若苗色に織り柄の一つ紋付色無地【hou81】

【1985年創業の実績】着物レンタル | 色無地のアンティーク

はじめに

着物に興味はあるけれど、どのように選べばいいかわからない方にとって、着物レンタルは最適な選択です。特に、色無地という着物は、さまざまなシーンで活躍し、上品な印象を与えます。この記事では、色無地を中心に着物レンタルの基礎から選び方、コーディネートのコツまでを紐解きます。

着物の魅力とレンタルの基本

日本の伝統的な民族衣装である着物を身に纏う時、女性は「美」の魔法にかかります。そんな特別な衣装を手軽に利用できる、着物レンタルの基礎に触れていきます。

着物の美しさとその歴史

着物の歴史は日本の歴史と言っても良いでしょう。古墳時代に見られる小袖は進化を遂げ、平安時代には現在の着物の原型が出来ていたと言います。そこから1000年、様々な形状の着物が現在も愛されています。

振袖:振れる程長い袖が特徴の着物です。未婚女性の正礼装として親しまれており、成人式には全国のその年の成人女性が身に纏う姿は風物詩です。
留袖:正礼装として着用される着物です。古くは、結婚後に振袖の袖を短く切って縫い留めたところから、その名で呼ばれました。特に格が高いとされる黒地の留袖を「黒留袖」と呼び既婚女性の衣装として、その他の色の留袖は「色留袖」と呼び既婚、未婚を問わずに着られる衣装として区別されます。
訪問着:未婚、既婚を問わずに、おしゃれ着から準礼装としてまで着用される着物です。上半身から下半身にかけて、生地を跨いで柄付けされる絵羽模様が特徴です。

ライムグリーンにドロンワークと手刺繍の訪問着【hou95】
手間暇のかかった手刺繍とドロンワークが美しい、ライムグリーン色の訪問着です。家紋は入っていません。裏は共八掛になっています。

小紋:普段着として着用される着物です。連続柄が特徴です。
:丈夫な紬糸を用いた着物で、普段着として着用されます。

その他にも、婚礼用の着物など様々なシーン毎に着分けられるのが着物のマナーであり、それは、四季の移り変わりであり、人生の節目節目です。日本人の美意識と文化を受け継ぐ存在、それが着物なのです。

着物レンタルの経済的メリット

着物レンタルは購入費用が高額になりがちな着物を、手頃な価格で利用できる点で経済的に大きなメリットがあり魅力的です。プランによっては、着付けやクリーニングのサービスが含まれていることも多く、追加費用を抑えられることも素敵ですね。着用する機会が少ない方でも、特別な日に合わせて振袖や留袖など様々な種類の着物の中から適切な着物を選ぶことができるのも大きな利点です。

着物レンタルの利用は、経済的な節約だけでなく、ファッションとしての着物の楽しみ方を広げることにも繋がります。普段の日常に、おしゃれ着として着物は注目されています。日本の文化を継承したり、国際的に知ってもらう機会としても、気軽に利用ができる着物レンタルの果たす役割は大きいのです。

色無地の魅力

様々な着物がある中、色無地は特殊な着物です。不思議な着物、色無地の謎に迫ります。

色無地という着物

色無地はシンプルな着物です。名前の通り、柄がなく色付けされただけの着物です。そのため、普段着として着られることが多い着物です。正確には、漆黒は喪服なので区別されますが、それ以外の色であれば帯の調整で略礼装としても着られます。

元は、色無地は江戸時代の庄屋に勤める使用人のうち女性や子どもが着ていた着物だったと言います。その後、大正時代あたりには一般の間にも普及しました。TPOを選ばない利便性と、無駄を削ぎ落したその雰囲気は、日本人の美学に通じるものがありますね。

紋無しと紋付の違い

色無地のドレスコードは、家紋の有り無しで調整されます。着物の世界では、礼装には家紋を付けるのが一般的です。首の付け根の「背紋」、両袖の後ろの「袖紋」、両胸の「抱き紋」とあり、この数が多いほど着物としての格が高くなります。

格の考え方は日本独自のものであり、ドレスコードに類似していますが、立場、年齢などで細かく調整する必要があるものだと覚えておいてください。また、着物毎に紋を付けられるかどうか、いくつまで付けられるかが違います。

振袖は正礼装ですので紋を付けられますが、通例的に無紋でも最も格の高い着物となります。留袖は黒留袖は五つ紋が決まりであり、既婚女性の着物で最も格が高い着物です。色留袖は一つ紋から五つ紋まで付けられます。一つ紋から三つ紋の色留袖は、主に準礼装として着用されます。五つ紋の色留袖は黒留袖に準ずる格の高い衣装として、参内する場合によく着用されます。

数ある着物の中でも、特別な着物にのみ付けられる家紋です。それが色無地にも付けられます。それもなんと、五つ紋まで付けられます。訪問着でさえ三つ紋までですので、この特異性がわかります。五つ紋の色無地は、非常に格が高い礼服として扱われます。三つ紋で準礼装、一つ紋で略礼装といったところでしょうか。

このような着物は他にありません。年代に合わせて染め直しもできるので、一枚持っておくと一生活躍する、そんな着物です。

あなたの大切な日のための着物

色無地着物は、そのミニマルながらも洗練された美しさで、あらゆる特別な日に最適です。シンプルなデザインながら、生地の質感や織りの細かさによって、さまざまな表情を見せることができます。ここでは、色無地が着られる具体的なシーンについて紹介します。

特別な日に選びたい色無地

シンプルな着物である色無地ですから、どのようなシーンでも活躍します。

七五三:淡い色合いの色無地は、お子さまを引き立てつつお母さまの美しさも添えられます。
入卒式:お子さまの入卒式に参加するお母さまの場合、上品な色使いは式の雰囲気にとても合います。また、学生さんや先生として参加する場合は袴と合わせると、クラシックな雰囲気を演出できます。
結婚式:お呼ばれの結婚式の場合、振袖や訪問着では悪目立ちしそうな時に色無地であれば、柔らかな印象で式に華を添えます。

もちろん、お茶会や普段のお稽古、観劇などにも最適ですし、色と帯によっては法事にもお使いいただけます。まさに八面六臂の働きぶりです。

色にこだわった色無地選び

柄がない着物であるからこそ、色無地選びは色にこだわりたいものです。春には桜色などの淡い色が映えるでしょうし、夏には涼やかな水色が素敵です。秋には趣ある色は景色に溶け込み美しいものですし、冬は澄んだ空気を感じさせる色合いが季節を感じさせてくれます。四季がはっきりとある日本だからこそ、四季に合わせた色選びができるとおしゃれですね。ちなみに、着物通は少しだけ季節を先取りした色選びをするんですよ。

この他に、着物は年齢によっても着分ける必要があります。同じピンクだとしても、若い時は明度、彩度の高い色を選び、年齢を重ねるに従い明度、彩度の低い色を選ぶようにするのが一般的です。色無地に柄がないとは言っても地紋がある場合が多く、その光沢感もまた選択肢の一つです。

このように、日本人らしい気遣いが着物姿をより美しくしてくれます。

サイズと帯の選び方

適切なサイズと帯を選ぶことは、着物の美しさを最大限に引き出し、自信を持って着こなすための鍵となります。レンタル着物を選ぶ際も、これらの要素に注意を払うことで、まるで自分専用に仕立てられたかのような完璧な着姿を実現できます。

体型に合わせた着物の選び方とフィッティングのコツ

着物を選ぶ際、体型にフィットするものを見つけることが重要です。サイズ選びでは、身長や体の各部位のサイズを正確に測定し、それに合った着物を選ぶ必要があります。レンタル着物の場合、多くの店舗で様々なサイズの着物が用意されており、身体に合わせて微調整が可能です。裄丈、袖丈、身丈などの寸法を確認し、自分の体型に合った着姿を確認することが大切です。

そうは言っても、着物は洋服と違い体型に左右されづらい衣装ですから、大体のサイズが合っていればプロの着付け師が美しく着付けてくれます。また、色無地の場合は柄がないため、柄の出方が体型によって左右されるといったこともないので便利です。

洗練された印象を与える帯選びの秘訣

帯選びは、着物の印象を大きく左右します。特に、シンプルな着物である色無地の場合、帯によって印象は大きく変化します。着物に柄がないからこそ、帯の柄はとても力強くコーディネートを牽引します。

色で言えば、着物と同系色であれば落ち着いたまとまりのある印象になります。補色であれば、コーディネートにメリハリが出ます。最終的にはその他の小物とのバランスも大きく影響を受けますが、色無地とはまさにキャンバスですので、帯の魅力を最大限発揮するには最高の着物です。

また、あまり知られていませんが、帯自体にも格があります。礼装用としては袋帯や丸帯が基本となります。簡易的に締められるように改良された名古屋帯などは普段着が一般的です。そして、色で言えば金や銀の占める割合が多いほど、柄であれば古典柄は格が上になりがちです。

若苗色に織り柄の一つ紋付色無地【hou81】
40年ほど前に仕立てられた、花菱の一つ紋付色無地です。花やツルの織り柄が可愛らしく、落ち着きのある上品な印象の着物です。お祝いごとを想定して、にぶい金色地に鳳凰の帯を結んでみました。

レンタル完全マスター

色無地のレンタルは、特別な日をさらに美しく彩る選択です。初めての方でも迷わずに進められるよう、詳細なレンタルの流れをご紹介します。

着物レンタルの流れ

着物レンタルの流れを知ることで、初めての方でも安心して利用できます。

リサーチ:レンタル店を調べましょう。口コミやSNSなどを確認することがコツです。近年はオンラインでの店舗もあるので、自宅に居ながらレンタルすることが可能です。
着物選び:レンタル店を訪問するなどして、着物を選びます。実店舗の場合は必ず試着をしましょう。ゆめやはオンラインのお客様にも試着していただけるプランを用意していますから、届いてみてガッカリといったトラブルもありません。
予約:イベント日に合わせて予約を取ります。着物レンタルプランによっては、ヘアメイクや着付けサービスが付帯していますが、ない場合は合わせて予約しておくと良いです。
着物受け取り:着物を受け取ります。オンラインの場合は、自宅などに届きます。受け取った着物は状態確認をしましょう。
イベント本番:着付け、ヘアメイクをして最大限楽しみましょう。
着物返却:イベント後、数日中に返却します。

レンタル時の注意点

レンタル自体の流れは簡単ですが、いくつか注意点があります。まずは、予約時にプラン内容をよく確認しましょう。多くの場合は着物一式フルセットでのレンタルですが、一部店舗では草履やバッグはオプションになっていたり、足袋は別で用意する必要があるなどの落とし穴があります。ゆめやの場合はプロのスタッフがコーディネートした完全フルセットでの提供ですので、初心者の方でも安心してご利用いただけます。

また、キャンセルポリシーの確認も重要です。どういった条件でキャンセル料が発生するのか把握しておくために必要だからです。返却時の延滞料金も高額になる場合がありますから注意です。

その他に、返却時に着物に汚れや破損がある場合は追加で修繕費が発生することがあります。万が一、汚したり破損させてしまったときは自己で処理をせずに、必ずレンタル店に連絡を取り対応を仰ぎましょう。以上のようなことを踏まえておけば、レンタルは何も怖くありません。

着姿を美しく見せる小物使いとヘアメイク

上品な色無地だからこそ、小物の使い方やヘアメイクの仕方でコーディネートは表情を変えます。

着物に映える和装小物の選び方

無地であるからこそ、どんな帯も活きるのが色無地の良さです。白いキャンバスであるからこそ、コーディネートは頭が痛い問題です。数ある選択肢の中から、何を基準に小物を組み合わせればいいのか。半襟、帯揚げ、帯締め、草履、バッグ、全てのバランスを見る必要があります。

ヒントは、「順序」と「引き算」です。小物選びは順序を意識すると、比較的上手くいきます。好みの着物が決まったら、その着物に合う帯を選びます。そのあとに、着物と帯の色の繋ぎとして帯締め、帯揚げの色を選びます。反発しあったり、ぼやけた雰囲気をコントロールします。

その後、華やかさを補う場合は半襟にも色を持ってきます。草履とバッグは礼装用であれば、帯地のもので合わせるとまとまりがあります。カジュアルの場合も、全体のバランス次第で色を外していきます。

トータルで見たときに、色を足し過ぎるとコーディネートは野暮ったく見えます。色無地の場合、帯が主張を利かせているので、その帯の柄に使われている色を小物のメインカラーに据えると調和がとりやすいです。

エレガントなヘアメイク

柄のない色無地は顔周りもスッキリとしています。そのため、ヘアメイクが大切になります。着物の基本はナチュラルメイクですので、過度なメイクは違和感があります。ファンデーションは少しトーンを上げるくらいの印象で良いでしょう。目元はラインが太くなり過ぎないように、あとは季節感のあるシャドーを添えるイメージです。リップは弱すぎると貧相に見えがちです。透明感がありながらも、発色具合は年齢に合わせてコントロールしましょう。

ヘアスタイルは清潔感が大切です。ロングであればまとめると良いでしょう。ショートで味気ないと思っている方は、ヘアアクセサリーで解決です。かんざし一つで華やかに仕上がります。

まとめ

色無地の着物レンタルは、さまざまなシーンでその価値を発揮します。結婚式、入学式、卒業式といった重要なフォーマルイベントでは、色無地の上品さとシンプルな美しさが、厳かな雰囲気をさらに高めます。日常生活においても、友人とのお茶会や小規模なパーティーなど、カジュアルな集まりに色無地を取り入れることで、非日常の特別な時間を演出できます。色無地着物は、その落ち着いた色合いと洗練されたデザインで、各シーンを格上げし、着用する人の魅力を引き立てます。

そんな有能な色無地を着物レンタルサービスを利用すれば、手軽に楽しむことができます。特に着物に慣れていない人にとっては、手頃な金額とフルセットのレンタルは大きなメリットです。ぜひ、多くの人々に着物文化を身近に感じていただければと思います。

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

最新記事

七五三イメージ

【2025年最新版】七五三の日本髪に合う髪飾りレンタルの秘訣

はじめに 七五三は、お子さまの成長を祝う大切な行事です。中でも、7歳の女の子が、伝統的な日本髪と美しい着物を身にまとい、華やかな髪飾りで装う姿は、まさに日本の美の象徴と言えるでしょう。しかし、7歳の女の子の七五三を迎える […]

ひとつ前の記事

桃から黄へのぼかしに絵羽模様の一つ紋付三歳祝着【kod104】

【七五三3歳専用】2024年版・初心者向け正絹衣装完全マスターガイド

はじめに 3歳の女の子にとって、七五三は人生で初めての晴れ舞台です。この日のためにふさわしい着物を選ぶことも、お子さまの成長を祝う大切な儀式といえるでしょう。素材からデザイン、色まで、着物選びには多くのポイントがあります […]
試着予約フォームへ|絹100%のアンティーク着物を特別な日に、無料試着、簡単4項目の入力で完結!