。どうぞご覧くださいね。

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〈参考記事〉
https://shiromukuya.com/columns/tomesode/
http://iroha-japan.net/iroha/B01_clothes/02_tomesode.html
https://www.kimonoichiba.com/media/column/341/
https://minagi.p-kit.com/page81011.html
https://www.bijutsushi.jp/c-zenkokutaikai/pdf-files/2017_05_19_2-5-higuchi.pdf
https://www.sensho.or.jp/kimono_encyclo/monyo_kaisetu/kaisetu3.html

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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