ヘアスタイルイメージ

【着物のプロが監修】黒留袖と髪型: 結婚式で失敗しないアレンジ術

はじめに

着物は日本の伝統的な服装で、その中でも「留袖」はとても特別な位置づけがあります。黒留袖と色留袖の2種類があり、両袖、両胸、背に家紋が染められ、結婚式などのフォーマルな場にふさわしい装いです。フォーマルシーンで活躍する留袖は、ただ着るだけではなく、留袖に合わせた髪型もとても重要となるでしょう。この記事では、黒留袖にぴったりの髪型について詳しく解説します。

留袖の重要性と場面

留袖は日本の伝統的な着物の中で、最も格式が高いものとされています。既婚女性の第一礼装であり、結婚式に新郎新婦の母親が着る衣装として定着しました。結婚式では、新郎新婦の母親、伯母、叔母、祖母といった近しい親族は黒留袖、それ以外の既婚親族は色留袖や訪問着で二人の前途を祝します。

黒留袖は地色が黒、裾に華やかな色彩でおめでたい吉祥柄が描かれているのが特徴。その華やかさとエレガントな雰囲気を、しっかりと前面に出すためには、どのような髪型が良いのか、気になるところですよね。

黒留袖とヘアスタイルの関連性

黒留袖のエレガントな装いは、髪型とのバランスがとても大切。黒留袖の格を落とさないためには、髪型にも工夫が必要です。髪の長さや太さ、そして前髪の有無など、それぞれの女性の特徴に合わせたアレンジが求められます。

たとえば、ショートヘアの方は、シニヨンや夜会巻きのようなアップスタイルは難しいかもしれませんが、ピンやヘアアクセを利用して、エレガントなイメージを演出することができます。また、ロングヘアやミディアムヘアの方はアップスタイルにして、上品なカールをつけたり、サイドに流れる髪を華やかなアクセサリーで飾ったりすることで、留袖との相性が高まるでしょう。

この記事の目的

この記事の目的は、留袖を着る際の髪型の選び方やアレンジ方法を紹介すること。留袖を着る女性は、どのような髪型やアクセサリーを選べばいいのか、迷うことも少なくありません。この記事を読むことで、留袖にぴったりの髪型を見つけるヒントや、そのアレンジ方法を知ることができるでしょう。

また、留袖の魅力を最大限に引き出すためのポイントや、気をつけたいマナーなども一緒に解説しています。人生の特別なシーンで着る留袖。どんな髪型が良いのか、どのようにアレンジすれば華やかさを引き出せるのか、この記事でしっかりと探してくださいね。

※ アンティークきものレンタル「ゆめや」の留袖一覧はこちらでご覧ください。

黒留袖とは?  基本知識を探す

留袖のマナーとは

留袖は、結婚式などの慶事の場で選ばれる衣装です。礼装であるため、着るときには特定のマナーを守らなくてはなりません。例えば、小物、持ち物は礼装用のアイテムを選び、帯揚、帯締、足袋、半衿は柄物ではなく白色を用います。アクセサリーや髪型も、留袖にふさわしい、派手過ぎないものを選びましょう。

留袖を着る際の基本的なマナーを見てみましょう。女性の第一礼装には振袖と留袖があります。振袖は未婚女性が着る晴れ着で、袖丈はひざ下まであり、色やデザインが全体的に華やかです。一方、留袖は既婚女性が着る着物で、袖の長さは約49センチ、着物の下部分にだけ柄があります。

柄は一枚の絵のように染め抜いた絵羽模様。色留袖には、五つ紋・三つ紋・一つ紋がありますが、黒留袖の家紋は五つ紋が必須です。五つの家紋は女性の場合は、実家紋でも婚家紋でもよいとされています。夫婦二人で自分たちの家紋を考えても構いません。ですが、家紋でないもの、花紋や絵紋などのおしゃれ紋は避けてください。留袖の持つ格式を落としてしまいます。

そして、留袖を着る際には、自分の立場や関連する人々の立場を意識することも重要です。例えば、結婚式に出席する際に、新郎新婦の親族として参列するか、ゲストとして参列するかによって、留袖の選び方やアクセサリーの選び方が違ってくるでしょう。現代では、ゲストが黒留袖を着ることはほとんどありませんが、三つ紋や一つ紋の色留袖は、ご両家に相談のうえでお召しになる方もいらっしゃいます。

アンティークきものレンタル ゆめや は、大正時代から昭和初期にかけての着物をメインに取り扱うレンタルショップです。最上格の五つ紋付黒留袖から「色とりどりの鶴舞う黒留袖」をご覧いただきましょう。朝日に輝く赤い鶴・流水の青・梅の白・笹の金茶、それぞれが光り輝き、明るい門出を祝うかのような、大正時代のアンティーク五つ紋付黒留袖です。素晴らしくきれいな刺繍糸で、手の込んだ刺繍が施してあります。黒留袖にはあまり使われることのない青色が、目の覚めるような美しさで、効果的に配色されていますね。

留袖を選ぶときは、自分の好みや体型、そして場の雰囲気に合わせて選ぶことが大切です。留袖のレンタルや購入を検討する際には、専門の店舗で相談しながら、自分にぴったりの一着を探してみてください。

黒留袖の特徴と注目ポイント

留袖の中でも「黒留袖」は、最も格の高い着物です。黒留袖の最大の特徴は、地色が黒であること。黒を引き立たせるため、裏地に比翼と呼ばれる白い布が重ねて縫い合わせてあります。地色が黒、白い比翼があり、五つ紋が染められた着物が黒留袖です。既婚女性の最も格式高い着物と覚えておきましょう。

黒留袖の注目ポイントとして、まずそのデザインや柄を楽しむことが挙げられます。伝統的な古典柄から最近の流行を取り入れたものまで、さまざまなデザインが存在します。主に結婚式で着るため、おめでたい吉祥柄(鶴、亀甲、御所車、貝合わせ、桜、牡丹など)に人気があるようです。

また、黒留袖の魅力として、その色の持つ格式や上品さが挙げられます。黒は、他の色とのコントラストが美しく、金糸、銀糸で織られた袋帯との相性が抜群です。ツヤのある濡羽色(カラスの羽のような艶のある黒色)の留袖に、金銀をふんだんに使った袋帯、この組み合わせによって、一段と豪華でおめでたい雰囲気が生まれるでしょう。

さらに、黒留袖を着る際のヘアスタイルやアクセサリー選びも、印象を大きく左右します。髪型は、シニヨンやアップスタイルなど、上品でフォーマルなものがおすすめです。

アクセサリーは着けないことが基本のルールです。どうしてもピアスやイヤリングを着ける必要がある場合は、耳にぴったりと付くものを選びましょう。ぶらさがるタイプのイヤリングやピアスは、「心が揺れる」として、縁起が悪いとされています。結婚指輪や婚約指輪は着けてもOKですが、立て爪のリングや宝石が大きいリングは、着物に引っ掛けることがありますので、なるべくなら平たいデザインのものだけを着けましょう。

黒留袖は、多くの女性にとって、一生に一度は着てみたいと思う特別な装いです。その美しさや格式を十分に味わうためにも、正しいマナーや選び方を知って、自分にふさわしい一着を選んでくださいね。

どんなヘアスタイルが黒留袖に合う?

着物を着るときは、アップスタイル、まとめ髪が基本です。特に、黒留袖のような格式の高い着物には、その格式に相応しい髪型が必要となるでしょう。ここでは、黒留袖にマッチするヘアスタイルの選び方を、3つのスタイル別にご紹介します。

エレガントなロングスタイル

ロングの髪は、女性らしさを際立たせる魅力があります。黒留袖との組み合わせは、エレガントさが倍増することでしょう。

  • 夜会巻き: ロングヘアの中でも特に人気のある「夜会巻き」。上品なカールが黒留袖の格式をさらに引き立てます。このスタイルは、新郎新婦の母親や、親族としての出席時におすすめです。
  • シルエットを活かしたまとめ髪: ロングの髪を上手にまとめ上げることで、顔の輪郭や首元の美しさを強調できます。ピンやヘアアクセで飾りを加えると、より華やかに。
  • 長さを活かして編み込み: 若いお母さまは、編み込みもおすすめです。髪の長さを活かし、サイドからしっかりと編み込んでいきましょう。ほつれやおくれ毛に注意し、きっちりとまとめてください。

ロングヘアの方は、このようなアレンジで黒留袖の美しさを最大限に引き出してみてはいかがでしょうか。

さっぱりとしたショートやボブ

ショートやボブの髪型は、スッキリとした印象を与えるため、黒留袖の格式感とも意外にマッチします。

  • ショートのナチュラルウェーブ: ショートヘアに軽やかなウェーブを加えることで、カジュアルすぎず、上品さも感じさせるスタイルに。フォーマルな場でも違和感なく映えることでしょう。ウェーブで毛先を流し、衿元、首元の美しさを強調してください。
  • ボブのストレート: ストレートのボブは、シンプルでありながらも女性らしさを引き立てます。黒留袖との組み合わせで、シャープで清潔感のあるスタイルを演出しましょう。サイドを耳にかけ、顔のラインをすっきり見せるのもおすすめです。
  • ショートを夜会巻き風にアレンジ: 衿足の髪をまとめて留めると、夜会巻きのようなフォルムに仕上がります。前髪は高めに立ち上げて、バックに流しましょう。

ショートやボブの方も、黒留袖に合わせて上品にまとめることで、異なる魅力を発揮することができますよ。

ミディアムのナチュラルアレンジ

ミディアムの髪の長さは、アレンジの幅が広く、さまざまなスタイルを楽しむことができます。

  • ナチュラルウェーブ: カールの強さを控えめにして、自然なウェーブをつけることで、黒留袖の格式を崩すことなく、柔らかい雰囲気を演出できます。衿元、首元にかかる毛先は、ピンやヘアアクセでまとめ上げてください。
  • ボリュームアップしてシニヨン: 留袖の髪型はアップスタイルが基本です。ですが、ミディアムの人はアップするのに、長さが足りない場合があります。そんなときはネット付きのシニヨンバレッタがおすすめ。ネットの中に、着け毛やエクステンションを入れて、きれいな形をキープしてください。
  • サイドにまとめるスタイル: サイドの髪を束ねてねじり、ピンで中央に留めます。ねじってまとめるスタイルは、黒留袖との相性も抜群。パール飾りのピンなどで、さらに魅力的になります。おくれ毛が出ないようにきっちりとまとめるスタイルが留袖姿に似合います。

ミディアムヘアの方は、これらのアレンジで黒留袖の魅力を存分に引き出してみてください。

どのヘアスタイルも、黒留袖との相性を考慮しながら、自分らしさを出すことが大切です。選んだヘアスタイルで、留袖の美しさとともに、素敵な一日を過ごしてくださいね。

各髪型のアレンジポイント

日本の伝統的な装い、留袖。留袖をまとうと、一気に格式のある装いとなり、周りの視線も自然と集まってきます。留袖を着る特別な日、髪型はどのようにアレンジすれば良いでしょうか。さらに、ロングヘア、ショート・ボブ、ミディアムのそれぞれの髪型のアレンジ方法を紹介します。

ロングヘアは基本の夜会巻き

ロングヘアはその長さの魅力を最大限に活かしたアレンジがおすすめです。まず、基本の「夜会巻き」をマスターしましょう。夜会巻きは、ロングヘアをエレガントにまとめるための基本的なアレンジ方法として、結婚式や成人式などのフォーマルなシーンでよく使用されます。

まず、髪の毛を中心からサイドに分け、しっかりとカールをつけます。その後、後ろで一つにまとめ、低めの位置で束ねます。束ねた部分をクルクルと巻き上げてピンで留めると、上品なシルエットの夜会巻きが完成します。華やかさをプラスしたい場合は、髪飾りやパールのヘアアクセサリーを使用すると良いでしょう。ロングヘアの魅力を存分に活かした、上品で華やかなアレンジを楽しんでみてください。

たっぷりとまとめた髪にお似合いのかんざしをご紹介しましょう。左端「べっ甲に牡丹とトルコ石のバチ型かんざし」は、べっ甲調のバチ型に白い牡丹の花が手描きされたかんざしです。花芯の青いトルコ石が印象的です。中央「椿と鉄線のトップが丸いバチ型かんざし」は、珍しく丸いフォルムのバチ型かんざしです。柔らかい雰囲気を出したいお母さまに最適でしょう。右端「べっ甲に菊の手彫りと金塗りの櫛型かんざし」は、本べっ甲です。縁には菊の花が手彫りされ、金の塗りがほどこされています。貫禄がありますね。かんざしをさりげなく挿したい方におすすめです。

ショート・ボブはアクセサリーで華やかに

ショートやボブの髪型は、長さが短いため、アレンジが難しいと感じる方も多いかと思います。ですが、それが逆に新しい魅力を引き出すチャンスとなります。特に、アクセサリーの活用がポイントです。留袖には黒塗りの櫛、べっ甲のかんざし、パールのヘアピンなど、和風のものを選んでください。

ショート・ボブの髪型には、「ヘアピン」がおすすめです。ヘアピンは短い髪にも使いやすく、飾り付きであれば華やかな印象になります。サイドやトップ部分に挿すだけで、一気に明るい雰囲気に変わるでしょう。

また、コーム型、櫛のヘアアクセサリーも留袖に似合います。頭の後ろやサイドにさっと挿すだけで、ショートやボブでもしっかりとした存在感をアピールできるでしょう。留袖に合わせる際は、派手なものを避け上品なデザインのものを選ぶと、統一感のある装いとなります。

かんざしを挿すことを美容師さんに相談して、編み込みをしたり、ねじりを入れたりするスタイルにして、かんざしを挿す部分を作ってもらうようにしましょう。また、襟足にある程度の長さのあるショートやボブでしたら、付け毛を使うなどしてアップスタイルにできる可能性もあります。ゆめやのかんざしの写真を美容師さんにご覧いただいてくださいね。

左端「白から紫メインの洋花のビーズ細工かんざし」は、小花が流れるように配置されています。華やかで若々しい印象のかんざしです。中央「黒地に小花のワイヤーアートの洋風かんざし」は、大人気のワイヤーアートです。黒や白が中心となっていますので、黒留袖にもすんなりと馴染むでしょう。右端「金色の葉っぱに真珠や宝石デザインのかんざし」は、パールや宝石を模した細工物が取り付けられています。水面を表現するかのような、さわやかな印象の髪飾りです。

ミディアムはボリュームアップ

ミディアムヘアは、ロングにもショートにも劣らない、たいへんアレンジしやすい長さです。その最大のポイントは「ボリューム」を出すこと。特に、トップのボリュームをしっかりと出すことで、頭全体のバランスが良くなり、留袖との相性もぐっと良くなります。

まず、髪の毛をしっかりと乾かした後、トップ部分を少し持ち上げてワックスやヘアスプレーを使って固定します。この際に、髪の根元から少し引っ張るようにしてボリュームを出すのがポイントです。また、カールアイロンを使って、髪全体にゆるやかなカールをつけると、より女性らしい雰囲気に。最後に、サイドや後ろをしっかりとまとめて、ヘアアクセサリーで飾れば、完成度が高まります。

アップスタイルにできるようであれば、小振りのかんざしを挿しましょう。左端「椿と鉄線のトップが丸いバチ型かんざし」は丸いフォルムが優しい印象のかんざしです。中央「べっ甲に菊の手彫りと金塗りの櫛型かんざし」は本べっ甲のかんざしです。右端「唐草の透かし彫りのべっ甲調のかんざし」は、少し透明感があります。透明感のあるべっ甲はお若い方向けですが、この程度の透明度でしたら、年配者でもお着けいただけるでしょう。

ここまで、留袖に合わせる髪型のアレンジ方法を紹介しました。どの髪型も、自分らしいアレンジを楽しみながら、留袖との組み合わせを考えてみてください。そして、その日が最も素敵な日となることを心から願っています。

ヘアアクセサリーや飾りの活用方法とNG例

ヘアアクセサリーは、シンプルなヘアスタイルも一気に華やかにしてくれるアイテム。結婚式では、アクセサリー選びがポイントになります。ですが、結婚式ではやってはいけないこと、マナー違反のアクセサリーもあるので、きちんと覚えておきましょう。

  • パールのヘアアクセサリー: 着物や留袖、訪問着にふさわしいのは、上品な輝きを持つパールのヘアアクセサリーです。シニヨンの中心やサイドに取り付けると、品のある装いが完成します。
  • アクセサリーの位置: アクセサリーの位置も大切です。高い位置に付けると若々しさが、低い位置に付けると落ち着きや品が出ます。
  • 花の飾りはNG: 花飾りは成人式の振袖姿でよく見られますが、結婚式の留袖にはNGです。特に、生花の髪飾りは花嫁の特権なので、母親がそれを奪ってはいけません。留袖のまとめ髪にも、ミスマッチですね。
  • 派手なヘアアクセは避けて: 過度な盛り髪、大きめのリボン、ヘッドドレスなどは、留袖の場合は、NGです。飾るよりも気品を保つことをこころがけましょう。衿元や首元に垂れるようなアクセサリーも使わないようにしてください。

結婚式の場では、あまり派手なヘアアクセサリーは避け、シンプルで上品なものを選ぶことをおすすめします。装い全体のバランスを意識しながら、最も似合うヘアアクセサリーを選びましょう。

50代向け: 結婚式での母親のヘアスタイル

愛しい我が子が生涯の伴侶を迎える頃、お母さまは50代から60代を迎えていらっしゃるでしょうか? 50代は、女性の人生でも大人の魅力が光る時期。黒留袖が最も似合う年齢でもあります。

結婚式では、新郎新婦の立場を尊重しながらも、母親としての品格を保つことが大切です。ゲストを引き立て、お相手の家族に恥ずかしくない装いをしなくてはなりません。それこそが、既婚女性の第一礼装たる留袖の持つ役割なのです。品格のある黒留袖に、エレガントで落ち着いたヘアスタイルが、格式ある母の姿を演出します。

そして、結婚式当日、新郎新婦の親御さんは、ゲストのテーブルを回ってご挨拶をしたり、親族の誘導をしたりと大忙しの1日です。どんなに忙しく立ちまわっても、見苦しくないよう、留袖は着崩れしにくい着付けを心がけましょう。髪型はきっちりとまとめ上げ、おくれ毛が出ないようにしてください。

ヘアサロンでの相談の際の注意点

結婚式当日は大忙し、しかも髪型はアップスタイルでまとめなくてはなりません。そのため、留袖の髪型はセルフセットよりも、ヘアサロンにお願いする方が多いでしょう。ここでは、ヘアサロンでの相談の際に、注意する点を解説していきます。

予約時のコミュニケーションポイント

和装の際のヘアアレンジは、普段のアレンジとは異なる点が多いです。予約時にしっかりと希望を伝えることで、当日のスムーズなスタイリングが期待できます。

  • 用途を伝える
    振袖、留袖、訪問着など、着物の種類やシーンによっておすすめのヘアスタイルが変わってきます。まずは、どのような和装でどのような場所に行くのかを伝えましょう。新郎新婦の母親か、親族か、ゲストかを正確に伝えてください。
  • 長さや毛質を伝える
    ショート、ミディアム、ロングなど、髪の長さや毛質によってできるアレンジが異なります。あらかじめ伝えておくことで、スタイリストも準備をしてくれます。
  • 好みや希望を明確に
    華やかなアップスタイルや、シンプルなまとめ髪など、イメージを具体的に伝えると良いです。また、使用するアクセサリーや飾りの有無も伝えておきましょう。

通常のヘアスタイルとは異なり、和装の際の髪型は、着物のデザインや色、アクセサリーとの相性も考える必要があります。そのため、予約時のコミュニケーションがたいへん重要です。

SNSやPinterestなどの活用方法

最近のトレンドや、自分の好みに合ったヘアスタイルを探す際には、SNSやPinterestが大変役立ちます。

  • ハッシュタグを活用して検索
    「#和装ヘア」や「#結婚式ヘアスタイル」「#結婚式母」などのハッシュタグを使って、気になるスタイルを検索してみましょう。
  • お気に入りのスタイルを保存
    気に入ったスタイルは保存しておきましょう。サロンでの相談時にスタイリストに見せると相談がスムーズに進みます。
  • スタイリストやサロンの公式アカウントをフォロー
    お気に入りのサロンやスタイリストの公式アカウントをフォローしておくと、最新のスタイルやお得情報をキャッチできます。

ヘアスタイルとメイクの関連性

黒留袖に合わせるメイクの基本

留袖、特に黒留袖は、和装の中で最も格式が高く、フォーマルな場での着用が多いですね。そんな大切な場面では、髪型だけでなくメイクもしっかりと仕上げたいもの。黒留袖にふさわしいメイクの基本について、まとめてみましょう。

まず、黒留袖の色合いはシックなため、メイクも上品で落ち着いたものが好ましいです。特にアイシャドウは、ブラウンやグレーのような控えめな色を選ぶと良いでしょう。派手なカラーは避け、自然な影をつけることで、深みを持たせます。

次に、アイライン。黒過ぎると硬い印象になってしまうので、ダークブラウンがおすすめです。目の形を綺麗に見せることで、一段と華やかさが増します。マスカラも同様にブラウン系を選ぶと、上品な印象をキープできるでしょう。

チークは、ピンクやオレンジを少し入れることで、顔色を明るく見せることができます。ただし、控えめにするのがポイント。過度な赤みは、留袖の格式を損ねてしまう恐れがあります。

リップは、濃い赤系が合います。朱、紅といった伝統的な古典色が、留袖を着る日本人の肌を鮮やかに彩ってくれるでしょう。

そして、最後に重要なのが、眉毛。眉は顔の印象を大きく左右する部分です。自然な太さで、しっかりとした形を保つことが大切です。眉マスカラを使って、自分の髪色に合わせましょう。

全体的に、黒留袖に合わせるメイクは、派手さを避け、知的で上品なものを心がけると良いでしょう。そして、何よりも自分の顔をよく知ることが、最も大切です。

髪型とメイクのバランスをとるポイント

結婚式などフォーマルな場への出席時には、ヘアスタイルとメイクのバランスがたいへん重要です。どちらかが強すぎると、全体のバランスが崩れてしまうことも。そこで、髪型とメイクのバランスを取るポイントを紹介します。

まず、ヘアスタイルがシンプルな場合は、メイクで少しアクセントをつけましょう。たとえば、ショートのストレートな髪型や、シンプルなアップスタイルの場合に、リップやアイシャドウで少し色を足してみると、華やかさが増します。逆に、ヘアアクセサリーや飾りが多いアップスタイルの場合は、メイクは控えめに。派手なヘアスタイルと濃いメイクが同時になると、うるさく感じてしまう可能性があります。

また、髪の色や質感とメイクのカラーも関連があります。髪が黒やダークブラウンの場合は、メイクもブラウン系を中心にすると統一感が出ます。逆に、髪がブロンドや明るいカラーの場合は、ピンクやオレンジなどの明るい色を取り入れると、フレッシュな印象になります。

重要なのは、全体のバランスを常に意識すること。髪型とメイク、どちらも目立たせ過ぎず、相手に与える印象を考えながら、自分らしいスタイルを楽しんでください。全体のバランスと、目立ち過ぎないことが、最も美しい女性を演出する秘訣かもしれませんね。

まとめ

黒留袖のヘアスタイルのキーポイント

留袖、特に黒留袖は、日本の伝統的な装いの中で最も格式の高い着物です。それゆえ、ヘアスタイルにもその格式と華やかさを反映させなくてはなりません。

ロングやミディアムの方は、アップスタイルや夜会巻き、シニヨンなどのまとめ髪が定番です。ピンやパールを使用して、華やかで上品なイメージを演出すると、留袖の格式がさらに引き立ちます。

ヘアスタイル選びの基本ポイント

ヘアスタイルを選ぶときは、まず自分の顔の形や髪の質、好みを大切にしましょう。その上で、着る着物や場の雰囲気、立場も考慮に入れる必要があります。

留袖の髪型はアップスタイルが基本です。結婚式などのフォーマルシーンでは、髪をアップにすることで、衿元や首元がきれいに見えて、装いの華やかさが際立ちます。和装は、衿元が美しさの命です。また、イベント内容や個人の年齢によっては、ヘアアクセサリーの位置など、細部に気を配ると良いでしょう。

そして、何よりも自分らしさを出すこと。流行を追うのも良いですが、自分のスタイルや好みに合わせて、ヘアスタイルを選ぶことが最も大切です。和の魅力に加え、自分らしい魅力を、ヘアスタイルにも反映させると、一層素敵な装いとなります。

身近な親族や友人に相談してみるのも良いでしょう。結婚式では、出席する自分の立場を考えて、黒留袖、色留袖、訪問着など、着物の種類を選ばなくてはいけません。結婚式に出席する同格の立場の人と、衣装を合わせ、髪型を決定することをおすすめします。和装を着用する機会の多い女性を中心に、実体験に基づいたアドバイスをもらってください。彼女たちの経験や感じたポイントを参考にすることが、より自分らしいヘアスタイルを見つける手助けとなるでしょう。

以上、留袖を着る際のヘアスタイルについてのまとめでした。どのヘアスタイルも、自分らしさを大切にしながら、着物の美しさを引き立てるスタイルを選びましょう。

留袖のヘア&メイクをさらに追求し、最高の1日を迎えたい方は、以下のサイトも参考にしてください。

〈参考記事〉
https://www.niwaka.com/ksm/radio/wedding/guest-hairstyle-makeup/hair-arrangement/22/
https://www.hareginomarusho.co.jp/contents/tomesode/1458/
https://wed-junbi.com/article/2022329-697/

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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