成人式の小物:第1話〜バッグや草履はどう選べばいいの?

令和3年の成人式が近づいてまいりました。

新型コロナウイルス感染症の影響で、盛大な成人式は見送られる地域もあるのかもしれませんが、一生の思い出に残したい成人式の振袖姿ですよね。ゆめやが全力でバックアップさせていただきます。

気が早いと思われるかもしれませんが、ゆめやでは令和4年の成人式のご予約もいただいています。お嬢さまの雰囲気に合うきものを探し出し、お嬢さまの個性を引き出す小物をコーディネートし、体型に合わせた補正を行いますから、1年前でちょうど良いタイミングです。プロの目で万全のフォローとアドバイスをさせていただきますから、ご安心くださいませ。

ゆめやの特徴はご存じのとおり、アンティークのきものです。大正から昭和初期にかけての贅を尽くした振袖400着以上をご用意していますが、小物もこだわり抜いた逸品ばかりです。

帯揚げ・帯締め・バッグ・草履・かんざし/髪飾り・重ね衿・半衿・ショールなど、各ジャンルで数十種類から数百種類を揃えています。ゆめや東京店ではご試着時に、きものに合わせて小物のコーディネートも承っています。

バッグと草履はきものと同系色にするか反対色にするかを悩んだり、半衿と重ね衿ときものの色合わせや柄合わせをあれやこれやと組み合わせたり、帯締めをポイントに持ってくるか帯と馴染ませるかを悩んだり、きもの選びと同じくらい時間をかけて小物を選んでいきます。極上の幸せな時間ですよ。

そんなお楽しみの時間のスタートです。

まずはバッグからご案内しましょう。

ゆめやでご用意しているのは、レンタルプランでよく見かけるエナメル調のバッグではなく、そのほとんどが総ビーズのアンティークバッグです。

1色のビーズを使い、縫い付け方や並べ方だけで模様を描き出したものや、何色ものビーズを使って華やかな絵柄を描き出したもの、金属部分に彫りがほどこされたもの、取手まで総ビーズで作ってあるものなどたくさんご用意しています。

現代でも総ビーズのバッグは作っていますが、海外で安く作られたものや、機械で作られたものが多いようです。現代ものは布にペラーっと一面にビーズが縫い付けてあります。ビーズの層が一面なので、ちょっと物足りなく感じてしまいますね。

アンティークは違いますよ。大正から昭和初期の総ビーズのバッグは深みがあります。これは、ビーズを2粒ずつ縫い付けてあるからです。すべて手作業で、たいへんな手間をかけた作品です。模様に合わせて計算して縫い付けることや、2粒ずつ縫い付けていくことにより奥行きや膨らみをもたらします。

中には「三越で誂えました」というバッグもありますが、ほとんどは無名の職人さんがじっくりと手作りしたもので、その中でもデザインが優れているものだけを集めています。

アンティークビーズの輝きは深みがあってうっとりするほどの美しさです。裏は布ですので、布に染みができてしまうと、表のビーズの輝きにまで影響してしまいます。ですから下の生地が白っぽいものは手入れもたいへんです。染みになってしまうとなかなか取れませんので、レンタルから帰ってくる度にしっかりとお手入れしています。

金具も美しいですよ。取手や口金が金属でできているものがあります。その金属部分には緻密な彫りがほどこしてあるものがほとんどです。松竹梅や鶴亀などの吉祥紋様が手彫りしてあります。この彫りも、つるんとした現代の金属部分と違って深みを醸し出す、職人の技です。

この金具も放っておくとくすんでしまいますので、レンタルから帰ってきたらとにかく磨きます。金属磨きのフェルト生地のような布で、隅々まで丁寧に。誂えた当時の輝きをずっと保ち続けていられるよう、スタッフ一同でお手入れしています。

補修やお手入れは、たいへんですが楽しい作業です。じっくり見ると、今まで気付かなかった彫りが見えてきたり、模様に込められた願いに気付いたりと、新たな発見の毎日です。

ひとつにこれだけの丹精を込めるバッグは、現代ではもう作れないでしょう。いつまでも丁寧に手入れをしながら使い続けたいものばかりです。

ゆめやにはたくさんのアンティークバッグをご用意していますので、どの色のバッグを合わせるか迷ってしまうところですね。

きものの柄とイメージを揃えたり、同系色にしたり、思い切って反対色にしたりと、バッグはご自分のセンスを存分に発揮できるアイテムです。1週間は楽しんで迷えそうなバッグ選びですよ。

バッグと同じくらい、草履選びも重要です。

振袖は正装ですので、かかとの高さは5~6cmが推奨されています。小物選びでピックアップされてくる草履は、いずれも振袖にふさわしい高さや色柄となっていますので、どうぞ安心してお選びください。

若い女性しか履けない、ぽっくりもご用意しています。

地域によって、ぽっくり・こっぽり・おこぼなどと呼ばれる履物です。主に七五三のお嬢さんの履物ですが、京都の舞妓さんは今でも履いていますね。結婚式のお引き摺りで履くこともあります。このぽっくりが成人式の振袖にも似合うのです。婚礼や成人式で、少女時代の最後を締めくくる履物ということになるでしょうか。

ぽっくりは分類的には下駄になります。木製の厚い台で重たそうに見えるかもしれませんが、真ん中が繰り抜かれているので、意外と軽いのです。後ろは丸く、前は斜めに前のめりになるように削られています。走るのはちょっと難しいかもしれません。歩くと、ぽくっぽくっと可愛らしい音が鳴ります。

材質は桐が軽くて良いですね。ゆめやがこだわっているのは天板の材質や塗りと鼻緒です。

木材に塗りの天板が多い中で、ゆめやが集めたのは布製の畳表の天板です。塗りはもちろん漆です。化成の染料とはひと味もふた味も違いますね、本物の漆塗りです。その漆塗りの上に、鶴や吉祥柄の絵付けが手描きでほどこされています。

鼻緒は本天というビロードです。別珍・ベロア・ベルベットとも言われることもありますが、ビロード=ベルベットです。ベロアや別珍は似てはいますがちょっと違う生地なのです。とは言うものの、いずれも立毛で光沢のある優雅な布です。

ゆめやのぽっくりの中には、ビロードの上に手刺繍がほどこされているものもあります。それはそれは可愛らしい刺繍です。

漆塗りに手描きの絵、鼻緒には手刺繍など、とにかく本物にこだわって集めています。色も豊富に揃えており、白っぽいもの、赤、黄色、ベージュなどがあります。きものに合わせてお選びくださいませ。

自信を持っておすすめできるぽっくりはまだ8足ほどですので、毎年争奪戦です。少女時代の最後の履物に、ぽっくりはおすすめですよ。

ぽっくりとは別に、畳表の草履も数足ご用意しています。アンティークの味わいはそのままですので、「ぽっくりは魅力的だけど、もうちょっとしっとりと着こなしたいな」と思われる方は、どうぞご一考ください。

振袖は第一礼装であるため、草履とバッグは同じ生地で同じ柄の対になっているものが本式ですが、成人式だけは例外です。バランスが取れなくなってしまうほど崩してしまうわけにはまいりませんが、素材・色・雰囲気などで絶妙なコーディネートを楽しみましょう。

きものや帯など全体の色柄に合わせると、すんなりとまとまります。きものや帯の一部分に使われた色や、帯・重ね衿などの色と合わせると、センス良く華やかな印象になりますよ。センスの見せどころですね。

さて、成人式の小物たち第1話はこのあたりで締めくくりましょう。バッグと履物のお話しでした。次回からも、こだわりの小物たちをどんどんご紹介していきます。どうぞお楽しみに。

 

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