成人式の小物:第2話〜帯締め、帯揚げ、重ね衿、半衿はどうコーディネートすればいいの?

結構な手間を掛けて作っているのですよ。まずは布を選びます。仕上がりが150~170cmほどですので、180cmを目安に作っていきます。生地を裏返し中表にして縫いますし、ミシンを使いますので、縫う時間はさほど掛かりません。ですが、細いものですから、縫い終わったものを表返すのに、かなりの時間が掛かります。

表返した筒状の紐の中には、本式であれば真綿を詰めていくのですが、真綿はなかなか手に入りませんし、丸く仕上げる技術もありませんので、京都に行って勉強してきました。

企業秘密ですが、紐の中身は毛糸です。180cmの毛糸の束を作って、筒の中に納めていきます。180cmは長いですから、当店の2階への手摺りを使って作ります。アイロンをかけながらきれいに丸くして納めていくのです。文明の利器に頼りながらも、なかなか根気の要る仕事です。

これだけ頑張って作っていますが、お使いいただけるのはレンタルで10回ほどです。どうぞゆめやの思いを感じながら使ってくださいませ。

次に、帯揚げですね。

帯揚げも基本的な色選びは帯締めと同じで、きものと同系色か、ワンポイントの色がまとまりやすいでしょう。

ですが、せっかくの成人式ですから、きものの色から2色選んで、赤い帯締めに紫や緑の帯揚げなどというコーディネートも素敵だと思います。

ゆめやでご用意している帯揚げは、ほとんどが現代ものです。現代と言いましても、今作っているわけではなく、30~40年ほど前のものです。アンティークきもの業界で言うところの現代ものです。本物のアンティークの帯揚げはなかなか残っていないと思います。

ゆめやの帯揚げは手絞りにこだわっています。絞りではない縮緬の帯揚げなども少しありますが、ほとんどが絞りですね。

染めで二色になったものや、ぼかしが入ったもの、絞りで絵柄が描かれたものなどもあります。色の数だけ手間数が増えますので、絞りで絵柄を描くというのはたいへんな作業です。

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ゆめや通信編集部

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この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
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監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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